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胃を元気にする食養生レシピ【栗餡のお豆腐しらたま】

どうも、胃の弱い鍼灸師です。

京都で暮らす母から届いた手作りの栗餡を、お豆腐で作った白玉だんごと一緒にいただきました。

旬の食材を使った手作りおやつ、体に優しく美味しくいただきましょう。

東洋医学的に胃に優しい食養生レシピとして、ご紹介します。


もちもちの白玉と大人の甘さの栗餡、無花果を添えて


栗は胃腸を丈夫にする果実

栗には胃腸を丈夫にする作用(養胃健脾)に加えて、血行を改善する作用(活血止血)があるので、冷え性で胃弱の方に適しています。

また、生きる力の根源であり生殖や排泄を司る「腎」は冬によく活動する臓ですが、この腎を強くして筋肉や関節を丈夫にする作用(補腎強筋)があるため、今の時期の食養生としても欠かせない食材です。

ただし消化しにくいので、体質が合う方でも量は控え目(10個目安)に、よく噛んでゆっくりと食べるようにしましょう。


白玉粉の原料はもち米

もち米は胃腸を温めて機能を高める作用(温中止痢)や胃腸の消化吸収力を高めて体に必要な栄養を獲得する作用(補中益気)があり、古来より薬にはもちろん点心やお酒として常食されてきました。

また、糖尿病に効果がある(止消乾)といわれています。血糖値の高い方はもち米や、もち米を使ったお菓子を控えておられることも多いので、意外に感じられるかもしれません。

うるち米ともち米には栄養素的に差はありません。ただ、炊飯後は水分の含有量がうるち米の方が高いので、うるち米の方がカロリーと糖質が低くなります。ですが、もち米は噛みごたえがあり、少量でも腹持ちが良いので、あえて避けている方は気にする必要はないでしょう。量に気をつけて、美味しく召し上がってください。


お砂糖(糖質)について

ダイエット目的で糖質制限している方も多いですよね。ただ、糖質は肝臓の機能に欠かせないものであり、脳の働きのためにはブドウ糖が欠かせません。糖質制限中にイライラしたり、ぼーっとしたりしてしまうのは当たり前のことなのです。
また、糖質を摂取するときに意識したいのは「一物全体食」。糖質を多く含む食べ物は、そもそも収穫時の状態でいえば、糖質の吸収速度を穏やかにする食物繊維が豊富です。精製していない穀物や、地中の野菜なんかもそうですよね。丸ごと美味しくいただくことで、体は糖質とうまく付き合うことができるのです。
適切な量をバランスよく摂取することを心がけましょう。


お豆腐は優しい食材

お豆腐は性質の優しい食材で、どんな体質の方にも合います。唾液の分泌を促して口の乾燥を和らげる作用(生津)や、胃腸を保護して気の巡りを良くし、老廃物の排出を助ける作用(補中胸降濁)があり、美容に嬉しい食材でもあります。


旬の無花果は肺を潤す

無花果は秋が旬の食材です。旬の食材を食べるということは、その季節に必要な栄養を取り込むこと。無花果には、乾燥に弱い肺を潤して咳を止める作用(潤肺止咳)があります。秋になると喉の調子が…という方のおやつにもってこいの果実です。また地産のものをいただくことで、その風土で暮らすための体づくりができます。今回使った無花果も、近所の道の駅で販売されていたものをご来院者様にいただきました。大きくて甘い無花果が出始めているようです。(ここは福岡)


紅茶と一緒にどうぞ

緑茶を飲む機会の多い日本人ですが、緑茶は体を冷やす作用があります。なので秋のスイーツは、体を温める作用がある紅茶の方が相性が良いです。また、紅茶には視力を回復して脳の集中力を高める作用(醒脳明目)、唾液の分泌を促して喉の渇きやストレスを解消する作用(生津止渇除煩)があるとされています。
紅茶はカフェインの含有量が多いので、カフェインを気にされている方は注意が必要です。茶葉の状態だと、コーヒー豆よりも多くカフェインを含みます。(淹れてしまえば、コーヒーより紅茶の方が少なくなります)ただ、紅茶のカフェインは最初の30秒でほとんど水に溶け出してしまうので、以下の方法で淹れれば普通の茶葉を使ってもカフェインレス紅茶になります。

【カフェインレス紅茶の淹れ方】
①ティーポットを温めておく
②茶葉を入れ、適量の熱湯を注ぐ
③蒸らし始めて30秒経過したら、一度捨てる
④再度適量の熱湯を注ぐ
⑤蒸らしの時間は取らずに、ティーカップに注ぐ

風味や香りをできるだけ飛ばさないよう、30秒はきちんと計ってくださいね。

お茶の話

ところで最近、「お家に急須がない」といわれて驚きました。ペットボトルのお茶をまとめ買いしている方が今は多いようです。温かいお茶がほしいときは、そのペットボトルのお茶をレンジで温めて飲むそうです…。確かに、いちいち急須でお茶を入れるのも、それを片づけるのも面倒な気持ちもわかります。お茶ガラが出ますし。でも、ペットボトルの処理も、めんどくさくありませんか…?
そこで手間なくごみも出ない方法としておすすめなのは、粉末茶。粉末茶とは茶葉を丸ごと粉砕したお茶のことです。お茶屋さんにいけば買えるし、フードプロセッサーをお持ちの方は、ご自身で茶葉を粉砕すれば作れます。お湯を注ぐだけでお茶が飲める上に、お茶っぱを丸ごといただけます。緑茶には抗癌作用、抗菌作用、アンチエイジング作用などいろんな健康効果がありますが、有効成分を十分に取り込むためには抽出液だけでなく茶葉ごといただくことが推奨されています。ぜひ、粉末茶をお試しください。


レシピはこちら

さて、レシピです。
今回は私は作っていないので、母のレシピを載せておきます。
お好みに合わせて分量は変更しても、美味しく作れるようです。

【栗餡】
〈材料(仕上がり400g程)〉
ゆで栗…300g
きび砂糖…50~90g(お好みで調整してください)
✱上白糖や三温糖でも可
水…60cc
みりん…小さじ1
塩…ひとつまみ

⑴鍋にきび砂糖と水を入れて中火にかける。きび砂糖が溶けたらゆで栗を加え、ヘラで混ぜながら加熱する

⑵ぽってりとした硬さになってきたら、みりんと塩を加えて混ぜ、火を止めたら、できあがり。

⑶そのままでも良いが、フードプロセッサーにかけるか、裏ごしするとなめらかな栗餡になる

冷蔵保存なら3日を目安に、冷凍保存もできますが、早めに食べ切った方が風味が落ちずに美味しく召し上がれます。


【おとうふ白玉】
〈材料(小さいのが16個ほど)〉
白玉粉…50g
豆腐…40g

⑴白玉粉と豆腐を混ぜる。まとまりが悪くても混ぜていれば1個になる

⑵たっぷりのお湯で茹でる。浮いてくればOK、氷水(冷水でも可)に揚げる。

⑶よく水を切って、できあがり。

無花果を添えて盛り付けて。バニラアイスを添えても美味しいです(アイスは体が冷えちゃうから程々にね)


高千穂の和紅茶と一緒に。

きな粉もあったら良かったなぁって思いながら食べました。

栗餡を牛乳で伸ばせば、栗お汁粉にもなります。生クリームで伸ばせば、マロンクリームにも。色々とアレンジのきく、栗餡。

胃腸が弱くっても、旬の美味しいものは楽しみたいですよね。組み合わせ次第で、胃腸も心もほっこり、元気になるおやつができます。

ぜひ、作ってみてくださいね。

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