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問うべきことを問うているか

こんにちは、戸田です。

経営の変革局面に立ち会う際に感じるのは、ベンチャーであれ、事業承継であれ、再建・再生であれ、問うべきことが問われていない、ということです。

頑張っているのだけれども成果が出ていない、という原因のほとんどは、ここにあると言っても過言ではないかもしれません。

問うべきことがしっかりと問われさえすれば、いきなり解決策にまで至らずとも、問題に対してどう思うか?といった当社の見解や認識、その前提にある視座や視点(立場)が明らかになり、それによって初めて、正しく考えるための土台が出来上がります。

間違った問いに完璧に答えるのでなく、正しい問いにほどほどの答えを出す

多くの場合に、正しい問い、というのは、そもそもの経営の諸前提を疑うものであったり、すぐには答えが出なそうな「ビッグ・クエスチョン」であったりして、複数の要素が複雑に絡み合うために、表面的な事象よりも構造的なシステムシンキングが求められます。

ですから、正しい問いが出されたとしても“その場”では答えがすぐにわからず、経営に関わっている個々人の沈思黙考と、チームによる多方面での試行錯誤の繰り返しの組合せによってしか、答えの糸口がつかめないことも間々あります。

したがって、問いへの答えの多くは、その時点では、良くてほどほど、大抵は最低限のもの=まずはやってみよう、ぐらいしか出ないことが殆どです。しかしながら、取り組むべき方角を正しく向いていれば、いずれかのタイミングでは経営上の成果につながります。

とはいえ、そもそも何をもって正しい問いと言えるのか

さて、この辺りまでのお話については、経営の第一線に従事されている方々であれば既知と思いますし、そうはいっても難しいんだよね、という感触を持たれていることもあるかと思います。

かくいう私も正直、そもそも何をもって正しい問いといえるんだろうか、ということに疑問がありますし、それって結局、結果が出てから初めて正しかったかどうかがわかることではないか、と思うのも実際のところです。

経営の当事者として場数を踏んでくると、さすがに直観的にはこのあたりの問いの筋の良し悪しも感じ取れることもあるものの、問いを立てている“その場”“その瞬間”においては、自身の問いが正しいかどうかを判断するためには、相対している先方や関係者の方々から「新しい視点に気付かされた」「とても有意義なやり取りだった」との意見を頂けたかどうか、あたりを参考にするしかありません。

それでも、自分への問いかけの一つとしては有効

このように、正しい問いを投げかけるために、その問いが正しいかどうかを自分に投げかける、、、という、無限ループについついハマりかねないのですが、とはいえ、自らの考えている角度や視点が常に正しいかどうか、見落としているところがないかどうか、を問い続けることは、とても有効だと感じます。

「正しい問いを問うているか」を10回くらい、自分の頭の中で反芻するだけでも、「あ、そういえば・・・」という感覚に至る確率は高まるように思います。それって所詮、クリティカルシンキングでしょ?とすぐ思い当たる方であれば、既にこの癖が付いているのでしょうし、素晴らしいことだと思います。

私はまだまだ、意図的に反芻しないと、ついつい自分の思い付きのようなアイデアに飛びつく傾向がありますから、自省を重ねているところであります。

本日は、以上です。

TRAIL INC.(トレイル)
経営変革のための伴走パートナーシップ
Open Management®
(オープン マネジメント®)


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