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ノック1本目 ロジカルシンキング100本ノック ~100本ノックシリーズの原点~

<プログラム概要>
論理的思考力を100本ノック形式で高める研修
アルーの100本ノック研修の中で原点にして最大のヒット商品


ノック1本目は「ロジカルシンキング100本ノック」。2003年末頃に最初のバージョンを開発しましたが、今だに(2021年現在でも)アルーで最も販売されている研修プログラムです。

よくミュージシャンは、1STアルバムが最も良くて、その頃の曲が代表曲という方が多いですね。それと同じなのでしょうか。
当時の初期衝動に任せ計算無しで無我夢中で創作活動に振り切ったからいいものとなったのかもしれませんね。

<すごい開発バイブル まとめて読まれる際はこちら↓>

すごい開発バイブル

①100本ノックコンセプトの誕生

2003年当時、商品もなければお客様もおらず、会社も設立前という状況で、事業としてプロダクトとして何を形にすること自体が一番大きな課題でした。


教育分野のビジネスを行うということだけは決まっていましたので、企業向け研修ビジネスは視野に入っていました。しかしながら、当時は法人向けの営業の経験もなく、どうすればよいかも何も決まっていませんでした。


そのタイミングで出来たコンセプトが「100本ノック」でした。


「100本ノック」という言葉が一番最初に出たのは、エデュ・ファクトリー(創業時のアルーの社名)最初のオフィスである当時の落合社長の自宅でした。会社設立前の10月のある日でした。誰が言ったのか今となってはわかりませんが、なんとなく行けそうという印象を持ったことを私は覚えています。


ともかくもその「100本ノック」を形にしようと考えて実行したのが、2003年11月にコンサルティング業界志望の学生の方向けイベントでした。コンテンツとして「フェルミ推定」を用いた演習を作成したのが最初の100本ノック。後の「定量的思考100本ノック」という研修プログラムの元になりました。


実際にフェルミ推定の演習問題を3問ほどやってみたところ、受講者の方には素晴らしい変化がありました。「人は繰り返しトレーニングをすること」で、短時間で大きく変化するのだということに気付いた機会でした。


②ロジカルシンキングをテーマとして選定

ただし、フェルミ推定を繰り返すという内容だけでは、テーマとして狭すぎると感じていました。コンサルティング会社の入社試験対策にしか使えません。もっと多くの人が必要となるテーマを取り上げて、100本ノック形式での研修プログラムにすることができないか、ということをイベント終了後の振り返りの場において、チームで議論しました。


その時に出てきたテーマが「ロジカルシンキング」でした。なぜロジカルシンキングがテーマとして出てきたのでしょうか。


最大の理由は、自分達の経験を活かすことができそうということでした。当社の創業メンバーは偶然ながら全員、新卒で外資系の戦略系コンサルティング会社に入社をして、3年弱勤務をしました。短い期間しか在籍をしませんでしたが、その中で培ったものがロジカルシンキングでした。


より正確に言えば「ロジカルシンキングを意識した仕事術」でした。

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上司への報告の際に「結論は何か?ロジカルに!」と言われ、書類作成をすれば「この書類のメッセージは何か?ロジカルに!」と尋ねられ、大量の調査情報をロジカルに構造化・分析してきた経験しかありませんでした。


営業の経験もなければ、接客の経験もなく、人をマネジメントしたこともなければ、ビジネスを考えることもありませんでした。自分達がやってきたことは、社会人の基礎レベルですが、ロジカルシンキングを意識した仕事術だけなら同世代の若手社会人の参考になるものをつくれるのではないかと考えたのでした。


また、世の中にあるロジカルシンキングについて調べたところ、当時はMBAスキルの一つという位置づけで認識されていることがわかりました。
当時のロジカルシンキングと言えば、企業経営の分析手法を教えるものに近く、対象者は企業の経営企画系の担当者や管理職層向けでした。若手向けの仕事術は存在していませんでした。


③開発スタート!しかし・・・

「ロジカルシンキング仕事術を100本ノックで作ろう!」そう考えて企画をスタートしたのが2003年12月でした。


研修プログラム開発も経験不足。現在のように開発手法が明確になっているわけではなく、とにかく手作りでやってみるというスタートでした。

インプットは、自分達の経験とバーバラミントさんの名著「考える技術・書く技術」。
現在であればラーニングポイント(学びのポイント)から先に整理をしますが、私の記憶の中では「ロジカルシンキングを使った仕事の場面」を、オフィスのホワイトボードで色々と書き出していきました。


ですが、それがよかったのでしょう。そこで生まれたのが「エレベータートーク」でした。(エレベーターに乗っている数十秒程度の間に、メッセージを分かりやすく伝えるスキル)
エレベータートークは、シンプルですがロジカルシンキングの要素を活かしたインパクトのある仕事術です。
このシンプルかつインパクト、というのは100本ノックの裏テーマとして今も息づいていると思います。

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そうした場面をいくつか挙げた上で、ラーニングポイントの整理をしていきました。100本ノック研修は繰り返すことがポイントですので、あまり学びの要素を多くしすぎると限られた時間の中で繰り返すことができなくなってしまいます。

そこでポイントは絞ろう!という話になりました。ロジカルシンキングのポイントについて議論を繰り返し、最終的には「ピラミッド構造」がロジカルシンキングの大原則である、となりました。そしてピラミッド構造を支える4つのルール、「WHYSO?」「MECE」「SOWHAT?」「グルーピング」が整理されました。

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この議論は2003年末頃に行いました。上記を踏まえた演習問題を年末の休暇中に一人3つ作ってくるという宿題を持ち帰りました。チームは3名でしたので合計9問。この9問の中には(2021年)現在でも使用されている問題があります。


④個人セミナーでのトライアルと改善

2004年1月から学生や若手社会人を集めた個人向けセミナーを毎週末に開催しました。自分達の創った研修プログラムのトライアルと実績を積むことが目的です。


とにかくやってみなければ始まらないという感じでした。毎週集客をして、1日で2.5時間の講座を3回開催する。合計20回以上開催したのではないでしょうか。


ロジカルシンキング100本ノックの納品デビューはこの個人向けセミナーでした。当時は本当に研修について何も知らなくて・・・・。


受講生の方に、演習を個人ワークで解いて発表をしていただきましたが、なぜか皆、発表しづらそうで・・・。終了後にアンケートを見ると「個人ワークの回答を見ず知らずの方がたくさんいる前で発表するのはやりづらい」と書いてありました。

なるほど!自分の答えに自信がないのに人前で発表するのは確かにやりづらいだろうな、と気付きを得てグループワークの必要性に気づきました。

次にグループワークをやってみましたが、全く議論が盛り上がりません。皆遠慮しながら話をしており、なぜだろうと思っておりました。またアンケートに「知らない人といきなり話せない」と書かれていました。

なるほど!では自己紹介や場のアイスブレイクが必要なのか、という風にオペレーションを改善していきました。


「振り返り」も当初はありませんでした。アンケートに「演習を繰り返すのはいいアプローチだが、詰め込みすぎで何を学んだか咀嚼できない」と書かれていたので、振り返る時間の必要性に気づきました。


こうして個人向けセミナーを行ったことで多くの学びを得ることができました。
ロジカルシンキングは習うより慣れろ!」というコンセプトが多くの受講者の方からの共感が得れる、という実感を持つことができたのが、私たちにとって最大の収穫でした。

ロジカルシンキング100本ノックの法人研修での初納品は2004年4月のインターネット系企業様の新入社員研修でした。その時も評判はよく、私たちはロジカルシンキング100本ノックについて自信を深めることができたのでした。

⑤納品を繰り返すことで現在の形へ

その後、1日研修プログラムの形でまとまったのは2004年の中ごろでした。いくつかの企業様で運よく受注をする中で形が作られていきました。ノック演習も案件ごとに開発をしていきました。また通信講座事業向けに演習開発を行っていきました。そうして多くの演習を日々開発し続け、ロジカルシンキングの演習問題は100程度までに増加していきました


その中でパッケージとして相応しいものを選定していき、2005年頃には現在の形にかなり近くなっていきました。


その後エデュ・ファクトリーは、ロジカルシンキングの会社として研修ビジネスの受注を増やしていき、そしてその後の多数のプログラム展開につながっていきました。


2008年には、金融機関向けの業界特化型のロジカルシンキングを開発したことを受けて、メーカー版やIT版など4つのパターンでの開発がされました。
また、その後、海外での研修実施に向けて、英語版、中国語版、韓国語版等のバージョンが開発されていきました。

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ロジカルシンキング100本ノックは、アルーの原点であり、その開発過程において研修プログラム自体の基本プロトコルを身に着けていく機会となった研修でもありました。


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ロジカルシンキング100本ノック 開発における教訓


DNA1:開発者自身が培ってきたものをLPとして落とし込む
ロジカルシンキング100本ノックは、コンサルティング会社時代に日々活用してきた仕事術をラーニングポイントにした


DNA2:ラーニングポイントを絞り込む
大原則「ピラミッド構造」と4つのルールだけに絞り込んだ
ラーニングポイントを絞り込むことで、演習で繰り返し練習することができた


DNA3:日常の場面に結びついた演習設定とする
エレベータートーク、議事録の作成、会議の進行など、ビジネスパーソンが実践をイメージできる設定にした


DNA4:シンプルかつインパクトのある「掴み演習」を作る
頭の体操「エレベータートーク」は、インパクトがある掴みのある演習
デモ講義を実施する際に、プログラムをお客様に印象付けることができる


DNA5:まず創る。納品しながら完成を目指していく
教材を開発して、個人セミナーを繰り返しながらクオリティを高めていった
法人研修実績を積みながらブラッシュアップし続けた

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本noteでは別途アルーの創業からの歴史をまとめた「スタートアップ企業としての営業組織づくりノウハウ」を公開しています。ぜひご覧ください。

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