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怒りを収める賢い方法

昨日、ものすごく
腹の立つことがありました。

会社でのことです。

思い出すだけで、
腹が立ってくるので、
具体的には書きませんが。

みなさんは、
職場で腹の立つことがあったら
どうしていますか。

私は滅多に怒ることはないし、
自分の中に溜め込んで
しまうことが多いです。

昨日のことはあまりにも
腹が立ったので、
いっそのこと抗議しようかと
迷いました。

でも、そういうことをすると、
仕事がやりにくくなるかなぁ、
いや、でも、あんなことをされて、
黙っていていいものか。

そういう時は、自分の中で、
攻撃的な自分と
守りに撤する自分が、
せめぎ合います。

結果、私はその場で、
怒りを表さずに、
済ませてしまうことが多いんですが、

これは私が気が小さい人間だからです。

自分が大きく出た時に、
相手がそれを上回る
逆ギレをしてきたら
どうしようとか、

相手がものすごく
根に持つタイプだったら
どうしようとか、

いろいろビビってしまうんですね。

結果、怒鳴り散らしたりすることは
滅多にありません。

思えば、子どもの時以来、
そういう怒り方を
したことがありません。

でも、昨日のことは、
本当に腹が立ったので、
文句の一つも言ってやろうか
と思ったんです。

でも、私は、
先日観た映画のことを
思い出して、
怒るのがバカらしくなりました。

私が観たのは、
『オールド』という映画です。

『シックス・センス』
などの作品で有名な
M・ナイト・シャマラン監督が
手がけた作品です。

主人公は、
妻と二人の子どもがいる
四人家族でした。

主人公と妻は、
いろいろあって、
近々、離婚することを
決めていたんです。

妻が浮気をしていていて、
たまたま、夫がそのやりとりを
妻の携帯で見てしまったのが、
夫婦仲が悪くなった原因でした。

一方の妻は、
病気を患っていました。

家族には秘密にしていましたが、
病気のことで家族に
迷惑をかけたくない、

そんな思いから、
離婚を考えていたのです。

家族四人での最後の家族旅行
ということで、
とあるリゾート施設に
行くことになりました。

そのリゾート地には、抽選で当たった
ごく少数の人しか行けません。

幸運にも妻が
その抽選に当たったんですね。

行ってみると、
そこには夢のような空間が
広がっていました。

高級なホテル、
美味しい料理が食べ放題、
美しい海辺には人が少なく、
プライベートビーチのようです。

ところが、夫婦は、
着いて早々、喧嘩してばかりでした。

二人の子どもたちも
なんとなく、
両親が離婚の話をしているのを
感じて不安に思っていました。

リゾートでの二日目は、
専用のワゴン車で、
施設から離れた海岸に
行くことになります。

そこにもごく少数の
家族しか行けません。

主人公の家族のほかに、
もう一組の家族も同乗し、
全部で8人の人たちが、
その海に向かいます。

もう一方の家族にも、
主人公一家の子どもと
同じくらいの年齢の子どもがおり、

子どもたちは意気投合して、
三人で遊んでいました。

それぞれの家族はお互いに離れて、
美しい浜辺を満喫します。

しかし、離婚直前の
主人公夫婦は、
ここでもギクシャクした感じです。

そんな時間が流れる中で、
ふと、おかしな現象に気づきます。

なんと、子どもたちが、
どんどん大きくなっていって
いるようなのです。

子どもたちは、
ホテルから支給された
食べ物をどんどん食べていきました。

子どもたちはしきりに
「お腹が空いて仕方がない」
と言います。

気がつくと、
11歳だったはずの長女は
身体が変わって、胸も大きくなり、

6歳だったはずの下の男の子は、
身長が伸びて、あっという間に
10代になっていました。

大人たちも子どもに比べると、
変化のスピードが遅いですが、
徐々にシワが増えているようです。

そうなんです。

なんとこのビーチは、
人間があっという間に
歳をとってしまう島だったのです。

この異変に気づいた
大人たちが集まって、
いろいろと検証した結果、

子どもと違って、大人の人たちは、
今日のうちに寿命がきてしまうことが
わかりました。

ビーチからの脱出を試みて、
いろんなことを試しますが、
どれもうまくいかず、

とうとう夜を迎えてしまいました。

ビーチに着いた頃、
30代くらいだったはずの
主人公の夫婦は、
あっという間に老人夫婦です。

夫は老化で、
目が見えなくなってしまいました。

妻は、耳が遠くなっていました。

もう、二人には物事を考える力も
なくなりつつあります。

焚き火に当たりながら、
二人は、横並びに座り、
途方に暮れていました。

この時に主人公が言った
一言が忘れられませんでしたね。

「なんと美しいビーチなんだ。
 脱出なんてしようとせずに、
 もっと満喫すれば良かった」

深いセリフだなぁと思いました。

最初は奇妙な物語に感じましたが、
人生を圧縮すれば、
こんなことなのかもしれません。

何かに怯え、怒り、
もがいているうちに、
人間は、あっという間に
歳をとってしまいます。

きっと、自分ももっと歳をとったら、
この主人公と同じ心境に
なるかもしれません。

「なんでもっと人生を
 楽しまなかったのだろう」と。

最後に二人は、
離婚の原因の話をしようとします。

しかし、それはできませんでした。

老人になった二人は、
もう記憶も薄れているのです。

老夫婦となった二人は、
お互いに
「ごめんなさい」「ありがとう」
というばかりです。

あんなに仲が冷え切っていた
夫婦は年老いたおかげで、
最後に和解することができました。

私は昨日、腹が立った時に、
このシーンを思い出したのです。

今はものすごく腹が立っているけど、
自分が年老いて
おじいちゃんになった時、

果たして、
そんなことを覚えているかなぁ、

何十年先にも
この怒りを抱えて生きているだろうか、
と想像したら、

なんだか腹を立てているのが、
バカらしくなりました。

結果、私は怒りを表さずに済みました。

私が怒っていたなんて、
誰も知りません。

みなさんも怒りを感じたら、
時を早送りしてみてください。

一年後、五年後、
十年後、二十年後、

果たして、
その怒りは持続するでしょうか。

覚えていられるでしょうか。

こう考えると、
怒るのがバカバカしくなります。

今では腹を立てていた自分を
滑稽にすら思います。

大概のことはどうでもいいんです。

どうせみんな死ぬんだし(笑)

なので、怒りを感じたら、
忘れるのに限ります。

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