見出し画像

映画レビュー『SUPER8/スーパーエイト』(2011)映画愛あふれる子どもたちの冒険活劇

懐かしき子どもたちの冒険活劇

その昔、『E.T.』(’82)、
『グーニーズ』(‘85)、
『スタンド・バイ・ミー』(’86)
などのように、
アメリカの田舎町の子どもたちが
活躍する映画が多く作られました。

本作はそういった懐かしい映画を
彷彿させるSF映画です。

物語の舞台は’79年のオハイオ州の町、
主人公の少年・ジョーは、
工場の事故で母親を亡くし、
悲しみに暮れていました。

仕事ひと筋の父とは、
微妙な距離感があり、
打ち解けていません。

そんな彼が心の拠り所としたのが、
8mmカメラを使った、
友人たちとの映画制作でした。

ある夜の事故現場

ある夜、映画の撮影で、
訪れた列車のホームで、
ジョーたちは、
貨物列車と自動車の衝突事故を目撃します。

事故の直後、
列車と衝突した車のそばに行くと、
そこに乗っていたのは、
ジョーが通う学校の先生でした。

事故で血塗れになった先生は、
「ここで見たことは、
誰にも言ってはいけない。
さもなければ、
君たちと君たちの親も殺されてしまう」
と言い、意識を失います。

この時、ジョーは、
事故現場の貨物列車で見つけた、
キューブ状の物体を持ち帰りました。

じれったさも魅力的

次の日から町では、
奇妙なことが起こるようになりました。

人や犬が行方不明になったり、
原因不明の停電が
頻発するようになったのです。

町で空軍のトラックが
頻繁に行き交うようになり、
物々しい空気が漂います。

果たして、あの時にジョーたちが見た事故、
ジョーが持ち帰ったキューブは
なんだったのでしょうか。

その謎は最後まで本作を観るとわかります。

本作は‘79年という時代背景に合わせた、
さまざまな演出が秀逸な作品です。

ウォークマンに、
ルービックキューブ、
あの時代のヒットソングも多く登場します。

子どもたちのファッションや、
自転車で元気に駆け回る姿、
そのどれもが懐かしく、
同時代に少年時代を過ごした方には、
たまらない作品ではないでしょうか。

主人公たちの自主制作ならではの
映画づくりの場面には、
深い映画愛が感じられます。

謎の正体がなかなかわからないので、
じれったく感じられる方も
いるかもしれません。

しかし、そのじれったさも、
本作ならではの魅力と言えるくらい、
最後まで興味を尽きさせない、
絶妙なストーリー運びとなっています。


【作品情報】
2011年公開
監督:J・J・エイブラムス
脚本:J・J・エイブラムス
出演:ジョエル・コートニー 
   エル・ファニング 
   ライリー・グリフィス
配給:パラマウント映画

【同じ監督の作品】

【影響を受けたと思われる作品】


サポートしていただけるなら、いただいた資金は記事を書くために使わせていただきます。