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いい日だったと眠りたいから、生きている。

今までの人生で2回、命の危険を感じたことがあります。
1回目は阪神大震災。2回目は病気になったこと(これについては、「いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん」の書籍にエッセイとして書いています)。

その時、願った事は「お腹いっぱい」になることでした。
震災の時は、30分後にはまた何が起こるかわからない混乱の中にいましたし、病気の際は食べる体力を失ってしまいました。
それなのに、どんな時も食べたくて仕方なかった。食欲だけは絶好調でした。

病気が少し良くなった時、台所にそろそろと立ち、自分の食べれそうで食べたいものを少量作りました。
長く立ってられなかったから、さっと出来るもの。それが美味しかった時の喜びったら!完食できた時の嬉しさったら!まったく寝てればいいものを、どうしても自分の食べたいものを作りたかったんです。

そんないつかの「食い意地」からレシピがたくさん出来ました。絶対食べたい、元気になりたい、という気持ちが今の私に繋がっています(今はもう全然元気ですので、どうぞ心配しないでくださいね)。

自分の手で、自分の食べたいものを作る。何もないところから、食べるものを準備して差し出すことができる。私たちは魔法が使えるのです。
毎日、毎日、繰り返していると忘れがちですが、それは鍛錬の成果であり、あなたの健やかな体と心が生み出したものです。
 
もし、疲れてなにも食べたいものが思い浮かぶことができない時、私の料理がヒントになればこんな幸福はありません。
いつも、そんな願いを込めて料理をしています。


そんな願いを、一つのメッセージの形にしてくれたのが、編集者の林さん、杉浦さん、筒井さんでした。
先日のnoteのイベントの動画がこちらからご覧いただけます。

有賀薫さんが司会を務め、「料理家が料理家にインタビューする」というシリーズが始まります。

https://note.com/embed/notes/n1bfad05ebcb8

フリー編集者の林さやかさん。

『毎日のあたらしい料理』KADOKAWA編集者の杉浦麻子さん、
2冊目『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)の左右社編集者の筒井菜央さんが登壇して、出版までの道筋をお話しされました。
編集者の皆さんは、右も左もわからない私のことを常にサポートしてくださりました。
今回のイベントの皆さんの言葉を聞き、わたしは一生分の愛を戴いたなあと思います。
編集者の皆さんの実行力、強い心が私を運んでくれました。人生を変えた方々です。


そして、有賀さんが書いてくださったnote。
じつはまた、出版に至った経緯にはこんな裏話があったのでした。
企画が通らなかった時、有賀さんが応援してくださるだけでなんて嬉しく光栄なことだろう…と思いました。私にとってはそれが十分な勲章だったのです。アシスタントに呼んでいただいた時も、有賀さんの仕事の姿勢にいつも学んでいました。

今回の企画は有賀さん司会でシリーズ化します。料理家が料理家にインタビューするという有賀さんの画期的な試みは、いろんな方の人生に影響を与えるのでかないかと思っています。


駒瀬 元洋|PR・マーケティング|モダンエルダーさんもこのイベントについてnoteでレポートを書いてくれました。
駒瀬さんの書かれている記事では、知らないことばかり!
料理家を目指す方々はもとより、出版を目指す方も必見です。駒瀬さんのnoteわかりやすく、他の記事も勉強になります。


料理書籍の編集者の綛谷久美さんもnoteを書いてくださいました。
料理家を応援するプロジェクトをお持ちの綛谷久美さんにこんなふうに書いていただいてとても嬉しく光栄です。
綛谷さんは企画を立てる方なので、また視線が違うレポートで、料理家を目指す方は具体的に勉強になるのはもちろん、あたたかい励ましの言葉が綴られています。


そしてnote社の皆さん。皆さんが応援してくださっていることをいつも嬉しく幸せに思っています。noteはプラットフォームでもありますが、そこには人がいて、いつも見守ってくれています。
noteは私を見つけてくれました。本当にありがとうございます。
志村さん、司会お疲れ様でした。
そしていつも温かい気持ちで盛り上げてくださる配信チームの皆さん、ありがとうございました。


私たちは生きています。
生きているから、何かを食べます。
買ったものでも作ったものでも、一生食べます。
私は私のために。あなたは、あなたのために。

いつかその時に。いい日だったと眠れるように。生きていければと思います。

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