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チームで課題を解決する「健康的なデザインレビュー」の実現に必要なマインドセット

全社員合わせて現在100人ほど、内デザイナーは3人のイタンジですが、デザイナー各人の積極的なコミュニケーションや他職能メンバーの理解のおかげもあり、ここ半年間ほどで「チーム一丸となり課題を解決する、健康的なデザインレビュー」の文化が醸成されてきたような気がします。

そして、これからさらに組織が大きくなっていくにつれて、デザインにあまり馴染みのない職能のメンバーも交えた開発や施策立案のシーンも出てくることと思います。

来たる未来でも、今、行えている「健康的なデザインレビュー」を継続していけるよう、実現するために不可欠なマインドセットとポイントのようなものを、自分たちへのメッセージ的に書き留めておきます。

「健康的なデザインレビュー」は、新たな視点でアイデアをブラッシュアップさせる

IT系のスタートアップにおいてデザイナーがデザインするものは、UI、広告クリエイティブ、営業・セミナー資料などなど様々です。

そして、そのデザインのアウトプットは、プロダクトオーナーや企画の責任者などの承認を得たのちに実装・リリースされるのが一般的かと思います。

もしかすると、デザイナーが十数人いて部署として独立している組織もあるかもしれません。大手メーカーなどは独立していることが一般的かもです。

いずれにせよ、デザイナーが出したアイデアには誰かの確認がつきものです。

バナーやUIの一部分を改修する際などの比較的ボリュームとスコープが小さいものについては、複数案から選ぶ。
LPまるっと新設や提案資料のスライドなどボリュームのあるものについては、1案をベースにたたいて昇華させていく。

イタンジではこれらのやりとりを「デザインレビュー」と呼んでいます。

担当デザイナーが提案した案がそのまま通って実装・リリースされることはめずらしく、ほとんどの場合、Slack上で質疑応答とコメントの検討・反映を経て、何度もブラッシュアップを繰り返し、磨かれたデザイン案になって確定していきます。

このとき、担当デザイナーが気づかなかった要素や視点をレビューする側が提供して、デザインが何段階も課題解決に適したカタチにアップデートされていくようなやりとりを「健康的なデザインレビュー」と私は勝手に思っています。

逆に「誰の頭にも落としどころが思い浮かんでいないまま、部分的な批判が繰り返され、皆の意見がばらばらに発散して収集がつかないような状態」は健康的ではないと思うのです。


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新たな視点を産むには「デザイナー以外のメンバーを巻き込む」&「目的を明確にして共有すること」が不可欠

経験上、デザインレビューが批判の渦に陥らずに健康的なスパイラルアップをするには、抑えておくべきポイントが2つあると実感しています。

1つ目が「デザイナー以外のメンバーを巻き込むこと」

これによって、他の職能視点で見た意見や懸念点などを得られます。

例えばUI改善であれば、次のような示唆を得られることが多いです。

エンジニア
=> 技術的にできないこと。逆に、もっとできること。動的な振舞いでの要件の見落とし。など
企画、カスタマーサクセス
=> その業界・市場での標準値やトレンド。オペレーションで蓄積されたリアルなユーザーの声。など
マーケター、コンテンツプランナー
=> 消費者目線で、文言の訴求力や価値の伝わりやすさ。など


これらは「デザインする前にヒアリングしておけばよいのでは?」と思われるかもですが、事前のヒアリングで得られる「課題観・要件」とデザインカンプなどで実際に見える化された状態でディスカッションするからこそ得られる「気づき・意見」は、それぞれ異なる解像度の検討材料だと考えています。そして、デザインを進める上ではどちらも必要不可欠です。

ただ、デザイナー以外のメンバーから有効な意見や示唆を得るためには必ずセットで抑えておくべきポイントがあります。

それが、2つめの「目的を明確にし、共有すること」です。

「このデザインはどんな課題を解決するために行っているのか」目的を明確にして、メンバーに共有し、同じ課題観と視野をもつことではじめて、そのメンバーの持っている視点を充分に活かした考えや意見が得られます。

また「明確になった目的 = デザインの判断基準」となり、メンバー全員でデザイン案を選ぶことができます。


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「1コメント+1アイデア」がディスカッションを前進させる

デザイナー以外のメンバーを巻き込み、目的を明確にして共有して、新たな視点が産まれたとしても「ここがよくない気がする」や「ここがわかりづらい」などの感想が飛び交うだけではデザインはアップデートされずにチーム全員で頭を抱えるだけです。

健康的なデザインレビューでデザインをブラッシュアップしていくための最後のポイントが「1コメント+1アイデア」です。

例えば、

「この部分は他ページと同じ見た目なのに異なる挙動でユーザーを混乱させてしまうかもしれないので、ここの表現と揃えてあげるのはいかがでしょうか?」

など「自分が気になった点」+「それを自分ならどうやって解決するかの代案」をセットで示すことで、担当デザイナーも新たな視点を得て思考を続けることができます。


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まとめ

健康的なデザインレビューは、新たな視点でアイデアをブラッシュアップさせる
新たな視点を産むには、デザイナー以外のメンバーを巻き込む&目的を明確に共有することが不可欠
「1コメント+1アイデア」がディスカッションを前進させる

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