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『汚れた手をそこで拭かない』

芹沢央さんの『汚れた手をそこで拭かない』を読みました。


「お金」が絡む5つの短編小説で、どのお話もお金にこだわるあまりに、最悪の結末を引き起こしてしまうというもの。

物語の設定は身近にありそうなものかつ、ページ数も約240ページと短めでしたので、さくっと読めました。

どの作品も一貫して鍵となっているのは「お金」だけでなく、同様に「言葉」も重要な鍵となってるなぁと思いました。また、THE・ミステリーという感じではなく、ミステリー要素は弱いように感じました。


気になって少し調べてみると、
この本はミステリーのなかでも「イヤミス」という分類になるそうです。

イヤミスとは、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいます。
殺人などの事件が起こっても、最後には事件解決! 読者がスッキリと満足感を得るのが今までのミステリー小説に多かった傾向でした。
しかしイヤミス小説は、事件のことだけではない人間の奥に潜む心理などを描写し、見たくないと思いながらも読み進めてしまう、嫌な汗がたっぷり出るような後味の悪い小説のことを指します。

http://pro.bookoffonline.co.jp/hon-deai/mystery-shousetsu/20170822-iyamisu-osusume.html



イヤミスってジャンルがあるんですね~。

初めて聞きました。
イヤミスで有名なのが、湊かなえさんや真梨幸子さんだそうです。
お二人よりは今回の作品はイヤミスの度合いは低いかなと私は感じました(特に真梨さんの作品の暗さというか闇さはなかなかヘビーだと思いますので)。

ちなみに、5つの短編小説の中で『ただ、運が悪かっただけ』が、私は一番好きでした。唯一、温かみが見えるお話でしたので。


次は、前回の記事から読みたかった米澤穂信さんの『氷菓』を読みたいと思います。

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