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意思決定の軸はどこに

こんにちは、戸田です。

経営の意思決定において、拠り所となるべき「軸」は、いくつかあると思います。

コンサルティングなどの外部者からの意見ではなく、いざ当事者としての意思決定を、実際の責任を背負って行おうとすれば、しっかりとした軸が求められます。

「過去」で決める

過去、すなわち、今日(こんにち)において、自社が存在している理由。

とくに、創業の精神に立ち返り、自社が歩んできた沿革と道のりを辿って、先人が為してきた意思決定の流れに忠実であろうとすること。

この「原点に立ち返る」ことによって、やるべきことと、やるべきでないことを切り分けることは、社内の理解を比較的得られやすい。

ただし、これだけで(再)成長できるほど、経営は甘くないのはご認識の通りです。過去と言っても、所詮は自社の都合で合って、その都合が今後とも通用するかは別問題です。

「未来(像)」で決める

未来、すなわち、これからの市場の変化によって、自社に求められる期待・価値の変化。

時代の流れに起こり得る、多種多様な社会の在り方、人の動き、それによって変わっていく市場のカタチ、産業の構造を見極めようとすること。

この「将来から逆算する」ことによって、やるべきことと、やるべきでないことを切り分けることは、社外の理解を比較的得られやすい。

もちろん、そこに自社という当事者が存在しない未来(像)は何の意味もなく、今ある具体的な顧客、個別の取引先、固有のステークホルダーそれぞれの変化こそが重要になります。

「過去×未来」で決める

ここまでの話に基づいて、ごくごく単純に「軸」を構造化してみると、次のようになります。

・過去A:過去に基づいてやるべき(やったほうがよい)こと
・過去B:過去に基づいてやるべきでない(やらなくてよい)こと
・未来Ⅰ:未来に基づいてやるべき(やったほうがよい)こと
・未来Ⅱ:未来に基づいてやるべきでない(やらなくてよい)こと

いかがでしょうか。

A-Ⅰをやった方が明らかですし、B-Ⅱはやるべきでないのでしょう。
しかし、微妙なのはA-ⅡとB-Ⅰです。
ここに経営者の決断が求められます。

今まで通りのことを続けていては未来が無いが、なかなか止められないこと(A-Ⅱ)。
今まではやったことが無いので不安だが、未来のためにはやるしかないこと(B-Ⅰ)。

あえて雑に言いますと、社員の多くは過去基点で、投資家の多くは未来基点です。
社員はA-Ⅱで変化することを嫌い、投資家はB-Ⅰで変化しないことを嫌います。

それでは、この意思決定は、どちらを優先すべきでしょうか。

私は、まずはA-Ⅱで、先に色々なことを止めることが優先だと考えます。
そうでないと、B-Ⅰに必要な動力を社内に生み出すことがとても難しい。

どちらの道に進んでも、色々な社内の抵抗やら外野からの批評には晒されます。
その際も、意思決定の「軸」が何であったのかを、経営者が自身で再確認することが大切だと思います。

本日は、以上です。

TRAIL INC.(トレイル)
経営変革のための伴走パートナーシップ
Open Management®
(オープン マネジメント®)


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