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正岡子規『はて知らずの記』#26 八月十二日 本荘→道川
(正岡子規の『はて知らずの記』を紹介しています)
熱い。痛い。早めに投宿。
十二日、朝市の中を過ぎて
出で立つ。
生肴、焼肴、野菜、果物など
路のべにならべて、
婦人、そを鬻ぐなり。
一籠の こき紫や 桔梗売
初秋の天、
炎威、未だをさまらず、
熱さは熱し。
昨夜の旅草臥、猶いえずして、
足のうら、
痛さは痛し。
熱さと痛さとに攻められて、
ここが風流なり。
六里の道、
やうやう道川にたどり着きて、
日、猶高きに、
宿りをここに定めぬ。
六里は約二四キロメートル。
道川
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