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正岡子規『はて知らずの記』#00 目次

(正岡子規版『奥の細道』ともいえる紀行文『はて知らずの記』の本文を紹介します。鉄道を使った明治時代の『奥の細道』、33日間の夏の東北旅行の記録です。)


概要

『はてしらずの記』は、明治二十六年七月二十三日から九月十日まで、新聞「日本」に二十一回にわたって連載された俳諧紀行文である(後にこれに推敲を加えて『増補再版獺祭書屋主人俳話』として明治二十八年九月五日に発行された)。実際に旅をしたのは同年、七月十九日から八月二十日までであり、旅をしながら並行的に旅先から記事を書き送ったが帰京後に書かれ、「日本」新聞に発表になったものもある。子規は「日本」新聞の記者であったから、この紀行文は「日本」新聞社の社員の仕事として書かれたものである。その発表のスタイルからいうなら「新聞連載紀行文」とか「同時並行的紀行文」ということもできよう。(黒沢勉「子規のみちのくへの旅(一):『はて知らずの記』をめぐって」『医事学研究』19巻 2004)

当時の鉄道路線図
藤田定勝編『鉄道旅行各地商業案内』伊勢斎助 1893

鉄道が無いところの移動手段は、徒歩・川舟・馬車・人力車です。

目次

01 旅立
02 七月十九日 上野→宇都宮
03 七月二十日 宇都宮→白河
04 七月二十一日 白河→須賀川→郡山
05 七月二十二日 郡山→本宮→南杉田
06 七月二十三日 南杉田→二本松
07 七月二十四日 二本松→福島
08 七月二十五日 福島→飯坂温泉
09 七月二十六日 飯坂温泉
10 七月二十七日 飯坂温泉→仙台
11 七月二十八日 仙台
12 七月二十九日 仙台→塩釜→松島
13 七月三十日 松島→岩切→仙台
14 七月三十一日 仙台(南山閣)
15 八月一日 仙台
16 八月二日 仙台
17 八月三日 仙台(南山閣)
18 八月四日 仙台(南山閣)
19 八月五日 仙台(南山閣)→作並温泉
20 八月六日 作並温泉→楯岡
21 八月七日 楯岡→大石田
22 八月八日 大石田→古口
23 八月九日 古口→清川→酒田
24 八月十日 酒田→大須郷
25 八月十一日 大須郷→本荘
26 八月十二日 本荘→道川
27 八月十三日 道川→秋田→一日市
28 八月十四日 一日市→秋田
29 八月十五日 秋田→大曲
30 八月十六日 大曲→湯田
31 八月十七日 湯田→黒沢尻
32 八月十八日 黒沢尻
33 八月十九日 黒沢尻→水沢→(汽車)
34 八月二十日 (汽車)→上野

凡例

  • 句点を適宜くわえた。

  • 改行を適宜くわえた。

  • なるべく常用漢字に置き換えた。

  • 句や歌の五・七の切れ目に空白をくわえた。

  • 日付によって頁を分けた。

  • 頁の頭に要約をつけた。

  • 主に、どこに行ったかを解明する観点から、脚注をつけた。

参考資料等(旅程全般に関するもの)

正岡子規『子規全集』第13巻(小説・紀行)講談社 1976
正岡子規『子規全集』第18巻(書簡1)講談社 1977
正岡子規『子規全集』第22巻(年譜・資料)講談社 1978

図書
河東碧梧桐『子規の回想』昭南書房 1944
工藤寛正『子規のおくのほそ道『はて知らずの記』を歩く』里文出版 2019
森まゆみ『子規の音』新潮社 2017

論文
黒沢勉「子規の旅:「はて知らずの記」を中心として」『医事学研究』13巻 1998
黒沢勉「子規のみちのくへの旅(一) : 『はて知らずの記』をめぐって」『医事学研究』19巻 2004

ウェブサイト
私の旅日記~お気に入り写真館~(https://urawa0328.babymilk.jp/siki/hatesirazu.html
東北の文学碑作者毎の文学碑(http://jintatatu.web.fc2.com/masaokasiki.html
福島の焼き物と窯、戊辰戦争の激戦地を行く(https://blog.goo.ne.jp/teruaki-info


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