見出し画像

「世界的なトレンド、都市型ワイナリーを千葉で発見!」FUNABASHI COQ WINERY(千葉県船橋市)訪問記

2023年12月の訪問
FUNABASHI COQ WINERY / 千葉県船橋市- 

FUNABASHI COQ WINERYとは
千葉県船橋市に千葉県初の都市型ワイナリーとして、2021年に誕生しました。
「濾過をせず」「ほとんど手作業で」をモットーに日々ワイン作りに向き合われています。

始まりは、「ワインをもっと身近に、気軽に楽しんでもらうために」という思いから、難しい・気取っている、と思われがちなワインの敷居を下げて楽しむための飲食店を開業。
「ワインと肉 COQ DINER」を10年にわたって船橋で営業されています。

2015年には書籍「図解 ワイン一年生」を発売し、大ヒット!
それまでワインに興味を持っていなかった層へもアプローチを成功させました。

書籍「図解 ワイン一年生」


そしてさらにワインを身近に感じてもらうために、ワインを造る現場を船橋駅から徒歩圏内の場所に建設します。

心を込めてつくるクラフトワイン。

ワイナリーは住宅街にあるため、大きな音の出る機械は使えません。
そのためほとんどの工程が手作業で、醸造家たちが一本一本丁寧に造っています。
手作業のため、ラベルに少々のヨレやズレがあるところも・・ご愛嬌。

2階の試飲インスペ‐ス(訪問時は休館日)

宇宙人ワイン?!
そんなCOQ WINERY代表、小久保さんの造られるワインには食べ物の風味を感じます。
こんな食事と合いそう、というようなペアリングの概念からというよりも、食事そのものを彷彿させ、杯が進む進む。そしてもちろん、実際にはご飯を食べているわけではないので、お腹が減るという相乗効果(笑)。

そんなワイナリーのイチオシ商品といえばスチューベンを使用したワインで、薔薇の香りに、青い野菜、食事のお供としては冷やしトマトのカプレーゼが合いそう・・・なんて思い巡らされる楽しいワインなんです。
これは思わず宇宙人も欲しがってしまう?!コンセプトのもと、命名されたのが、「キャトられスチューベン」という名前で、UFOにワインが連れ去られるエチケットも個性的です。

宇宙人ワイン「キャトられスチューベン」

思い通りのワイン造りを
2021年、ファーストビンテージは、なかなか自分の思い通りのワイン作りができなかったそう。ワイナリーの醸造免許が下りたのが9月末だったため、そこから醸造可能な葡萄をかき集めたという経緯があり、なんとか形にしたワインでした。

2022年は葡萄の仕入れ先をすべて東北に変更。多くは山形県から、一部を岩手県から仕入れたといいます。
醸造に使用するぶどうを東北に絞ったのにはもちろん理由があり、それは2021年に購入した東北農家の葡萄の質がとても高かったから。購入先を絞ったことで、扱う品種も大きく変更することになりました。

2021年から唯一続けて仕入れているのはデラウエア、2022年はキャンベルとスチューベン、ナイアガラ、メルローを購入しました。
特にナイアガラは、以前から小久保さんが「ワインを造ってみたい葡萄」として挙げていた品種です。2022年に扱った品種は、大半が小久保さんの希望に沿っており、醸造もとてもスムーズにいきました。

そして続く2023年も自分の色が出せたワイン作りになったそう。
新たに、巨峰、ピノ・グリ、メルローの赤に挑戦しています。

たわわに実るスチューベン

葡萄に感謝
そんな小久保さんがいつも感じているのが「葡萄に対する感謝」です。

『農家さんが今年も葡萄を作ってくれたから、自分たちはワインを造ることができる』という思いが強く、葡萄の搾りかすまで、余すことなく無駄にしないような取り組みを実施されています。

例えば「UMAMIキャンベル」は、「葡萄を無駄にしない」という考え方を突き詰めたワインのひとつで、キャンベルロゼの葡萄の搾りかすを、キャンベルの赤ワインに投入し、色味やうま味をアップさせるために利用しています。
そのほか、搾りかすで香りや色をつけたクラフトビールの製造を、千葉県松戸市にある「松戸ビール」に依頼。2022年に造ったクラフトビールはすぐに完売しました。
ほかには、肥料として二次利用してもらったり、燃やした灰を焼き物の釉薬(ゆうやく)として使ってもらう試みもおこなったそうです。

代表 小久保さん

自然豊かな東北で栽培された葡萄が都市部にやってきて、美味しいワインとなる。そして、搾りかすまで余すことなく活用される・・、これぞ自社畑を持たない都市型ワイナリーならではの思いを表現したSDGsと感じました。

1階の醸造スペース

IMADEYA ONLINE STOREでもFUNABASHI COQ WINERYのワインはお楽しみいただけます。ぜひ千葉・船橋の地で醸造されるワインから「お酒っておもしろい」を感じてみてください。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?