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『アメリカインディアンの教え』のルーツを訪ねて

子供たちはこうして生き方を学びます

批判ばかり受けて育った子は
非難ばかりします

敵意にみちた中で育った子は
だれとでも戦います

ひやかしを受けて育った子は
はにかみ屋になります

ねたみを受けて育った子は
いつも悪いことをしているような気持ちになります

心が寛大な人の中で育った子は
がまん強くなります

はげましを受けて育った子は
自信を持ちます

ほめられる中で育った子は
いつも感謝することを知ります

公明正大な中で育った子は
正義心を持ちます

思いやりのある中で育った子は
信仰心を持ちます

人に認めてもらえる中で育った子は
自分を大事にします

仲間の愛の中で育った子は
世界に愛をみつけます

作・ドロシー・ロー・ノルト/訳・吉永宏
『アメリカインディアンの教え』加藤諦三(1990)ニッポン放送出版

ここに引用したのは
私が最近読んだ
『アメリカインディアンの教え』
という本に掲載された詩です。

この本が発行された経緯が
巻末に書かれていました。

そこには、
ニッポン放送のラジオ番組
『玉置宏の笑顔でこんにちは』で
この詩が紹介され、

ラジオ聴取者から大反響を呼び、
一日中、問い合わせの電話が
鳴り響いた

というエピソードも
紹介されています。

この反響に応える形で
何度か再放送したところ、
さらに反響が
大きく広がっていったそうです。

番組では、YMCA 同盟広報室長、
吉永宏氏が訳された
22行の散文詩
『アメリカインディアンの教え』を
紹介したのですが、

この詩が、いつ、どこで、
誰の手によって書かれたものなのか、
手掛かりはありませんでした。

誰がどのような想いで
書いた詩なのかを探るべく、
当時のスタッフが調査した話も
詳しく書かれています。

そうして辿り着いたのが、
「ドロシー・ロー・ノルト」
という女性の名前でした。

ライオンズクラブという
公共慈善団体が作成した
「薬害ハンドブック」に
作者名とともに
この詩が掲載されていたそうです。

そこで、今度は
ライオンズクラブに
問い合わせたところ、

この詩はハンドブックの
制作担当者が
壁掛けにしたものを
所有しており、
それを引用したものだったんですね。

この壁掛けは、
相当古いものだったようで、
すでに作者は
故人となっているかもしれない
という返答が返ってきたそうです。

ここで番組スタッフの
追跡調査は終了しましたが、
詩の全文を印刷したカードを作り、
希望者にプレゼントする
運びになりました。

その後も、反響は広がるばかりで、
ラジオの電波が届かない地域からも
「欲しい」という声が
届くほどに広がったんですね。

そこで、ニッポン放送で
『テレフォン人生相談』の
パーソナリティーを務めていた

心理学者・加藤諦三氏が
この詩をモチーフにして
書き下ろしたのが本書です。

まだインターネットも
一般化していない
30年以上も前の話です。

ラジオで紹介された詩が
このように広がっていったのは、
すごいことだなぁと思いました。

また、私には
子どもがいませんが、
読んでいて、いろいろと
思うところがありました。

自分の親はどうだったか、
今の自分はどうか、

親子ではなくても、
人に対して、
どんな対応をしているか、

そんなことを考えるのに、
この『アメリカインディアンの教え』は、
重要なヒントを与えてくれます。

あなたの親はどうでしょうか。

自分自身はどうでしょうか。

子どもに対して、
どのような振る舞いをするかは、
その後の子どもの人生に
大きく左右するんですよね。

これは親子関係だけでなく、
近しい人間関係の
すべてに通ずることだと思います。

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