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ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜(終)
エピローグ第十二夜 " OiSa PARKGOLF Remix " 〜何かが変わった夜〜
どこかでお祭りの声が聞こえる。
そうか、今日はお祭りだった。
ちょっと寝てたのかな。
さっきまで鬱々として、祭りの声もうるさいと思ってたのに。
今はなんだか、そわそわする。
久しぶりに行ってみようかな、お祭り。
やるせなく味気ない、想定どおりの毎日。
お祭りなんか行ったって
ー なんにも変わりはしな
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜⑪
第四章 "あわい"へふたたび第十一夜 " 虹の湊 " 〜あの夏は永遠だった〜
ワタシたちの他には、何もなかった。
いや、「時間」もあった。
永遠かとも思われる時間。
ワタシたちのあいだには、距離があった。
なにも、誰も埋めることのできない距離。
それは、もしかしたら「永遠」だったのかもしれない。
あの夏、確かにワタシたちは、そこにいた。
青春の1ページ。
夏の日差しに溶けていった、あの日。
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜⑩
第三章 原点への旅第十夜 " 禊 the MUSIC " 〜Save or Die〜
さあさあ、どうする?
見えるでしょ
ローラーコースター!
乗るかい?
ノリたいって思うなら、そんなところで一人で突っ立ってちゃあだめだよ。
外面だって内面だって、自分で思い込んでるだけのものは、ただの独りよがりさ。
仮面を被ったあなたも、内でグジグジしてるあなたも、どっちも「本当の自分」なんかじゃない。
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜⑨
第三章 原点への旅第九夜 " 南風音頭 " 〜原点の自分・本来無一物〜
ここはふるさと。
ワタシの原点。
子供の頃からずっと、もう記憶にある限り、なんにも変わらない。
火山も、緑も、海も、日差しも、風も。
みんなあの時のまま。
昔はそれがひどく退屈だった。
でも今は、それがいちばんだとわかる。
ー 昔…?今…? ー
ワタシ、何を言ってるの?
ずっとここにいるのにね。
波の音が聞こえる。
な
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜⑧
第三章 原点への旅第八夜 " Bright & Breezy " 〜原点の景色・光と風と神々と〜
白い砂浜。
燦々と日差しが降り注ぎ、暖かな南風が吹き渡る、まるで桃源郷。
8mmフィルムで撮った懐かしいVTRのような景色。
ワタシ、何してるんだっけ?
なんで泣いてるんだっけ?
神々が住まうこの地に、この未来に、なんの不安もあるはずはないのにね。
ー ここから落ちたら終わりだ ー
と思って
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜⑦
第二章 自分探しの旅第七夜 " 沸く星 " 〜辿り着いた内なるワタシ〜
温泉は火山。
山は不動として、一人で屹立してる。
ワタシもそう。
世界がどうであっても、世間が何をしてたとしても、幼い頃からずっと言われて信じてきたこと。
ー 悪いことしたら地獄をめぐる ー
だから、悪いことはしたくない。
他人にだって嫌な気持ちになってほしくはない。
ずるく、うまく立ち回るなんてできない。
自分だ
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜⑥
第二章 自分探しの旅第六夜 " 和・華・蘭 " 〜未知との出会いと受容〜
旅は異国情緒。
人生は旅。
色々な人や価値観と出会い、自分をさらけ出して、交流して、成長していく。
文化もそう。
オリエンタル、ジャポネスク。
日本だけでは生まれない価値観。
海をわたり、シルクロードを越えて、それぞれの地域の特性をミックスさせながら、より美の高みを目指していく。
じゃあ、その混淆した美しさの、「本当」
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜⑤
第二章 自分探しの旅第五夜 " さがしもの " 〜大空から広い世界を見渡せば〜
青く広がる大空!
気持ちのいい河川敷!
これは夢なんかじゃないよ。
トルコ・カッパドキアだって、佐賀・嘉瀬川だって、世界中の空はつながってる。
そして、その大空に、一人ひとりみんなそれぞれの気球を飛ばして、それぞれの未来をさがしにいくんだ。
旅立ちはみんな一人っきりだけど、この色とりどりの気球が飛んでるのを見て!
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜④
第一章 過去への旅第四夜 " 御祭sawagi " 〜心と体が未分化だったあの頃〜
今日は待ちに待ったお祭り!
お祭りの日って楽しいよね。
ついつい走り出す。
いつもは難しい顔してる大人たちも、怒ってばかりのお父さんお母さんも、しらけた顔してるあのおじさんも、誰も彼もイキイキと、いい顔してる。
普段はなんのつながりもないようなあの人やこの人も、山も川も、大地も空も、木も草も、みんなが一枚岩にな
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜③
第一章 過去への旅第三夜 " YOIMIYA " 〜恋に憧れていたあの頃〜
さっきは、お祭りの声が聞こえたと思ったんだけど、今日は宵宮。
まだ準備の日だよね。
でもね、この準備が楽しいんだ。
宵宮の空気感は特別だよね。
お祭りそのものは完全な非日常の、謂わば向こう側の世界だけど、宵宮は日常と非日常のあわい。
あの世とこの世の境界。
ハレとケの交錯点。
異世界への入り口。
「異世界」っていうと
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜②
第一章 過去への旅第二夜 “ わたし、恋始めたってよ! “ 〜心が見えた気がしたあの頃〜
あれ…?
ワタシ、何してたんだっけ…
なんか夢でもみてたみたい。
やるせない日々…もの足りない日々…祭囃子…
ああ、そうだ。
ワタシね、恋を始めたんだ。
「恋を始めた」なんて、ドラマみたいな言い方?
いいじゃない、それほどのことなんだから。
「恋」っていうのは。
都会の生活にもずいぶん慣れて、いろんな経
ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて 〜①
プロローグ第一夜 " OiSa 2021ver. " 〜やるせない日々〜
どこかでお祭りの声が聞こえる。
もう寝ようと思ってたのに。
なんだかいろいろ思い出してモヤモヤしてくる。
お祭りなんて、行かなくなってもうどれほどになるだろう。
高校生の頃までは、必ず行ってたな。
お祭りの前日は「宵宮」でさ、そこからお祭りの気分に入っていくんだよね。
友達同士で浴衣の着付けをチェックしたりとか、おみくじ
ある "たましい" の救済の物語 〜ばってん少女隊 アルバム『九祭』に乗せて〜(序)
ばってん少女隊のアルバム『九祭』を聴きながら、「やるせない日々を過ごしていたワタシ」が、時間を遡り、ふるさとに帰り、自分に還ることで「救済」される物語を妄想してみました。
ー 祭囃子が聞こえたら、そこは異世界への入り口かもしれません ー
※この物語は、このnoteの作者の勝手な妄想であり、感想です。
公式見解とは一切、関係ありません。
あらすじ
いつも「待ったなし」の暮らしに気を取られ、