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#58【育爺日記 Eps.4】男達よ、メシを作れ。~自炊のススメ~

これは、MCIの父(当時85歳)を、介護するようになってから、切実に思っている事案のひとつ。昭和12年生まれの父の世代は、高度経済成長期まっただなかで、「男は外で仕事。女は家事。」であり、「男が台所に入ってお三度の支度をする。」なんてのは、もっての他という典型的世代。

よって、それなりに一廉の人物にはなったが、ひとりでメシが作れませんw

なんだろね? 大昔で言えば、”立派なお侍さん”なんだけど、メシは作れない。って感じ?逆かw、”立派なお侍さん”だから、メシは作らなくても良い。下々の者が、ご飯を作って差し上げるのが当たり前・・・みたいな?

亡き母が若い頃にも、「メシを作るのがお前の仕事だろー。」と、自分の帰宅時間にメシが出来てないと不機嫌になっていたのは、子供心に鮮明に覚えている。しかし、私達の世代ではそういう家庭が多かったし、母は絶対的な専業主婦で、それがステイタスな人だったし、そういう”父親像”も当たり前だったから、そんなもんかとは思っていたが・・・。


日々の食事の事を、地方によっては『お三度』というが、ひとり1日3食×364日=年間1,095食の支度を立案しなければならないわけです。我々主婦は。

これ二人家族であれば、1,095食×2人前=2,190食/年間。三人家族であれば、3,285食/年間も、献立考えなければならないわけですよ。

要介護2でMCIの父を引き取った時、実は、もっとも、負荷が高まったのは、この食事の支度。

年間1,095食の『お三度』です!!!

ひとり増えただけで、プラス1,095食ですよ?!

しかも、毎回、きっちり、食べないと腹が納まらない人なんですよ。

仕事をしながら、毎日、3食、1,095食の追加は、本当に苦しい。時間も家計も、そして何より、限られたスキルと条件で献立考えるのが、ほんとーーーーーに、苦痛。しかも、高齢者用でしょ?別メニューは嫌がるし・・・。

電子レンジは、とうに使えなくなっているから、「あっためて食べてねぇ~」方式が利かぬ・・・。「何でもいいよ。」といいながら、冷たい惣菜や弁当は食わねぇし・・・。

なにが頭に来るって、メシを作ることが出来ないクセに、「メシを作るのは簡単だ。」とか考えていて、安易に「何でもいいよぉ~。」と言い放つ所っ!! 💢

いや、もう・・・これじゃまるで、父のせいで『夫源病』になりそう。
つか、『夫源病』って、きっと、こういう、父みたいな旦那さんが”病原体”になるんだなと。

もしかして、母がウツ病になったのは、『夫源病』だったのではっ?!

そんな気さえしてくる・・・・・・。ヤバいわ・・・・・・・・。

気力体力がそれなりに戻って来た父が、これまた、お気軽に「もう、俺、家に帰って、独り暮らしするから、いいよー。」なんて、のたまうが、今、帰っても、メシの支度をどうするの?誰がするのーっ?!

MCIの87歳が、毎食、大好きな”サッポロ一番味噌ラーメン”ってワケには、行かないのだよっ!!💢

(しかも、野菜とか入れねーじゃねーかっ!!💢)

それとも、毎食、大好きな”菓子パン”ばっかり食べる気かーっ?!💢

そんな、偏食続けた日にゃ、もうもう、認知能力だだ下がりで、即、認知症発症の上、免疫力だだ下がり、老化速度は爆上がり、どんどん身体機能が落ちて、どんなに食べても栄養が身体に吸収されなくなり、食べているのに、激やせして、たちまちのうちに、餓死だぞ?!

餓死っ!!

それは、『自然死』とは言わない。限りなく自決行為だ。

そんなお粗末な末路を辿らせたくて、”迎えの舟”を追っ払ったワケではない。かと言って、毎日贅沢なお食事をご提供できるわけではないが、食べる意欲と気力があるうちは、しっかりと栄養バランスや消化の良いもの、真に身体に”美味しいもの”を、食べられるだけ、食べてもらいたいとは思っている。(総入れ歯を新調したばっかりだしな。)

そういう意識をしっかり持って、かつ、自分できちんと自炊ができたら、ホントに「偉いっ!!」「凄いっ!!」と思う。人としてリスペクトするよ。

しかし、MCI87歳男子に、今更、それを求めても無理・・・。

だからこそ、思う。
「男達よ。若い頃から、メシを作れ。」と。

特に、今50代から60代の殿方諸君っ!!
「自炊できる力」こそ「生きる力なり。」と。

ちゃんと献立組んで、計画的に買い物して、野菜、肉、魚、「一汁一菜」でもいい。栄養バランスの良い食事を自分で自分の為に、できれば続けて作れるように。若いうちから、脳と身体に仕込んでおくこと。

これだって、立派な『認知症予防』だと思う。
(いや、もしかしたら、最も重要なことかも知れない。)

そして、退職後は、夫婦二人、年間2,190食の『お三度』の、3分の1でもいい。作ってくれると、妻は本当に助かる・・・。家族介護者も助かる・・・。

”誰か!! メシを作ってくれぇぇぇーっ!!!”

いつもそう思っているのは、実は、我々、主婦の悲願なのである。


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