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生き方を変えよう

「生き方を変えよう」2度の流産をしてそう思った。夫はヨーロッパで仕事をしていたので、遠距離結婚、わたしは自営業3年目でとても忙しく、1日15時間くらい仕事をしていたと思う。実家は遠い。せっかく妊娠しても、体をいたわる時間や心の余裕を持てなかった。というより、持つ方法を考えなかったのだ。

「 "忙しい" というのは、心を亡くす、と書くんだよ」

これは尊敬する経営者の方から教えてもらった言葉だ。その通り。わたしは心を日々の業務に心を亡くしたように駆け回っていて、自分の体の中に宿った大切な命を守ることができなかった。

ときどき私は大切なことを忘れて、走り続けることで自分自身が正しいことをしているのだと錯覚してしまう。目指す方向を間違えたまま、盲目で走り続けているみたいだ。わたしはどこに行きたいのだろう。

流産の手術のときは、病室にMacBookと書類を持ち込み、待合室で仕事の書類に目を通し、手術から目がさめたらすぐにベッドで仕事をはじめた。病院の天井を見ながら、涙が少し出た。悔しかった。自分の選択した人生の進め方ではダメだ。時間とお金に追われる仕事の仕方から早く脱却したい、と強く思った。

わたしの知識と準備が足りなかっただけなのだが、妊娠中の眠気や、感情の浮き沈み、倦怠感、疲労感、普段以上に休養が必要なことも、全く予期していなかった。さらに、自営業!!産休もなければ、代わりになる人材もいない...というピンチが訪れる。自分が働き続けなければ、事業が回らない仕組みを作った自分を恨んだ。

事業に飲み込まれる人生ではなく、まずは自分の人生をどうしたいか、ということにフォーカスを当て、事業の出口戦略も考えなければ、自分も事業も、その事業に関わる人も不幸にしてしまう、ということを学んだ。

事業を自動化する仕組みや、お金について、メンタルを強化する方法など、自分の弱みを見つけては、学びを続けた。そして、ふと思った。

「女性には、女性にあった生き方があるのかもしれない」

女性起業家や女性の管理職が増えること、女性が男性のように社会で活躍する、ということは素晴らしいと思う。ただ、女性の基本的な性質には、命を宿し、それを育むという役割があり、その間は男性と同じようには働けないということは変えることができない。

そして、夫も妻も、両者ともに社会に出て、第一線で戦おうすると、家庭でのすれ違いができてしまうことがある。わたしの夫は、家事も育児もとても協力的なのだが、わたしが仕事に没頭していると、夫婦間の会話が少なくなったり、私自身が、家庭でも常に戦闘モードが抜けきらず、娘にピリピリとした空気を出してしまったりと、家庭に歪みができ始めていたのを感じていた。家族全員にとって、居心地のいい、幸せな場所を築くにはどうしたらいいだろう。

「あなたが一歩下がったらいいのよ」

これは、まさかの母からの言葉だ。母は、5人の子どもを育てながら、看護師長を長年努めてきたキャリアウーマンだった。お産直前まで働いて、「今から子どもを産んでくるわ」と、笑顔でタクシーに乗って産婦人科に向かうような、タフな女性だ。「夫が最高のパフォーマンスができるように、あなたが一歩下がって、支えてあげるのも生き方よ」母みたいに強くなりたい、と思って頑張ってきたけれど、「表舞台に立つのではなく、支える側に回る」という生き方も、表舞台に立つことと同じくらい大切な役割なのだと、気付かされた。そうだ。戦うことをやめて、調和することを選んでみよう。

「受け入れる、認める、変化する」

目の前にいる状況を受け入れる。周りの人を、ありのままに認める心の余裕を持つ。いい方向に、柔軟に自分を変化させていく。川が流れるように、そよ風がふくように、生きていけたらいいな、と思う。

※ 変化に身を任せる生き方もあってもいい、という動画をまとめました↓

〜つづく〜

《 変化を受け入れる生き方 》

ヨガの教えの中に、「Let it go 」という言葉があります。日本語で言うと「ただ、あるがままに」というような意味になるでしょうか。

瞑想をするときに、先生がこの言葉で、瞑想をするガイドをしてくれることがあります。今、ここにいる自分にフォーカスしようとしても、わたしたちの思考は、過去にあった出来事にしがみついたり、未来の不安に飛びついたり、ある出来事について批判をしたり、ひとつの考え方に執着したりします。

「Let it go」

流れる雲のように、湧いては消えていく、わたしたちの思考。それらのひとつひとつを、良い悪いと判断をせず、何かに執着するのでもなく、それらを手放してみましょう。ただ、そこに座って、それらの感情の雲が浮かんでは消えていくのを、観察するのです。

そして、心が、過去や未来に飛んで行ってしまったら、呼吸に集中します。呼吸をしているのは、過去でも未来でもない、今、ここにいる自分の体だからです。

ヨガスートラスというヨガの哲学書には、以下のようなストーリーがあったと記憶しています。川を無理にせきとめようとすると、そこに澱みができ、水が濁ってしまいます。でも、流れを止めようとしなければ、透き通った水がその場所に流れ続けるのです。わたしたちは、変化をおそれ、過去のやり方や、固定概念に執着します。そしてその執着こそが、わたしたちを苦しめる原因となっているのです。手放してみましょう。

結婚・妊娠・出産・育児 ...と、体の変化だけでなく、生き方の変化も受け入れていくことが必要な、女性の人生。変化を遂げることは、ときにものすごく勇気が必要ですよね。わたしもとても怖いです。

こんなときにこそ、夢を描くチャンスです。自分と周りの人が笑っている、明るい未来を想像することができたら、執着しているものを手放し、変化を遂げる勇気が生まれてくるのではないでしょうか。

みなさんが、今、変化のステージを迎えていて、何かに執着していているとしたら。そして、その執着心こそが、自分を苦しめている原因だったとしたら、手放してみましょう。空っぽになった両手をいっぱいに広げて、次にやってくる、もっと素敵な未来を抱きとめる準備をしましょう。








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