見出し画像

立つ姿勢について〜セルフチェックとセルフケアの紹介〜

「静は動の基本」と言われており、立つ姿勢(立位)はその次の動作である歩行につなげるための立位になります。
直立二足歩行は、脚と脊椎を垂直に立てて行う二足歩行のことです。現存する生物のうち、直立二足歩行が出来る生き物は人間だけであると言われています。先ずは簡単に直立二足歩行の利点と欠点をご紹介します。

直立二足歩行の利点

・脳の容積を拡大することが出来、全動物中最も高い知能を獲得した。
・前脚が歩行から解放されたことにより、重量物の運搬が可能となった。
・投擲という他の生物にはない能力を得ることが出来た。

直立二足歩行の欠点

・重力の影響を受けやすい。(腰痛や関節痛、胃下垂などの内臓への負担)
・ほとんどの姿勢で頭部が安定しているため、首が細く弱い。
・重量のある頭部が上にあることで重心が高くなり、バランスを崩しやすくなる。
・喉、心臓、腹部、股間など急所を常に晒してしまう。

しっかりと歩くためには、やはり立つ事が大切なんですね。さて、ここからが本題になります。以前の記事では座る姿勢について書かせていただきましたが、今回は立つ姿勢について記事を書かせていただきます。

◆今回の記事のまとめ
・立位姿勢チェックの方法
・理想的な立つ姿勢の意識【伸びる】
・美しい立位姿勢を意識するためのセルフケア(胸骨と恥骨の意識)
・横になってお腹の凝りのセルフチェックとセルフケアの方法

理想的な立つ姿勢を知るためには、先ずは自分自身がどのように立っているかを認識することが大切です。

先ずは、姿勢のチェックを行いましょう

自宅に大きな鏡がある場合は、鏡の前で定期的に自分のボディチェックを行ってみましょう。“名医が教える健康バイブル つらい肩のこりと痛みがみるみるとれる 技術評論社 2017”より引用させて頂きました。
①〜⑥は正面からチェックして下さい。⑦〜⑩は横からチェックして下さい。
①目の高さは左右対称ですか?
②頭は左右どちらかに傾いていませんか?
③肩の高さは左右対称ですか?
④鎖骨のラインは左右対称ですか?
⑤両手の位置は左右対称ですか?
⑥骨盤の高さは左右対称ですか?
⑦頭が前後に傾いたり、ねじれていませんか?
⑧あごが前に出ていませんか?
⑨背中は丸まっていませんか?
⑩腰は反っていませんか?

上記の10個のポイントを意識することで、自分自身で姿勢の修正が出来ます。自分で思っているよりも姿勢が悪くないという人もいるかも知れませんし、無意識的にある特定の部位をすごく意識されている人もいるかもしれません。必ず上記のポイントにならなければいけないのではなく、各ポイントと比較した中で今の自分の状態を確認して気がつく事が大切です。
姿勢が崩れてくると、背骨以外の部位に障害が生じやすくなってきますので、予防の面からも考えても姿勢(背骨の配列)を整えておくことは大切なことであると考えています。
正面からチェックポイントは比較的自分で修正しやすいと思いますので今回は、横から姿勢をチェックしたポイントでの姿勢を修正するセルフケアを提案させて頂きます。

立位姿勢に対するセルフケアの方法

横からのチェックポイントに該当している姿勢は、いわゆるだらっとしている姿勢になります。この姿勢は、身体的には楽なんですが筋肉で身体を支える事が出来ていないので長い目で見ると骨などにも影響が出やすい姿勢になってしまいます。見た目も老けて見えてしまいがちなんです。背骨はS字カーブを描いているのが理想なのですが、だらっとした姿勢になるとS字カーブが大きくなってきます。いわゆるぽっこりお腹や猫背と呼ばれる姿勢になりやすくなってしまいます。

下の図“骨盤帯 著第4版 医歯薬出版株式会社 2013より引用”のように、手で胸骨付近(図の赤丸)恥骨付近(図の青丸)を触ります。恥骨がわかりにくい場合は、おへその下辺りで大丈夫です。上下の2点が同じ線の上に来るように身体の位置を修正してみて下さい。
上の手(胸骨)が前にある方は、腰を反りすぎていたり、胸を張りすぎている傾向があるかもしれません。
下の手(恥骨)が前にある方は、猫背気味になっていたり、ぽっこりお腹になりやすい傾向があるかもしれません。

IMG_0335のコピー

先ずは上記の2点がどの位置にあるかを気がつく事が大事です。
そこから姿勢を修正する方法ですが、基本的には前に出ている手を後ろに戻すように意識する事で理想的な立位姿勢に近づく事が出来ます。
2点の位置をだいたい同じ線上に位置する事が出来たら、2点の前後の位置は変えずに2点の上下が離れるように伸びるように意識してみて下さい。以前の記事でも書きましたが、背骨は反るのではなく、伸びるイメージを持つ事が大切なんです。伸びる意識が働くと、下腹部にも少し力が入る感じがすると思います。その状態は適切にインナーマッスルが働いている証拠になります。
慣れてくると、歯磨きや通勤電車の待ち時間などでもふとした時に上記の方法で姿勢を修正する事ができるようになってきます。

横になって行うセルフチェックとセルフケアの方法

上記のように立って姿勢を修正する方法もすぐに行えるセルフケアとして有効だと思います。猫背姿勢、ぽっこりお腹の姿勢は、お腹の凝りが原因となる事があります。長時間のデスクワークなどで背中を丸めて作業している事が多いとお腹は凝りやすくなります。
そこでお腹の凝りのセルフチェックとセルフケアの方法をご紹介します。
①仰向けになります。
②みぞおちを軽く押してみて下さい。みぞおちを指で1〜2cmくらい押し込めない人は、みぞおち周りのお腹が凝っている証拠です。
③セルフケアとして仰向けになった時にみぞおちに指先を当てるようにしてふるふるっと優しく揺らすようにしてお腹の凝りをほぐすようにしてみて下さい。少しお腹が柔らかくなる感じがすれば効果があります。30秒程度ふるふるっとお腹を揺らすようにするとお腹が柔らかくなってくると思います。
就寝前や少しリラックスできる場面で行ってみてください。
“快眠バイブルふるふるマッサージ&ストレッチ 日経ヘルスケア 2009より引用”

まとめ

今回は、立位姿勢のチェックからセルフケアの方法とその原因の一つになりやすいお腹の凝りのチェックとケアについて記事を書かせて頂きました。
姿勢の変化は、様々な要因が重なって生じます。普段の臨床場面でも、ご自身の姿勢がどのようになっているかを認識していただく事を大切にしています。
先ずは、セルフチェックで自分の今の状態を受け入れる事。その中で、ある部位を過剰に意識していたり、逆に全く意識できていなかったりというポイントが見つかってきます。
理想的な姿勢を常に意識を向けるのは大変だと思いますので、窓にご自身が写った際などに適宜姿勢をチェックするクセをつけて、気が付いたら姿勢を修正してみて頂けると幸いです。

Twitterでもセルフケアについて呟いています。よろしければ、フォローして頂けると嬉しいです。
これからも皆さんのセルフケアに約立つ情報を提供していく様に発信を続けていきます。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。



サポートありがとうございます。 https://twitter.com/Ikes_Selfでもセルフケアに関する情報発信を行っています。合わせてフォローをよろしくお願いします。何かご質問などありましたら、お気軽にDM頂ければと思います。