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私の夢が叶った日、惣誉(そうほまれ)オリジナルブレンド日本酒

IMADEYA SUMIDA店長を務めている私、角谷くるみは社内外で日本酒「惣誉(そうほまれ)」の熱烈なファンとして知られています。

私が惣誉にハマったきっかけは数年前、まだお酒業界に入る前のこと。惣誉酒造の蔵人の方が都内のデパートで試飲販売をされていて、試飲用のカップで飲んでも美味しいことに衝撃を受けたのを覚えています。

あまりの感動に、このお酒はどこでどんなふうに造られているのかとても気になって、あれこれと質問させていただきました。暑苦しいくらいの質問に快く対応してくれた蔵人さんには、申し訳ない気持ちと感謝で一杯です(笑)。

栃木県/惣誉酒造は「地の酒に生きる」日本酒蔵。現在お酒の85%を栃木県内に出荷しており、地酒であろうとする姿勢が、全国・全世界へとお薦めできる品質につながるという想いで酒造りを行っています。
最大の特長は「熟成とブレンド」。惣誉酒造は、醸造年や仕込番号、酵母によって「驚くほど個性が異なる原酒」を、全て冷蔵貯蔵で管理しています。
お酒のリリース時には、蔵元と杜氏で膨大なテイスティングを行い、絶妙なブレンド比率で、気高くも優しい「惣誉」のスタイルを造りあげています。

・夢のオリジナルブレンド

それから私の惣誉愛はどんどん深まり、IMADEYA入社後もとにかく沢山のお客様に惣誉をオススメしてきました。そして、私がIMADEYA SUMIDAの店長を任された2022年に夢のような話が舞い込んだのです。

惣誉酒造の特長である「熟成とブレンド」の奥深さに惚れ込んだIMADEYA代表の小倉秀一が、蔵元の河野遵さんに交渉して、オリジナルブレンドの日本酒を造らせてもらう機会をいただき、その企画になんと私も同行させていただけることに!(このお話をいただいてからは、ずっと顔がにやけてしまっていたと思います…笑)

待ちに待った2022年9月、惣誉酒造を訪問し、ブレンドをする日がついにやってきました。

当日は蔵元の河野遵さん自ら蔵内を案内していただきました。
今回のオリジナルブレンドは、30BY~3BY、酵母6号、7号、14号、そしてタンク違いという様々な原酒を全て試飲してからブレンドを考えていきます。
純米大吟醸は14種類、特別純米は9種類、この試飲だけでも相当な体力と集中力が必要でした。
これをブレンドするなんて、何万通りもの組み合わせができてしまうわけで…。宇宙みたいな果てしなさ…。ブレンドをし始めるとあまりにも複雑で面白くて、一か月くらい泊まり込んで研究させてもらいたくなるほどでした。

・悩み抜いたブレンド比率の最終選考

小倉を含め、IMADEYAを代表するメンバー各自が考えた、原酒とブレンド比率を提出。その後、惣誉酒造の蔵元・杜氏にも入っていただき、それぞれのブレンド酒をブラインドテイスティング。良いと思ったものにコメントをしながら最終選考を行いました。

選定基準は、
長期熟成することを想定した味わい。
きれいな酸が表現されていること。
ずっと飲んでいられること。


平等に意見を出すために、誰がどのブレンドにしたかはふせて、選考を行いました。選ばれるのは、「純米大吟醸酒のブレンド1種類」「特別純米酒のブレンド酒1種類」のみ。

・純米大吟醸酒は小倉秀一のブレンドに決定

ブレンド比率:醸造年 /仕込番号 /酵母/ %の順に記載。
「1BY68号(7)」40%、「2BY16号(1401)」40%、「30BY76号(601)」20%。 ※BYはBrewery Yearの略で、日本酒の酒造年度を表します。

ブラインド投票で満場一致で決定。私のメモを見返してみると、30BY(601)は華やかさ、1BY(7)は柔らかさ、2BY(1401)は惣誉っぽい!と書いてあります。それぞれの美点がとてもバランスよく配合されています。小倉はブレンド酒についての経験が多く、悔しながら流石の一言でした。


・特別純米酒は私のブレンドがベースに!

ブレンド比率:醸造年 /仕込番号 /酵母/ %の順に記載。
「2BY13号(1401)」40%、「2BY10号(7)」35%、「3BY10号(7)」25%。※BYはBrewery Yearの略で、日本酒の酒造年度を表します。

こちらは「どちらかは選ばれたい…!」と思っていた私の願いが通じたのか、私のブレンドをベースに蔵元、杜氏に改良いただいたお酒になりました。私のメモには、2BY(7)熟成感、酸しっかり、2BY(1401)コク、奥に甘み、3BY(7)酸、ジューシーと書いてあります。2BY&3BYと若めで、7号酵母と14号酵母のみを使用しているいつもの惣誉とは違う配合になりました。
飲んでみると、まだほのかに若々しさと荒々しさもありますが、空気に触れさせながら飲んでいくとゆっくりと花開いてきます。自家熟成にも向いていると思います。


・夢は必ず叶うなんてことはないけれど

オリジナルブレンド企画に携われたことで、私の夢が叶いました。

努力すれば夢は叶う、なんてこと全然ない。でも、努力してこなかったらこの夢は叶わなかったことです。私の熱い執念が、周囲を巻き込み、蔵元の耳にまで届き、今回のチャンスに辿り着きました。

IMADEYAのスタッフだけじゃなく、お酒の世界に興味のある皆さんに心から伝えたい。お酒っておもしろい。

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