見出し画像

ようやく完成!100%五百万石のどぶろく

2020年から始めた、山梨のペイザナ農事組合法人で栽培した酒米・五百万石を使ったどぶろくプロジェクト。
初年度の2020年は残念ながら籾の半分は米が入っておらず、五百万石だけでどぶろくを造るには全く足りなかったので、どぶろくの造り手である「とおの屋要」の佐々木要太郎さんが栽培した「遠野1号」を半分使わせてもらいました。

2021年は、自然農で20年間遠野1号を栽培している佐々木さんにアドバイスをもらいながら五百万石を栽培したところ、全量五百万石で仕込める量の米が収穫でき、ようやくスタート地点に!
2021年の収穫量は、籾の段階で130㎏、白米にして104.5㎏。この米を使って、500mlのボトルで430本のどぶろくになりました。

山梨県産の五百万石


収量を増やすポイントは様々ですが、一番は田んぼの草をきちんと取ること。これは、7月の一番暑く、湿気の多い時期にやらなければならない一番大変な作業です。
私たちも手伝いましたが、ぬかるんでいる田んぼを、中腰で地面を見ながら半日間ずっと歩くため、翌日から1週間、肉離れしたかのような太ももの筋肉痛が…
私たちは一度しか草取りをしていませんが、これを何度もやるのは本当に大変だなと実感しました。

稲の周りに生えている草を手で取って行きます
みんなで草取り中


米を栽培するにあたり佐々木さんからのアドバイスで印象的だったのは、例え有機物であっても一切肥料を使わないこと。
ペイザナ農事組合法人はワイナリー(ドメーヌ・オヤマダ、ドメーヌ・ポンコツ)もでもあるため、ブドウの搾りかすが出るので、それを田んぼに肥料として蒔いたら良さそうだと思ったのですが、それすらも駄目だそう。
何かを加えてしまうとその土が持っているバランスが崩れてしまい、健全な米ができないそうです。

佐々木さんはご自分で栽培した米以外でもどぶろくを造っていますが、その米を受け入れるかどうかは、農薬や肥料を使わず米を栽培することが判断基準。
科学的なものであっても自然から造られたものであっても、肥料を加えてしまうと発酵の過程が全く変わってしまうそうです。

佐々木さんのどぶろくの特徴の1つは、米がよく溶けて飲み心地がなめらかなことですが、肥料を加えると栄養価が高くなってしまうため発酵が早く進んでしまい、米をしっかり溶かせないのですが、栄養価の少ない肥料を使っていない米は、発酵がゆっくり進み、時間は掛かりますがその分米がしっかり溶けます。
今回の五百万石のどぶろくも米がよく溶けてなめらかだったので、飲んでみて「いい米だったんだな」とほっとしました。笑

味の方も、今回はフルーツ酸を出すように醸造したとのことで、確かに米とは思えないほどフルーティー!こんな爽やかで美味しいどぶろくがあるのかと驚きました。(とっても美味しいのですが、かなり元気が良く、開ける時はかなり苦労します…笑)

2021年のどぶろくでは、米の収量や品質、どぶろくの味は、その土に住む生物たちが健全に働ける環境を作ることで決まる、ということを佐々木さんに教えてもらいました。
少しだけでも米作りに関わることによって、その味がどこからくるのか、どうして美味しいのかが徐々に分かるし、何より何も考えずに目の前の田んぼに集中しているとすっきりして気持ち良いです。
今回出来たどぶろくの味の爽快さは、私たちのその清々しい気持ちを表しているかのよう。
このどぶろくを飲んで、爽快な気持ちになってもらえると嬉しいです。

今回も鶏ラベルです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?