【感想】DIE WITH ZEROはみんなの人生を本当に変えてしまうかもしれない本だった
みなさんは人生をなんのために生きていますか?
仕事?家族?はたまたお金?
改めて聞かれると「なんのために生きている」のか明確に答えることは難しいかもしれない。いや、めちゃくちゃ難しい。
私は日々一生懸命生きている中で、家族、友達、同僚との時間を大切にしながら、市場価値は落とさず、働き続けたいと思っている。でもなんのためにと言われると全く分からなくなってしまう。
人生で一番大切なことは、思い出を作ることだ
そう書かれたこの本は、私たちがうっかり忘れてしまいがちな生きる意味を与えてくれて、考えさせてくれる。
やりたいことを先送りしない、今を生きることの大切さと、無駄な時間を過ごさずに生きるべきだということを教えてくれる、そんな本でした。
自動運転モードで生きていないか?
普段の生活を振り返って、どのくらいの時間を考え、自分の意思で、何をするか決めて生きているだろうか。
なに言っているんだ、全部に決まっているだろう!と憤る人もいるだろうが、振り返ってみると結構な割合で、習慣で動いていることが多い。
リモートワークじゃ無い日は朝出て毎回同じ自販機で水を買い、よほどのことが無ければ、同じ場所でランチを食べる。仕事も考えることが必要な場面ではもちろん考えて動いているけど、それ以外は習慣に沿って、判断を下しているような気がする。
感情も大きく動いていない、まるでベルトコンベアーに乗っているような時間は確かに存在している。
そう、「自動運転モード」で生きている場面は思ったより多いのだ。著者のビル・パーキンスはこう言う。
全く持ってその通りである。ついついラクな方に逃げてしまいがちだ。もちろん常時自動運転モードをOFFにしておくのは無理だろう。心が死んでしまう。
だけど、Youtubeで動画をダラダラ見たり、Webページを意味も無くブラウジングしている時間、必要の無い仕事をしていたりすることは止められるはずだ。
この自動運転モードを出来るだけ減らして「思い出を作ること」が何よりも大事だとビル・パーキンスが教えてくれる。
人生で一番大切なのは思い出作り
当たり前に聞こえるかもしれないが、私も含み、この本を読むまで「思い出作り」を最優先に生きていたとは到底言えないと思う。もしかしたら私だけそうなのかもしれないけど、どの道最優先には生きていない事実はある。
「人生でしなければならない、いちばん大切な仕事は、思い出作りです。最後に残るのは、結局それだけなのですから」
この言葉は、ビルが言うようにうっかりするとその場で共感して終わってしまう。だけどビルが経験したことを読むと、到底そうは思えない。
ビルのお父さんが晩年肉体的に衰弱してしまった際に、旅行の代わりにと父の学生時代のフットボールの写真をデジタル化して渡したそう。これはとても喜ばれたそうだが、人生の最後に当時の思い出を再体験して、誇り、喜び、甘酸っぱい記憶に浸り楽しむことはいくらでも出来るのだ。
みんなにも想像してみて欲しい。今でも昔の写真を見たら、楽しかったり、悲しかったりする思い出が頭を埋めつくす時があると思う。その思い出はいつまでも色褪せることは無いし、自分しか分からない素晴らしい世界なはず。思い出の数と濃さが人生にとって1番大切だと気が付かせてくれるものだと認識出来るはず。
さらにビルの若い頃の話で1つ紹介をしておきたい。ルームメイトだったジェイソンはお金も無いのに仕事を3ヶ月休みバックパックに出ると言い出した。これを聞いて頭がおかしいと思ったビルだけど、それだけじゃない。1万ドルという大金を高利貸から無担保でお金を借りて行ったのだ。
こんな無茶なことを友達に言われたら私も間違いなく「あいつはバカだな」と思う。そんなことをして何の得があるか分からないし、だいたい損なことしかない。
でも結果は全く異なった。90年代でインターネットが発達していなかったこともあるが、ジェイソンが見た景色、経験談は秘境を旅した人のようだったのだ。歴史を感じ、その時の出会いでワインを飲み、現地でしか味わえない文化とも触れ合った。そしてジェイソンは核心を付く。
そうジェイソンが体験したことはどんなに大金を積まれても消そうと思わない経験を手に入れた。しかもそれに適した年齢で行ったからこそ得られたのだ。40代になって、同じ旅はおそらく出来ない。20代だから上手くいったのだ。
今出来ることを今やる
ジェイソンが体験したことのように出来ることには適齢期がある。陸上競技などのハードな運動は若い頃しか出来ないけど、ゴルフなどはある程度高齢になっても出来るだろう。同じ失敗をしても新卒の頃と30代では払う代償も変わってくるかもしれない。人生には出来ることの適齢期があるはずだ。
だから先延ばしをしている場合じゃないのだ。今出来ることを今やるべきなのだ。でも実際には生活をしないといけない。嫌なこともやらないといけないのが生きるということ。この辺りもあらゆる話でビルは教えてくれる。
基本的にこの本は死ぬ時に資産0円で死ぬべきだと言っているのだが、分かりやすいストーリーで、エリザベスの話をしたい。
エリザベスは銀行に勤めていて、マイホームを持っている。65歳で順調に貯金もして32万ドルを貯め、家の資産と合わせて77万ドルを保有している。85歳で亡くなるとして毎年3万2000ドルを消費すると、13万ドルを残して死ぬことになるが、そうすると13万ドル分の経験を逃して死ぬということになる。更に驚くのは、働いていた頃の時給を考えると2年半以上は働かなくて済んだことになるのだ。
使えもしない資産のために無駄に長く働き、更にその分の経験を逃したことになる。そんな悲しい末路があるもんかと思う。
こうやって計算を積み上げてみると、私たちも自分たちのやりたいことをしっかりと棚卸しして、やりたいことの積み上げを行えば、無駄に働く必要も今を頑張る必要もないのかもしれないと感じさせる。
いや間違いなくそうなのだ。自動運転モードで生きている限り、なんとなく働き続け、本当は得れた経験が出来ずに、なんとなく後悔して死ぬのだ。みんなそうしてきたように。
そんな人生でいいのか。
そう考えると今すぐ動き、そして動き続けることを決意する本だった。
よし動こう。
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