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今、子育て環境に求められていること

 こんにちは、産後のリアルストームに埋もれている人を全力で応援したいSaharaです。
 2021年、コロナ禍で子育てを取り巻く環境は大きく変化しました。その実態把握と新たな子育て支援の方法にチャレンジした1年があっという間に過ぎました。2022年は撒いた種をしっかり発芽できるよう、頑張っていきたいと思います。

親をみつめるまなざしの差

 
 欧州で乳児を育てた知人の印象深い言葉があります。
「石畳も多いし、街中でもエスカレーターやエレベーターが整備されていない所も多い。でも困ったことがない、たいてい誰か助けてくれるから。」

 方や、日本で乳児を育てている知人の最近の言葉です。
「ベビーカーでバスに乗り、降りるのに手間取ったら乗客に文句を言われ、それ以来利用しづらくなった。」
 欧州では考えられない光景です。

 同じように少子化問題を抱える国であっても、子育て当事者が日々感じていることはこんなに違うのだと改めて痛感しました。その差の根本はどこにあるのか、私は「親をみつめるまなざし」の差にあると感じています。

コロナ禍でさらに深まった親子の孤立


 日本でも、コロナ禍になるずっと以前から、子育て、特に入園前の子どもを家庭で育児している親子の孤立解消は課題でした。

 その背景として、乳幼児を持つ家庭の核家族化により、親が親となっていく環境、子どもが社会性を身に着けていく環境を日常として提供する地域社会の役割が、昔のように機能しなくなっていたことが挙げられます。

 また、人より先に情報と繋がる時代、生身の子を相手にする子育てのリアルと情報との差異に、悩む人は寧ろ増えています。

 こうした子育て環境が醸成されていたところにコロナ禍が訪れ、ますます親子が育つ環境を地域社会に求めたり、逆に地域社会が提供することが難しい状況が増えました。地域によって影響の大小は様々ですが、子育てする環境がコロナ禍を機に大きく変化していることは間違いありません。

 そして、未就園児を育てる親は、以前よりも更に孤立しやすい環境になったと実感しています。

 方や子育て支援は、変化し続ける人々の日常を十分にサポートできる形にはなかなか追いつかないな、というのが、自分自身の子育て経験、園や地域子育て支援拠点での勤務経験から、この15年変わらず持ち続けている感想です。

 勿論、支援のあり方は官民ともに変化しています。しかし、サービス内容の変化や安心して子育てできる風土の醸成が、利用者ニーズの先をいくには至っていない。

 私は、子どもを産んだ先にある子育て環境こそ、少子化対策の要だと思っています。

日本の育児環境は酸欠状態

 
 これまで少子化対策としてとられてきた幼児教育・保育の無償化、児童手当の施策は、ベクトルがずれているとは思いませんし、必要な制度だと思っています。
 しかし、ドイツに住んで知った日本との制度格差に驚きました。ドイツが世界の中でも優れた制度を提供していることは間違いありませんが、国として、子どもや子どもを育てる親にどんな環境を用意したいか、そのビジョンに日本とは雲泥の差があり、その結果がこれ、というのをまざまざと感じました。「ドイツ」「子ども手当」で検索するといくらでも情報が出てきますので、興味のある方は次元の違いを一度覗いてみてください。

 そして子育てにかかるお金の問題のみならず、社会全体に染み込んで醸成された「子どもは社会の宝」という空気が、子育てしやすい環境を生み出しています。

 私はその環境を知って、日本の育児環境は酸欠状態なのだと、肌で感じていた状態を明確に言葉にすることができました。

 いつどこにどうやってしっかり酸素を送り込むか、現場で感じる効果的なポイントと、国や自治体が取る施策のポイントには、まだズレがあると思っています。
 ドイツでは、子どもを産んだ直後から子育てに至るまで、酸素を満遍なく送り込む仕組みが整っています。ドイツのように、日本に合った方法で日本に合った子育て環境を作ることはできない、とは思えないのです。

果たしたい役割


 2021年は自分が実現したいことのために、果たしていきたい役割を明確にする年となりました。

 その過程で、子育て支援を行うNPO法人との出会いがあり、子育て環境の実態調査にも携わらせていただくことができました。これまでずっと肌で感じてきた子育て環境の課題を、子育て当事者と子育て支援側双方の調査を同時に行い探ろうというものです。
 調査結果は公開される予定ですので、いずれご紹介できればと思います。

 また、Saharaという屋号をSAHARA COACHINGに変え、より自分の役割を明確にしました。それまであった日常からかけ離れた育児生活の案内人として、まずは自分自身が「親をあたたかく見守るまなざし」であり続けることをライフワークと位置づけ、「子育てが『孤育て』で始まらない世界」の実現に近づいていこうと思っています。
 
 時間はかかるとは思いますが、2022年は昨年撒いた種を大切に発芽させていきたいと思います。一歩一歩、我が子が子育てをする頃には、違う世界が開けていてほしいと思い描きながら。

最後までお読みいただきありがとうございました:)


 


 

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