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『ウゴウゴルーガ』との出会い

※2000字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

「視覚を育てるエンタメ」
と題した記事で紹介した
10作品との出会いについて
書いていきます。

この記事の中で
5つめに挙げたのが
『ウゴウゴルーガ』です。

『ウゴウゴルーガ』は、
'92~'94年に放送されていた
子ども向けバラエティー番組でした。

月曜~金曜の帯番組で
当初の放送時間は、
早朝の6:10~6:40、

'93年の春以降は、
7時台に異動しながら、
1年半にわたって
放送されていました。

'93年の秋には、
『ウゴウゴルーガ2号』として、
金曜夜のゴールデンタイム版
も放送しましたが、

こちらの番組は、
短命に終わったようです。
(翌年の2月に終了)

私はこの番組を最初から
観ていたわけではなく、
知ったのは、遅い方でした。

それでも、観はじめた頃は、
まだ6時台に放送していたので、
'93年には観ていたのは
間違いありません。

たぶん、私が
この番組を知ったのは、
当時、購読していた
『コミックボンボン』で

特集が組まれていたのを
読んだのが
きっかけだった気がします。

その頃の私は
小学生(10歳)で、
似たような時期に

NHK で放送されていた
『音楽ファンタジー ゆめ』が
('92~'99)
好きで、よく観ていたんですよね。

『ゆめ』はクラシック音楽を
題材にした教育番組で、

コンピューターを使って
演奏されたクラシック音楽に
CG のアニメーションを
組み合わせた番組でした。

音楽もさることながら、
私は、この立体的な CG に
惹きこまれていたんですね。

例えば、『ゆめ』のような
立体的な CG が、
ゲームで一般的になるのは、

『バーチャファイター』が
流行った頃ですから、
'93~'94年くらいです。

映画だと'95年公開の
『トイ・ストーリー』まで
待たなければいけません。

そう考えると、
私にとって『ゆめ』は
立体的な CG の
原体験だったわけです。

その『ゆめ』の直後か、
同時期くらいに
出会ったのが
『ウゴウゴルーガ』だったんですね。

『コミックボンボン』に掲載された
『ウゴウゴルーガ』の記事を見ると、

毎日、日替わりでいろんな
キャラクターが登場しているのが
わかりました。

どれも立体的な CG で
描かれており、
その造形が私を惹きつけました。

そうして、早速、早起きして
はじめて観た『ウゴウゴルーガ』は
非常に衝撃的な番組だったんです。

スタジオは、
CG で描かれた背景になっていて、

そこに当時の自分よりも
ちょっとだけ幼い
二人の出演者が登場します。

ウゴウゴくんとルーガちゃんです。

この二人は CG ではなく、
本物の子どもです。

また、この二人は
テレビ慣れしていなくて、
妙に親近感が湧きました。

プロっぽくないんです。

この二人が
毎日日替わりで出てくる
CG のキャラクターたちと
やりとりをするのが
番組のメインでしたね。

調べてみると、
この番組は月曜日以外は
生放送で、

リアルタイムで
CG のキャラクターを
動かしていたんですよね。

しかも、相手は行動が
予測不能な子どもたちですから、

その苦労たるや、
はかり知れないものがあります。

このメインのコーナーを軸に、
番組はいろんなコーナーを
挟みながら進行していく
スタイルでした。

子ども向けの番組は、
『おかあさんといっしょ』とか
『ポンキッキー』とか、

大体、こういう構成が
多いですね。

私はこういう雑多な内容を
オムニバス形式にした構成を
「雑誌型」と言っています。

この他に「書籍型」
というのもあるんですが、
この話は、
またの機会にとっておきましょう。

『ウゴウゴルーガ』は、
メインのコーナー以外の
アニメも変わったものが多く、

いずれもコンピューターを
使ったようなものが
多かったですね。

(『ノンタンといっしょ』は例外)

番組から生まれた
ミカン星人は、
特に人気の高いキャラクターで、

今もグッズなどが
販売されているようです。

そして、その CG で描かれた
アニメがものすごく
くだらなかったり、

シュールだったのも、
『ウゴウゴルーガ』の
持ち味でした。

オチがないのも普通でしたね。

10代でそういう笑いの感覚に
触れられたのも
大きかったです。

そして、番組は1年半で
終わってしまいましたが、

その後も、この番組で
活躍された CG 作家の方々は、
幅広い分野で活躍することになり、

大人になった私は、
たまたまそういった作品に
出会う機会がありました。

それらの作品に触れると、
妙に懐かしい気持ちに
なったものです。

例えば、『ウゴウゴルーガ』出身で、
特に、私が気に入っている
クリエーターには、

グラフィックデザイナーの
田中秀幸氏、

グラフィッククリエーターの
森川幸人氏などがいます。

田中秀幸氏は、
私の好きな電気グルーヴの
アートワークも
手掛けていましたし、

私が高校生の頃に
ハマったアニメ
『OH!スーパーミルクチャン』も
彼の手によるものでした。

森川幸人氏は、
ゲームの世界で再会しました。

例えば、プレイステーション初期の
『ジャンピングフラッシュ!』

あるいは
『がんばれ森川くん2号』

いずれも個性派揃いの
初代プレステの
ラインナップの中でも、

その魅力的な
ビジュアルと世界観で、
埋もれることのない個性を
発揮していました。

加えて、森川氏は
著作も手掛けており、

『テロメアの帽子』
という作品が好きで、
今も私の蔵書になっています。

『ウゴウゴルーガ』出身の
クリエーターが、
今でも現役で
活躍しているのを見ると、

『ウゴウゴルーガ』の遺伝子は
確実に引き継がれているなぁ
と、感じます。

リアルタイムで観ていた
私としても、
とても嬉しい気持ちになりますね。

ちなみに、これらの作品を
手掛けた方が、

『ウゴウゴルーガ』出身だと
知ったのは、
大人になってからのことです。

たまたま、私も
それらを手に取っていたんですね。

やっぱり、私も
『ウゴウゴルーガ』によって、
嗅覚を養われたのでしょう。


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