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#24 要介護度と認知症のステージは"別物"という怪。~「要介護3」の壁~

仕事中に度々入る母からの電話、元気にチャリへ乗っての徘徊、夕方から繰り広げられる暴言の嵐と混沌の深夜徘徊・・・。家族が困惑し疲弊していくこの頃、認知症のステージ的には、もう初期後半ぐらい。でも、ひとりでトイレに行けたり、ご飯を食べられたり、他者にはニコニコと愛想よく返事が出来れば、要介護度は、せいぜい「要介助2」~「要介護1」ぐらい。

そして本人的には、もう病識(病気を自覚する意識)を持てないので、
「介護拒否」は、あたり前。

「ディサービス?!は?何のこと?私はこんなに元気なのに、なんでそんなところに行く必要あるの?!ボケ老人と一緒にしないでよっ!!」

母談/事例その1.

「ヘルパーさん?”お手伝い””さんの事でしょ?御大臣様じゃないんだから、”お手伝い”さんなんかいらないわよっ!! ウチに知らない人を入れるなんて、絶対に嫌っ!!!」

母談/事例その2.

「なんで介護なんか受けるの?! あたしの事が邪魔なんでしょっ?!あたしなんか、もう死ねばいいと思ってるんでしょ?!死んでやるっ!!」

母談/事例その3.

からの、”あばれる君”発動・・・。

ま、万事が万事、こんな調子じゃー、「要介護1」レベルの「介護サービス」なんか受けられないんだよね。本人が拒否してダメ。チャリに乗って脱走よ! 脱走!!

一番、家族が疲弊するこの時期に、介護サービスを利用できない。ましてや、この時点で入居ができる介護施設は「ない」。認知症を発症していれば、なおさら「ない。」

元気に歩けて、ご飯も食べられて、おしゃべりできれば、どんだけ認知症の中核症状が酷くても、家族が介護に疲労困憊していても、この時点で入居を引き受けてくれる介護施設は「ない!!」

――― と、考えておいた方がいい。
「高級老人ホーム」とかに入居できる資金があれば別だがw
それでも、大概は、「要介護2」まで。
認知症を発症した時点で、”転出”させられる所が多い。 

何故かっ?!

「通所ディサービス」や「介護リハビリ」など、一般的に言われている『介護サービス』というのは、高齢者の『自立支援』を目的としている。

よって、本来、その目的が有効に効果を発揮するのは、認知症に移行する前の『MCI(軽度認知障害)』ステージまで。

認知症患者は『終末期』に入ったと見なされる「要介護3」以上を取得しないと、「特老(特別養護老人ホーム)」や「グループホーム」へは入居できない。(そして、このことを多くの人が知らない。)

「頼むから、今日、死んでくれ・・・。」というほど、家族が疲弊してても、「要介護3」が取得できなければ、『終末期』に適切な介護サービスは受けられないのだ。

おかしくねっ?!

足腰元気な認知症患者を介護する家族にとって、「要介護3の壁」は、あまりにも高過ぎるっ!!

それを働き盛りの40代50代で、「仕事を辞めずに介護しろ!」というのは、もはや不可能に近い!! だけど、今日も親から、やんやとわけわからん電話が入るっ!! <地獄の現場>に急行せねばならぬっ!!! 

一体、いつになったら、「要介護3」になるというのだっ?!💢

だからこそ、ケアマネさんが必要って話。

例え、認知症の親が「要介助」でも「要介護1」でもいい。
本人が介護サービスを拒否していても関係ない!!

とにかく、まずは「介護認定」を受けて、
良きケアマネさんを探すこと。これが大事だ。

認知症で「要介護1」でも、ケアマネさんが付いていてくれれば、「要介護3」が取得できる状態になるまでの、辛い辛い長い介護期間を、本人の容態の変化に合わせて、様々な介護プランで支えてくれる。家族の地獄のしんどさに耳を傾けてくれる。

本人にも、私達家族にも、「大丈夫です。心配しないで。」と、
そう言ってくれる。
そして、最期まで、介護に伴走してくれる。

ケアマネさんは、本人の為だけど、実は ”本人”の為じゃなくて、
介護する家族の為にこそ、最も必要な存在。

親が「認知症かなっ?!」と気づいたら、
迷わず、親が在住する「地域包括支援センター」へ相談に行って欲しい。

ケアマネさんがいれば、「要介護3」の高い壁を超えられる!!



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