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【ホロライブ事件簿】第6話ウーサ・ペコーラ王妃、来日【脚本】

晩餐会の夜編1

洋館の門前付近 夕方

各国の要人を歓待する大きな洋館。
建物から少し離れたところで、パトカーに乗って待機するスバルとちょこ。
門からの出入りがよく見える。
運転席のスバルはあんパンと牛乳を食しながら退屈そうにしている。
ちょこ「結局、私たちも駆り出されてしまったわーけ」
スバル「あのさぁ、俺らの手も借りたいなんてどんだけだよって思うわーけ。あーあ。」
あくびをするスバル。
ちょこ「いいじゃない。普段は血なまぐさい事件しか扱わないんだし」
と前向きに考えようとするちょこ。
スバル「俺には刺激が必要なんだよなぁ。ワクワクするような殺人事件。息詰まる緊迫した銃撃戦、そして高知能犯人との心理バトル!」
ちょこ「あのさぁ、今までそんなことなかったでしょ。この前だってただの事故死だし」
急にまじめな顔になるスバル。
スバル「・・・そのことなんだが。なんかしっくりこなくて・・・」
ちょこ「?何か引っかかるの?証拠も出たし解決したでしょ。・・・あ!?あれっ!」
スバル「ん、んあ?」
一台の黒塗りの高級車がゆっくりと迎賓館の門に止まる。
スバル「ああ、まだウーサ・ペコーラ王妃が来る時間じゃないだろ。ゲストの誰かだろ」
と気分が乗らないままのスバル。
ちょこ「いやそうじゃなくて、あれ見てよ!後部座席!」
スバル「え!?ル、ルーナ!?」
門が開き、ルーナを乗せた車は静かに館に入っていく。

◇洋館内 晩餐会会場

タキシードやドレスに身を包んだ多数の出席者。美しく装飾されたテーブルにつき、あいさつを交わしている。広い会場は厳かな雰囲気が満ち、主賓が来るのを待っている。ルーナもその出席者の一人で隣のマダムと会話している。
マダム「今日はお父さまはいらっしゃらないの?」
ルーナ「入院して来れないのら。かわりに出てくれって頼まれて来たのら」
マダム「あら。それは大変ね。どんなご病気で?」
ルーナ「たいしたことないのら。お風呂で滑って転んだだけなのら」
マダム「あら」
男の声「これよりウーサ・ペコーラ王妃のご来場です」
出席者全員が席を立つ。
扉が開き、SPらが最初にぞろぞろ出て、そして王妃が姿を見せる。
拍手が起こり、華やかなドレスに身を包んだ王妃が上座のテーブルに向かい。日本人のホストの隣に立つ。
にっこりほほえむウーサ・ペコーラ王妃。
ルーナ「(えっ!?えー----!?)」
その姿はあの事件の被害者兎田ぺこら氏にうりふたつだった。
驚愕するルーナ。口を開けたまま呆然としている。
拍手の中、ゆっくりと座る王妃ペコーラ。微笑みを絶やさない表情。
ルーナは寒気を感じた。そして王妃の笑顔が不敵な笑みに見えたのだった。

洋館の門前付近 夜
パトカーに乗って待機しているスバルとちょこ。
スバル「ふぁーあ(あくび)。なんかおもしれえこと起きねえかなぁー」


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