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現場からみた「CPC」

「CPAが高いので、CPCを落として改善しますね!」「CVRを改善し、CPCを抑えます。」ネット広告業界の現場では、こういった会話が起こっている。ほとんどのクライアントは案外、この言葉の違和感に気づかない。CPCってなんなんだ。

1.Cost Per Click とは

そもそもCPCとは1クリックの価値のことであり、COSTをクリック数で割ると算出することができる。CPAの計算はCPC÷CVRなので、CPCを落とすことで確かにCPAの改善はできるのだ。ただし、CPCを落とすことで様々な弊害がでてくる。まず、広告が掲載されるメディア視点で考えてみよう。
掲載している広告のCPCが低いということは、自分のメディア内にいるユーザーがその広告をクリックした際、メディアに入る収益が低くなる。
そうなれば、メディアはその広告の出稿量を下げて、もっと報酬の高い広告に切り替えることになる。
つまり、CPCを下げると、掲載される広告数が少なくなるわけだ。
次に、広告出稿を管理するアドネットワークの視点から考えよう。
広告を出稿するアドネットワークとしても、出向主がCPCを下げると自社に帰ってくる報酬が下がる。
ただし、メディアと違うのは、設定されたCPCに合うメディアに広告を出稿ができるという点だ。そこを理解するためにメディアの価値について整理しよう。

2.メディアの価値

私が昨日作ったブログと、新垣結衣さんのブログの価値は圧倒的に違う。
具体的に何が違うかというと、PV数が圧倒的に違うわけだ。
価値は新垣結衣さんのブログの方が高い。
まず、メディアの価値はPV数に寄与する。
私が昨日作ったVRに関するブログと、新垣結衣さんのブログの価値は圧倒的に違う。
具体的に何が違うかというと、PV数がこれまた圧倒的に違う。
しかし、私のVRに関するブログの価値が新垣さんのブログに価値に負けているかと言われると、そうとは限らない。
なぜなら、VRに興味関心の高いユーザーのPV数というと、もしかしたら私のブログの方が多いかもしれないからだ。
メディアの価値は指向性にも寄与する。

3.アドネットワークから見たCPC

では、少し話を戻して、アドネットワークからみたCPCの話をしよう。
アドネットワークはクライアントが設定したCPCに合わせた広告出稿先を選ぶことができる。そのため、メディアの価値が低いところは広告掲載しているクライアントが少ない=CPCが低いため、価値の低いメディアに該当広告を出稿する。そうすれば、アドネットワークはCPCが下がったとしても広告の出稿量を減らさずに済むからだ。
では、結果CPCを下げたクライアントはどうなるだろう。

4.現場からみた「CPC」

CPCを下げたクライアントは価値が低いメディアに広告表示をして、広告費を支払い続けることになる。
もう少し掘り下げると、CPCを下げると、CVRが下がる。
CPAの計算式はCPC÷CVRなので、
「CPAが高いので、CPCを落として改善しますね!」という会話は成立しない。
伝えたかったメッセージとしては、現場では上記のような会話が"頻繁に"行われているということだ。

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