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高橋幸宏とは(5)ロジカルである

今回も高橋幸宏の
音楽活動50周年を記念して
出版された
『LOVE TOGETHER』より

関係者の証言をもとに
記事を書いていきます。

これまで複数の記事にわたって、
音楽家・高橋幸宏の
人物像に迫ってきました。

まだまだ書きたいことは
たーくさん、あるのですが、
興味のない方にとっては、
どうでもいい話でしょうし、

あんまり偏った話ばかり
するのもなんなので、

今回のところは、
この記事を最後に
締めたいと思います。

今回できなかった話は
今後にとっておきますね。

「最後」と決めたうえで、
幸宏さんのことを語るうえで、
どうしても外せないのは、

幸宏さんの
「ロジカル」な部分です。

「ロジカル」とは
「論理的」「合理的」
という意味ですが、

幸宏さんほど、
この言葉が似合うドラマーは
他にいないのではないか、
とすら思います。

幸宏さんが
サディスティック・ミカ・バンドに
加入しデビューした頃、

ドラマーのイメージといえば、
長髪にタンクトップ、

いかにも腕っぷしの強そうな
汗臭いイメージが
強かったそうです。

ところがこの時代に
登場した若き日の幸宏さんは、

そんなイメージとは
まったく結びつかない
スタイルでした。

常にオシャレな衣装に身を包み、
腕もそんなに太くありません。

幸宏さんは体系的にも、
どちらかというと、
細身で、華奢なイメージが
ありますよね。

それでも、幸宏さんが叩く
ドラムの音のイメージは、
ものすごく大きい印象があります。

これにはきちんとした
幸宏さんなりの理論があって、
そうなっているわけなんですよね。

幸宏さんは、若い頃から
「ドラムは頭で叩くもの」
と言っていました。

この言葉には、

それまでのドラマーが力任せで、
ドラムを叩いてたことに対する
アンチテーゼが感じられますね。

この本の中でも
「幸宏さんはどこをどう叩くと
 どういう音が鳴るかを
 理解して演奏している」

といった趣旨のコメントを
寄せている方もいました。

幸宏さんって、
ホント、理論派なんです。

YMO で言うと、
とりわけ、細野さんや教授に
そういうイメージが
強くありますが、

幸宏さんも
相当な理論派だったはずです。

特に YMO として活動していた頃は、
おそらく、メディアなどでは、
細野さん、教授が
その手の発言も多かったので、

意図的にそういった話を
披露するのを
控えていたのではないか、
とすら思えます。

三人が寄ってたかって、
そんな話ばかりしていたら、
普通の人は、
とっつきにくいですもんね(^^;

そういう感じが
実に幸宏さんらしいです。

でも、幸宏さんも
細野さんや教授に
負けずおとらず、

そういった理論的な話をするのが
本当は好きだったのではないか、
と思える話を
先日、別の雑誌で読みました。

これは最近出たばかりの
ホヤホヤの雑誌です。

この中でかつて、
幸宏さんにインタビューした
ライターが書いている
エピソードが象徴的でした。

その方が2000年頃に、
はじめて幸宏さんの
ソロ作品の制作現場で
インタビューした時の話です。

幸宏さんは
「こんな話をしても
 ピンとこないかもしれないけどね」
と前置きをしたうえで、

機材関係の話を
こと細かく
説明してくれたそうです。

その話は、機材系雑誌の取材かと
思ってしまうほど、
専門的な話で、

でも、その話が
とてもわかりやすかった、
と好意的に書かれています。

幸宏さんはあくまでも
「音楽家」で、
そういう理論を披露するのが
仕事ではないので、

知られることも
少ないかもしれませんが、

細野さんや教授に負けず劣らず、
そういったマニアックな話、
込み入った説明を

他人におもしろく
伝えることができる人
だったんですよね。

ここから本題に
入るつもりでしたが、
長くなってしまったので、
次の記事に続きます。

「最後」といったのに、
まだ続いてしまって、
ごめんなさい(^^;

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