あれから、って知ってる?

実習が終わったので昨晩からバイト戦士になりました。そういえばもうすぐ最低賃金があがるそうです。嬉しい。でもダブルワークのうち片方は個人だし元々高時給なので変わらなそう……。男の人をお口で喜ばせる(誤解を生じる表現)お仕事をしているのですが、時給は1300円。本当はこんなことしたくないけど、青森県は時給が低くてひとつだけじゃ生きていけないから仕方ない。同じ業務内容なのにちょっと南の盛岡だと2000円くらいって聞いて辛くなったし、東京だと3倍とかだって聞いて泣いた。それでも青森にはこれ以上割のいい仕事がないから、若くて可愛い女子大生はみんな働くの。いいように使われているぜ田舎。
さて、21時から3時半まで所謂スナックでのバイト、そしてこれから12時半から20時半までアパレルでのバイトです。これをお盆期間は繰り返します。この時期はみんな帰省しちゃって、遊ぶ相手もいないしバイト先はドチャ混みだから働きがいがありますね!!! ここで稼いだお金を使ってこの夏は遊び続けるつもりなので! ハッピー!!(泣)
バイト先のスナックへの愚痴は言ってもキリがないので割愛して、今日最初についたお客さんは東京からの旅行者の方。バイクで青森まで来て、田舎館村の田んぼアートを見たそう。ご存知でしょうか田んぼアートを。

これは2年前のものなのだけど、田舎館村では田んぼの稲で絵を書くということを街をあげてしている。かつてはのっぺりとした稚拙な絵だったが、今では随分と立派になって、今年はローマの休日と手塚治虫の作品がテーマなよう。
田んぼアートがすごいのは地元民だから知っていたけど、わざわざこれを見に来るために青森に来てくださる人間が本当にいるとは……、感動。しかもこの人、今年で田んぼアートを見に来るのは5回目だそう、田舎館村出身でない私でも、にやっとしてしまう。ありがとうございます。
そのお客さんはバイクで旅をするのが趣味だそうで、よく広島なんかにも行くらしい。広島といえば豪雨がありましたよね、なんて話から、次第に東日本大震災のことへ。
「実は私、この前、奇跡の一本松を見てきたんですよ。あの、陸前高田市の。もうびっくりしちゃって」
そんな話を持ち出すと、やはりこの方も見に行ったことがあるそう。2013年頃だったかな。以下はその方の語ったこと。

町につくと、右を見渡すとそこは更地だった。本当に何も無かった。でも、生活ははじまっているんだよね。壊れかけのガソリンスタンドがあって、そこで女の人が車を洗車していた。声をかけると丁寧に一本松までの道案内をしてくれた。表側から入らないと、崩壊寸前の3階建ての建物があるから、気をつけるんだよと教えてくれた。ここでどうして洗車を? と聞くと、「なぜだかわからないけどここだけ2箇所水が出るんだよね、みんな洗車してるのよ」と笑っていた。「道の駅もやってるから、見ていってね。それで、いろんな人に話しかけてみて。みんなもう全然話してくれるから、気を遣わずにね。一本松を見たら、東京に帰ったらみんなに伝えてちょうだい。ここでは何も終わってないことを」。その人は最後にそう言った。全部を見たあと、自動販売機でコーヒーを買った。それ以来、毎年東北を旅行しては寄って、コーヒーを買っている。何か少しでもお金を落としていこうって言うか。毎年、少しずつ変化しているんだ、それに嬉しくなるけど、同時に「どうして一年でこれしか変わらないんだ」とも思う。五年で政府が打ち切ったとき、ショックだったよ。どうしてお前らが終わりを決めるんだ、現地の人間にとっては、何も終わってないのに、って。

私も実は6月末に行ったのだけど、本当に驚いた。だって、まだ更地だったから。きっとそこには町があったはずなのに、見渡すと高い建築物は一本の「松」しかなかった。唖然。本当にショックだった。こんなままで、復興とかオリンピックとかまじか? と本気で思った。東北にいる私ですらこんな知らないのに、東京とかの人達が知る由ないよね。だから私はここで書きます。現地に見にいけとか言わないけど、知ってください。何も終わってないから。たぶん、熊本とか西日本とかもまだ何も終わってなくて、ただニュースでの報道が終わったに過ぎないんだよね。わたしになにができるのかとかはわかんないけど、いざと言う時に何かができるように知っておくことがまず必要よね。
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