Stay Gold
2023年1月、25歳のお正月。
人生が何か変わる気がしていたし、変えられる自信にも満ち溢れていた。
その自信の背中を押すように大吉だったおみくじを、見る前から「当然そうだろう」と思えるほど、なんでもできる気がしていた
それほどに26歳は大きな人生のターニングポイントになる気がしていた。
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何者かになるために新しいことにチャレンジしようと6月で3年ちょっとお世話になった会社をやめ、たった2人のスタートアップで働き始めた。
現実は甘くなかった。
そこでは人間関係、仕事、自分のメンタル、私生活のほぼ全てコントロールができず、なにも上手く行かったし、コントロールに自信があったからこそ全てを失った気がしていた。
ターニングポイントになる予定だったこの一年が、与えてくれたのは「絶望」だった。
何者かになれる根拠のない自信。
きっと未来は明るいという妄想。
それを握りしめて走ってみたけど、目指してた目的地はただのハリボテだったり、掴みたかった宝は汚れがこびりついていたり、叫べば叫ぶほど声は掠れて届かなかったり。
「走り続ければ何が変わる」というのは自分のエゴで、目指していた理想にむかって走って行くと、理想は陽炎のように消え、足元の底なし沼からは、もがけばもがくほど深く沈んでいった。
悪気があろうがなかろうが、何をしても人を傷つけてしまっている気がして、そんなくらいなら消えてしまいたいなと思う日が増えていった。
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そんな絶望の日々を過ごしていたが、12月の頭に就活のお手伝いをしていた学生さんとご飯にいくことになった。
他愛もない大学生活の話から、学生さんの夢の話を聞いていたが、途中まで正直「今の自分には眩しすぎてしんどいなぁ」と思いながら聞いていた。
するとその学生さんが「オレ、ディズニーランドみたいになりたいんです」と言い出した。
パワーワードがすぎるが、その時は学生さんの熱量に引き込まれて、黙って話を聴きたいと思った。
学生さんいわく、「ディズニーランドは誰が夢を語ってもバカにされないみんなが夢を見れる場所だから『夢の国』だと思うんです。だから僕も、夢を見ることが勇気になるって思ってもらえたりする人間になりたいんです。」とのことだった。
応援したいなと思うと同時に、「オレはこんなんになっても、まだ諦めたくなかったんだな」と気付かされた。
走っても目指す先がなかったり、落としたい汚れは逆に汚れが広がったり、上げ続けた声は届かなかった。
目指す先がないから走るのをやめたり、汚れが落ちないから触るのをやめたり、届かないから諦めることもできると思う。
もっと言えば諦めたいとすら思っていたと思う。
それでも、それは『まだ今は』出来なかっただけで、使命じゃないけど、これまでの経験を無駄にするほどの出来事じゃないし、この程度で夢を手放す覚悟も勇気もオレは持ってなかった。
絶望には十分だけど、諦めるには不十分だ。
そう思えたからこそ。
まだ闘おうとしてるからこそ。
こんなに沈んだ気持ちになれているんだなと教えてもらった気がする。
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あれから1ヶ月弱、もがくのをやめて等身大の自分を見つめ直した。
そして、3つ大切にするものを決めた。
①『人として』リスペクトのある関係を
上司、部下、男女、年長、若輩。
世の中に様々な役割があり、きっと誰もが無意識にその役割を演じている。
自分が演じていることはもちろんあるけど、逆に相手にも演じてもらっているかも知れない。
最初から役割を脱いで話すのは難しいかも知れないけど、役割がないときの魅力がある人間でいたいし、魅力に気づける人間でいたい。
②全部ではなく必要な範囲だけ伝えられる大人に
もう全部10-FEETが言ってくれてたんで、これ。
③身勝手に使命を負える体力を
勝手にしんどい道行って勝手にしんどい思いしてるのはオレなんだから自己責任。
弱音を吐きたくなる時もあるし、逃げたくなる時もあるけど、ちゃんと自分の機嫌は自分で取れるように。
2023年、本当にしんどかったしもう2度味わいたくないけど、いろんな経験をしたからこそいろんな人の気持ちがより分かるようになったと思いたいし、無駄にしたくない。
なにより、どんだけしんどくても大切だと思わせてくれた3つのことは絶望の中の光だと思いたいし、オレの人生をただの戯言で終わらせないようにちゃんと納得いくまで闘いたいと思う。
最後に今年観たバンドで一番かっこよかったMCで締めくくります。
2024年も頑張ります。みなさん仲良くしてくださいね。
良いお年を。
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