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ゲームレビュー『星のカービィ 夢の泉の物語』(1993)初心者にもマニアにも

ゲームはマニアだけのもの?

ゲームの代名詞と言えば、
『マリオ』シリーズでおなじみ、
画面が横にスクロールするタイプの
アクションゲームです。

今はもっと多くの
ジャンルのゲームがあって、
3D空間を自由に動き回るゲームが
生まれた時からあった、
という世代の方も多いことでしょう。

’90年代の後半に、
セガサターン、プレイステーション、
ニンテンドウ64といったハードが
普及するまでは3Dのゲームは、
一般的ではありませんでした。

そもそも、その昔、
ゲームは画面がスクロールしない、
固定画面のゲームが一般的だったのです。

そんな中、キャラクターを動かすことによって、
画面がスクロールし、
ゴールにたどり着く目的を持たせた
『スーパーマリオブラザーズ』(’85)の
登場は革命的でした。

ファミコンソフトとして発売された
『スーパーマリオブラザーズ』は、
国内だけで681万本も売り上げました。

たちまち、ファミコンは、
社会現象と言われるほど、
世の中に認知されます。

当時は子どもも大人もこぞって、
『マリオ』に挑戦しました。

しかしながら、これが難しいんですよね。

あんなに売れたソフトなのに、
果たして最後までたどり着けた人は、
どれくらいいたのでしょうか。
(実は私もクリアーしたことがない(^^;)

その一方で、これを難なくクリアーする
マニアたちもいました。

ゲーム業界では、
そういったマニアックなユーザーに向けて、
各メーカーが次々に難しいゲームを
発売していく状況になっていきます。

「このままではゲームが
マニアだけのものになってしまう!」

そんな危機を打破するために作られたのが、
『星のカービィ』シリーズです。

初心者に優しい設計

本作は『星のカービィ』シリーズの2作目にして、
シリーズ初の据え置き型ゲーム機での
発売となりました。
(初代『カービィ』はゲームボーイ用ソフトだった)

ファミコンの『マリオ』シリーズと
同様に横スクロールアクションでありながら、
初代『カービィ』と同様に、
初心者に優しい設計がされています。

『マリオ』シリーズで、
初心者がやりがちなミスとしては、
「敵にぶつかってしまう」
「穴に落ちてしまう」
この二つが挙げられるでしょう。

敵にぶつかってしまうのは、
マリオが敵をやっつける時に、
敵を踏んづけなければならないからです。

敵に接触してしまうリスクを
冒さなければ、
敵をやっつけることができません。

このタイミングを掴むのが難しいので、
初心者は最初に出てきたクリボー(敵キャラ)に
あっさり命を落としてしまいます。

『カービィ』シリーズでは、
これを改善するために、
カービィが敵を吸い込み、
吐き出すことによって、
攻撃することができるようになっています。

この仕様のおかげで、
敵にぶつかってミスになる確率は
グッと低く抑えられているのです。

『マリオ』では、
穴に落ちてミスになるような場所でも、
カービィは空気を吸い込んで、膨らみ、
空を飛ぶことができます。

このおかげで、穴に落ちてミスになる確率も
かなり抑えられているんですよね。

遊び心が満載!
かわいいビジュアルと音楽も魅力的

本作では『カービィ』シリーズで、
はじめて「コピー能力」が追加されています。

特定の敵キャラクターを吸い込み、
飲み込むことによって、
カービィの攻撃方法が変化するのです。

剣を持ったり、火を噴いたり、
氷になってみたり、
はたまたUFOになってみたり、
見た目にもバリエーションがあるのが、
本作のおもしろいところです。

コピーで得た能力によって、
操作感覚が軽くなったり、
重くなったりという変化もあるので、
中級者以上の方には、
それらを使い分けるおもしろさも味わえます。

UFOキャッチャーや西部劇の早撃ちを模した
ミニゲームなども収録されており、
隠しルートを探し当てる
といったやり込み要素も豊富です。

グラフィックや音楽に関しては、
同時代のファミコンのゲームと比べても、
カービィシリーズならではの個性があり、
見ているだけでも楽しいゲームになっています。

ファミコンの時代には珍しかった
優しいパステルカラーっぽい色合いが、
今の目で見ても斬新です。

全体的に丸みを帯びた、
キャラクター、背景のかわいらしさ、
キャッチーなメロディーラインが
耳に残るBGMもオススメです。


【作品情報】
1993年発売
ジャンル:アクション
機種:ファミコン
発売元:任天堂
開発元:任天堂、ハル研究所
ディレクター:桜井政博

【シリーズ作品】

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