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MLM(ネットワークビジネス)の課題をマーケターが論理的に考察②ビジネスの課題

前回は、MLMビジネスの実態について書きました。
MLMのイメージが良ければ ビジネスをやりたい人はもっと多いのではないでしょうか。それでも 嫌煙されてしまうのはなぜなのか?
このビジネスモデルのどこに課題があるのか、本記事では紐解いていきます。

※この記事では、前記事における「勧誘相手」を「買い手」と表現します。

課題①昔と現代で異なる、情報を届けることの価値

MLMがうまれた時代は 買い手へ情報を届けることにコストが掛かった時代。情報が届くのに時間が掛かっていたため、情報を届けてもらうことにも価値がありました。

情報社会の現代では、ご存知の通り 買い手が自ら情報収集し、自身のタイミングで購入出来る時代。そのため、情報を届けることの価値が薄れています。

課題②人によって異なる、情報探索力の差

現代は情報探索力が人によってバラバラです。

IT系に務める人や情報リテラシーの高い人ほど、情報探索するのが得意な傾向があります。

情報探索力の高い人は、知っている単語から思考を巡らせ、自身が本当に知り得たい情報を文章など「具体度の高い」キーワードや、単語をかけあわせた複合キーワードで検索する傾向にあります。
つまり、様々な角度で情報収集を行い、比較しながら情報の信頼性を確認する傾向にあるのです。

一方、情報探索力の低い人ほど、頭の中にある知っている単語を「抽象度の高い」キーワードで ざっくり検索する傾向にあります。

このように、驚くほど 入力する検索ワードが異なるのです。

情報探索力のある人は、インターネットだけでなく人脈を頼って調べるのも得意です。
自身が必要なタイミングで 得たい情報を素早く収集していくことが出来るので、MLMで人伝てに聞く情報がとても売り手都合な情報に感じてしまうのです。
さらに、その場で 信頼性を確かめたくても、その情報は客観的であることは少なく セールストークとしての回答になりがちです。
当然 優秀なセールストークをされる方もいらっしゃるので、それだけで説得力があり魅力的に感じるケースもありますが、なかには納得のいく回答を得られないケースもあります。

このように分解していくと、前記事のターゲットにも納得がいきますよね。

前記事で述べた、MLMのターゲット


課題③関係値が薄いリーダーと買い手

MLMは リーダー⇔紹介者⇔買い手という繋がりであるため、リーダーと買い手は直接の繋がりでないケースが大半になります。

つまり、リーダーと買い手の関係値はとても薄いのです。

個人的には、この関係値の薄さが セールスの壁になっているケースが多くあるのではないかと思います。

そのリーダーのコミュニティに属していることが心地よいと思えるような出会いであれば 関係値はあまり気にならないかもしれません。

課題④製品に関する情報提供の浅さ

ビジネスを始めた頃は インセンティブが高いことが多いため、紹介者自身が 製品のことを深く語れない傾向にあります。

紹介者の信用力でセールスの場に買い手を連れてくることは出来ても、製品に対する理解が乏しい場合、情報探索力の高い買い手を納得させられるでしょうか?

紹介者が学ぶべきは、セールスではなく 企業の成り立ちや製品へのこだわりなど、リーダーがおらずとも語れる製品理解とトークスキルではないかと考えます。

課題⑤信頼関係が必要とされるフェーズの不一致

勧誘する以前の関係値に 信頼関係が必要であるのに対し、
信頼関係を築く前に勧誘したり、販売後に信頼関係を築いていこうとするケースも少なくないです。

ですが、買い手が最初に求めているのは 勧誘以前の信頼関係。
勧誘以前の信頼関係なく、勧誘後や販売後に築いていく信頼関係は、純粋な関係構築にはなりにくく、そのコミュニティや製品を通じた関係構築になるため ここにモヤモヤする買い手もいると考えられます。

課題⑥カスタマーサポートのシステムの古さ

企業によりますが、驚くほどシステムが古いままで、システム上で手続きを自己完結出来ない、といったケースもありました。

それを敢えてそうしているのか、単純に整備が追いついていないかは分かりません。

ですが、人に聞かないと細かいことが分からないという運用システムになっている点が、金融商品と似ているなという印象も受けました。これはあくまで 私なりの考えであり、なぜそうなっているかは知る由もないです。

ビジネスの課題以前に:忘れてはならない、あり方の違い

そもそも大前提として、ビジネス関係なく その人自身のあり方でも、向き・不向きはあると思います。

培ってきた信用をブランド価値として考え 信用を売りたくない人と、
逆に強みとして信用を売るのを厭わない人。

あり方の違いなので、どちらが良いも悪いもありません。
ですが、買い手がどちらのタイプであるかは 見極める必要があると考えます。

これらの課題を受けて、今後の販売活動の参考になれば嬉しいです。
始めてみたものの、向いてるかどうかが分からない方にも、参考になればと思います。

では次回の考察をお楽しみに!

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