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#8 アルツハイマー病が血液検査でわかる?!『認知症』早期発見に朗報。

東京大学の研究チームが、血液検査で『認知症』の6割~7割を占めるアルツハイマー病を推定できる手法を開発したとの報道があった。これは凄い。高齢化が進む世界が待ち望んだ検査技術だと思う。

現在『認知症』は、脳神経外科など専門の医療機関での検査が必要だが、それがどれほど、大変なことか、認知症の親の介護を経験されている方はよくご存知かと思う。

「認知症かも知れないから、病院に検査に行こう。」と言って、「あぁそうかい。」と、素直に従ってくれる高齢者は、まず少ないのではないか。
大体は、「そんな検査には行かない!」「私が痴呆症だっていうのか?!」と怒り出す。(まぁ、怒り出した時点で、大体”認知症”確定なんだけどねw)

今の70代~80代の後期高齢者は『認知症』を正しく理解している人が少ないと思う。認知症を『痴呆症』とか『ボケ老人』といって忌み嫌ってきた世代。そして何故か、「自分だけは、絶対に認知症にはならない。」という妙な自信を持っている。

故に、子供達から「認知症の検査を受けて欲しい。」なんて言われようものなら、絶対に固辞される。私の母なぞ、泣いて検査を拒否した。そしてどんどんケアが遅れて、認知症が進行してしまった・・・。
高齢者を認知症検査に連れて行くのは、容易な事ではないのだ。

それが、普段、行き慣れている医療機関での「血液検査」で認知症の進行度がわかるのであれば、これほど、助かることはないだろう。

『認知症』にはまだ謎が多く、一旦発症すれば完治の見込みはない。平均余命は7年~8年と言われており、必ず、死に至る。他の成人病と同じ”死病”なのだ。私の母は、認知症発症から満7年で逝った。

認知症の母の介護に悩んでいる時、ネットである認知症専門医の言葉に出会った。その医師は認知症について、こう述べていた。

”認知症”というのは、人間も、他の生きものや植物達と同じように、自然に枯れて、土に還っていけるよう、神様が人間の脳に仕込んだ”最後の砦”なんだと思います。

「なるほど・・・。」と思った。
それまで、認知症で狂人の様になった母に「このまま死んで行くのか・・・。」という絶望感だけで介護していた気持ちが大きく変わった。

認知症は「死に至る病」なのではなく、
自然に「死を”迎える”病」なんだと。

例え認知症の検査が血液検査で確定できるようになったとしても、認知症を治療できるわけではないが、介護する家族が「最期を迎える準備は出来る。」これは大きい。

認知症の発症が早期にわかれば、リハビリや投薬で、認知症の進行を遅らせて、できるだけ、穏やかな状態で最期を迎えさせることも可能になるだろう。

認知症検査は「絶望」ではなく、本人が、より良く人生の終わりを迎える為に、そして、家族がより良く「看取りの時」を迎える為の大切な検査なのだ。

多くの人が「ガン検診」を気軽に受けられるようになったのと同じく、認知症検査も、もっと気軽に、元気なうちから受診できるようになると良いと思う。

血液バイオマーカーを用いて
超早期段階での脳アミロイドPET検査結果の予測を実現

ー アルツハイマー病の早期診断と治療に光 ー

東京大学プレスリリース/PDF


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