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高橋幸宏とは(4)おませさん/多趣味である

高橋幸宏の音楽活動50周年を
記念して出版された
『LOVE TOGETHRE』を
もとに記事にしていきます。

前の記事に挙げた
集計を見ると、

関係者が述べた
高橋幸宏の印象で

「多趣味」
「博識」
といった内容を
5人が挙げています。

YMO のお三方は、
いずれも博識であるのは、
間違いありませんが、

それぞれの方向性が
微妙に異なるのが、
またおもしろいところです。

三人が共通して好きなのは、
映画ですね。

三人とも映画好きで、
その趣向もそれぞれ
違うところがあります。

幸宏さんといえば、
やはり、フランスの
クロード・ルルーシュ監督の
『男と女』('66)ですね。

幸宏さんは、
中学生の頃にこの映画を
映画館で18回も観た
というエピソードは有名です。

『LOVE TOGETHER』の中でも
関係者が述べた中で、
幸宏さんの印象について、

「生意気」「ませている」
といった印象を
挙げた方もいましたが、

特に、この印象は、
若い頃の話ですね。

10代の頃の幸宏さんは、
「ませた」感じで、

それがのちに、
「大人っぽい」
「ダンディー」なイメージに
昇華していったのだと思います。

この手の話で印象的だったのが、
シーナ&ザ・ロケッツの
鮎川誠の話ですね。

シーナ&ザ・ロケッツは、
もともと福岡で
活動していたバンドで、

幸宏さんが地方での
ライブへ行った時に
知り合ったようです。

そんな経緯もあって、
幸宏さんが細野さんに紹介し、
YMO のライブやレコーディングに
参加したり、

細野&幸宏のコンビで
プロデュースを手掛けたりも
していました。

鮎川誠は、幸宏さんよりも
年上でキャリア的にも
先輩にあたるのですが、

「なぜか「幸宏」
 と呼び捨てにできず、
 「幸宏さん」と言ってしまう」
と言っていました。

先日、自身のラジオ番組で
「高橋幸宏追悼特集」を
やっていた山下達郎も
同じことを言っていました。

山下達郎は幸宏さんと
同い年なんですが、

先輩っぽい感じがして、
「幸宏さん」と
呼んでしまうそうです。

こんなエピソードからも
幸宏さんが実年齢よりも
大人びた人だったのが
感じられますね。

「映画」に関して言うと、
幸宏さんは年代が
古い映画にも
詳しかったようです。

YMO のプロデュースを
務めたアルファレコードの
創業者・村井邦彦氏は、
幸宏さんよりも年上ですが、

その映画の趣向に
驚いたと言っています。

しかも、そのことを知ったのは、
ずいぶん後になってからのことで、

YMO の活動期間は
そんなに親密に話すこともなかった
というのが、
またおもしろいところです。

村井氏もどちらかというと、
幸宏さんに対して、
とっつきにくいイメージが
あったようなんですね。

このように、
人や立場によって、
印象が違うところも
幸宏さんのおもしろいところです。

幸宏さんの趣味は
映画鑑賞といった
インドア的なものには
留まりません。

代表的なのは「釣り」ですね。

若い頃から釣りを嗜み、
年を重ねてからも、
続けていた趣味でした。

METAFIVE のメンバーの
話によれば、
ライブ会場に着くと、

その周辺に釣りのスポットがないか、
いつも気にしていたそうです。

ある時、細野さんのラジオに
幸宏さんが中継で
ゲスト出演しているのを
聴いていたら、

「なんだか、
 いつもと喋り方が
 違うなぁ」
と違和感を持ちました。

その時、幸宏さんは、
釣りに行った時に
転んでケガをしていたそうで、

アゴから転んで、
大変なことになっていたようです。

このエピソードは
そんなに前の話ではなくて、
60代になってからの話です。

そのくらい、
アグレッシブな人でも
あったんですよね。

その他にも、
ビリヤードやボウリング、
といったゲームも好み、

いずれも自前の道具を
一式揃えるほどの
ハマりようだったそうです。

また、そういったゲームでは
負けず嫌いな一面を
見せることもあったらしいです。

趣味的なものとしては、
グルメであったことも
知られており、

釣った魚を自分でさばいて
料理をすることも
多かったようです。

また、おいしいお店を
たくさん知っていて、

YMO の打ち上げの時は、
大概、幸宏さんが
お店を決めていたそうですね。

いずれの趣味に関しても
人に勧めるのがうまいのが、
幸宏さんのすごいところです。

関係者のインタビューの中では、

「幸宏さんに勧められたのが
 きっかけで○○をはじめた」
といったエピソードも
よく出てきました。

とにかく自分が「いい!」
と思ったものは、
仲間にも共有したい気持ちが
人一倍強い人だったんでしょうね。

ここまでは、
どちらかというと、
オシャレな趣味を
挙げてきましたが、

幸宏さんの庶民的な
一面を象徴する話として、

『男はつらいよ』のファン、
野球の巨人軍のファン
といった部分も外せません。

ドラマ『北の国から』も
お好きだったようで、

ゴンドウトモヒコさんが
仕事の打ち合わせで
自宅に訪れた時に

たまたまテレビで
再放送されていた
『北の国から』に
見入ってしまい、

二人で涙ぐんでしまった
というエピソードも
微笑ましかったですね。

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