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【SF漫画】ぼく地球 紫苑と輪①

小林輪

主人公・坂口亜梨子(ありす)の住むマンション隣室の夫妻の一人息子。亜梨子に構ってほしくて、ついつい彼女をいじめてしまうちょっとおませな小学生。ある日を境に前世(紫苑)の記憶が目覚め、過去の記憶に苦しむ事になる。

ザイ=テス=シ=オン(紫苑)

衛星テス出身の戦災孤児。褐色の肌で整った顔立ちだが性格が歪んでいる為、度々周囲の人間と衝突を繰り返す。高い知能と強力なサーチェス(超能力)を持ち、生きる為に人を殺した事もある。厄介払いとして政府命令により月基地へ出向きスタッフとなる。月基地で謎のウイルスが発生した際、メンバー内で一人だけ生き残ってしまい、途中で耐えきれず発狂。9年後にようやく発症して同じウイルスで亡くなる。

※以下、ネタバレも含みますのでご注意ください。

また本編に載っていないのでは?と思われる描写はあくまで私個人が感じた事ですので、私はこう思ったなどありましたらご意見ください♡


①目覚め

亜梨子と留守番をしていた輪は誤ってベランダから転落。下の木がクッションになり奇跡的に一命を取り留めたが意識が戻らずいた。転落した時のケガ、落ちたショックなどで強く「死にたくない!」と思った事で前世の紫苑が戦災孤児として戦場を逃げ回りながら「死にたくない!」と思っていた気持ちとリンクして前世の記憶が蘇る。この頃からサーチェス(超能力)を使い始める。輪が使える能力は強力なもので、空を飛んだり物を動かしたり、人を攻撃して傷つける事まで出来る。

②東京タワーと前世メンバー

覚醒した輪は夜な夜な出かけ、東京タワーに謎の執着を見せる。同じ頃、亜梨子の周りに同じ「ムーン・ドリーム」を見る人間が集まり始め、集会を開くようになった。集会ではそれぞれが見ている夢の内容や、出会い、現在の生活を共有していたが、亜梨子は中々みんなと同じ夢を見る事が出来ず、自分は月基地にいた仲間ではないのでは?と疑い始めるが、輪は頑なに「亜梨子は木蓮の生まれ変わりだ」と説得を続ける。しかし、それぞれが月基地での出来事を思い出していくにつれ、その中での複雑な人間模様に現代を生きる輪たちも翻弄されるようになっていく。

③紫苑と秋海棠

亜梨子・輪が偶然出会った少年、笠間晴彦は紫苑そっくりの顔をしていた。実は晴彦は月基地メンバーの一人、秋海棠だった。その事に気づいた輪は前世での因縁を持ち掛け、自分の駒として晴彦を利用し始める。紫苑から譲り受けた高い知能で、都合よく物事を進める為に輪は「自分は秋海棠の生まれ変わり」だと偽り、集会に顔を出す。亜梨子以外のメンバーがすんなり受け入れたのは輪の見た目が秋海棠そのものだったから。更に‟Sくん”として東京タワーを取り巻く暗躍をしていた輪は行動がエスカレートしていき、ついに人を傷つけ始める。晴彦の関係者で本人曰く「地球産のエスパー」である薬師丸未来路(みくろ)と超能力を使って戦った際、お互いの力がそれぞれに跳ね返り輪は重傷を負ってしまう。

④あなた誰なの?

重傷を負いながらも何とか家に帰ってきた輪。事故にあったと説明するも明らかにおかしいと家族も不審に思い始める。眠る度に前世の壮絶な記憶を夢に見て、段々意識が輪のものよりも紫苑の方が強くなり、特に母親から見ても‟別の人間だ”と思ってしまう程だった。ついに耐え切れなくなった母親は輪に向かって直接「あなた、誰なの?」と言ってしまう。ショックを受けた輪は傷が癒えていないにも関わらず行方をくらましてしまう。輪を救ったのはホームレスの男性・ブンさんだった。彼は人の感情を察知する能力が高すぎて周りの人々に気味悪がられていた為、孤立していたのだった。

⑤キィワード

月基地で生活していた時、それぞれが秘密のキィワードを決めていた。それは基地の重要な操作をする際に全員のキィワードがないと動作しないようにする為のもの。現世において輪の策略によって、全員分のキィワードが集まってしまっていた。輪の目的は前世での自分たちのような悲劇を繰り返さない為に、キィワードを使って地球を守ろうとする為のものだった。ようやく輪を探し出した亜梨子が、輪から直接この計画を聞かされた時、疑問に思った事をぶつけてみると、輪の中でも計画に矛盾が生じている事が分かった。それは現代を生きる輪の願いと、過去に囚われる紫苑の願いが反するものであるのに混ざり合ってゴチャゴチャになっていたからだった。最終的に輪の願いを優先する形になったが、結局キィワードを入力しても基地は作動せず、満身創痍の輪は意識を失ってしまう。

⑥今を生きる

眠る輪の周りを囲んで、仲間たちが輪の夢の中へと入っていく。輪は夢の中で紫苑そのものとして存在し、何らかの装置を作っていた。そこへやってきた前世メンバーが「輪くんの夢って鮮明ね」と声をかけると「自分は紫苑だ」と言い張るも「紫苑ではなく輪だ」と優しく告げられ、皆に手を引かれて現実へと帰っていく。覚醒以来、囚われ続けた前世の想いにようやく別れを告げて、輪は現実へと帰ってきたのだった。


〈あらすじ〉亜梨子は植物と交信(コンタクト)する能力を持つ高校生。ある日、隣家のイタズラ小学生・輪を誤ってマンションのベランダから転落させてしまう。奇跡的に回復した輪は、もう一人の自分に覚醒していた。一方、亜梨子は前世の夢を共有する同級生迅八・一成と出会うが、なぜか輪は彼らを超能力で襲撃する。不可思議な前世の記憶を持つ7人の少年少女の想いが激しく交錯するドラマを描き、SF漫画に新たな金字塔を打ち立てた不朽の名作がついに登場!!(めちゃコミックより)

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