見出し画像

【イタリア】 記念すべきワクチンDay


カトリックの聖地イタリアのクリスマス

一年の内で、最も重要で盛大な行事が
「ナターレ」(誕生の意)と呼ぶクリスマスである。

24日の夜に、教会のミサに参加し、
午前零時になった瞬間に、
キリスト誕生を祝い祈りを捧げる。

画像3

画像2

キリスト誕生を模したジオラマ。日付が変わると共に、
中央に赤ちゃんのキリストが現れる。



25日の昼に家族揃って食事を行う。
マンマの作った手料理に舌鼓を慣らし、
子どもたちはサンタからのプレゼント、
大人たちもそれぞれに贈り合う。
ケーキも食べて満腹になったら、
消化のために散歩するのもよくある光景。
一日を通して至福のひとときを、じっくり過ごすのが恒例だ。

画像1


しかし、今年は新型コロナウイルスの影響でそうもできない。



イタリアは、地域ごとに3つの色に分けて規制を行ってきた。
ロックダウンがレッド、中間がオレンジ、そして、
飲食店の店内食事が可能なレベルは、イエローゾーンで、
多くの地域がこれに属していた。

それが、24日クリスマス休暇に突入し、
全土でレッドゾーンへ一斉変更。

基本的に、普及不要の外出はしない。
外に出るためには、「自己宣誓書」を持参しないと、
罰金€400〜1000(日本円で5万〜12万円相当)となる。

買い物は事前に済ませておいて、
少人数で過ごすことを推奨している。

そして、年末年始にも規制は続き、
日によって、レッドやオレンジの措置をとっている。
多くはレッドとなり、
第三波を恐れて、レベルを上げ強化している。



クリスマス帰省内容

画像4

クリスマスや年末年始の帰省については、
あらゆる指示が政府から発表された。

◉ 実家に帰省すること
 住民登録している住所、生活拠点になる住居、
 合法的な移動理由がある場合は可能。

◉ 友だちや親族に会いに行くこと
 州をまたいで行くことは禁止。
 州内なら、最大2名で家を訪ねることができる。
 ただし、1日に1回、5時〜22時の間で。
 子どもや介助が必要な人を同行することも可能。

◉ 観光目的の移動
 オレンジ色に指定された日(12月29、30、1月4日)は可能。
 ただし、同一の自治体内で、県都への移動は禁止。

さらに、セカンドハウスへの訪問は除外、
パートナー宅への訪問は例外もあるなど、
人によって変わってくるため、
外出する際の宣誓書に証明するものを
合わせて持つ必要がある。


では、実際にどのように行動したのか、
友だち(夫婦と9歳の娘)家族の例を見てみよう。

25日は一日中、近所にある実家を訪問し食事と団欒。
26日祝日は、夫の両親宅へ訪問するも、昼食のみで退散。
入れ替わるように、夫の弟夫婦が両親を訪ねた。


つまり、いくつもの家族が一つ屋根の下に集まることができない。
時間内に会うために、昼と夜に分けて挨拶し合ったとか。

各々、工夫を凝らして恒例の儀式を行ったのであろう。
我が家はというと、隣に義母が住んでいるため、
例年と同じように、義母の手料理を味わった。

毎年、年末年始はレストランの仕事が
カレンダーに関係なく入っていた。
むしろ繁忙期に当たるため、
帰宅が遅くなることもしばしば。
どちらかと言うと、パーティを支える方だった。
今年は、コロナのおかげで家族水入らずで過ごせた。
これは、幸せなことなのかもしれない。



12月27日の記念すべき日


あっという間にクリスマスが終わったが、
イタリアはすぐにツリーを片付けることはない。
これが、1月6日まで続くから、
もう、いくつ寝ても
クリスマスソングがあちこちから聞こえてくる。
不思議な現象に聞こえるだろう。

ドイツとイギリスに住む幼馴染に聞いても、
変わった文化だと言われるほど。


さて、27日である今日は、
イタリア全土で大きなプロジェクトがあった。
それが、タイトルにあるように、


「V − Day」=ワクチンの日


新型コロナウイルスのワクチン接種が全地域で正式に開始された。
アメリカの大手製薬社ファイザーなどによって手掛けられたもので、
記念すべき一回目のワクチンは、
11万6000本が、ローマから全土約300ヶ所に配布。
最前線で治療やサポートを行う人々に投与された。

私の住む街は、フィレンツェから、
警察のパトロールに付き添われて
今朝、わずか45個のワクチンが到着。
さっそく、医療従事者に投与された。


明日、28日から実際の投与が始まり、
毎週約47万回行われる予定で、
9月までに終了を見込んでいる。


3月のロックダウンから9ヶ月。
ついに、イタリアにもワクチン接種が始まった。
当初、1年はかかると言われていたが、
早かったのかもしれない。


とはいえ、変異したウイルスもあり、
気を緩めることはできない。

現在のロックダウンは、
イタリアのクリスマス期間を終える6日までの予定だが、
政府は、延期を検討しているようだ。



日本は、これから年越しの準備に入る。
外国で暮らす日本人たちも、
年越しそばやお雑煮、おせちの用意をする人もいるだろう。
私も、時間に余裕がある今回は、
一から手作りで取り掛かろうと思うが、
買い物に行くことさえ躊躇してしまう。

充分な量の食材を購入しておいたので、
それで間に合わせる方が賢いのかもしれない。
もう少し、大掃除しながら考えるとする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?