記憶の方法
今日は若手の稽古を見てあげていました。
まだ台詞が入っていないので、読み稽古と台本を持っての荒立ちという稽古です。
いかに早く台詞を覚えられるかは、役者にとって重要な能力の一つだと思っています。
台詞の覚え方は人それぞれで、マーカーを引いたり、スマホに録音したり、動きながら喋ったりといろいろあります。
最近読んでいる「独学大全」という本によると、記憶方法は主なもので46通りあるとか!
自分も若い頃、モリエールの作品で、言い回しがあまりにも異なるので中々覚えられなかったことがありました。
だから、カセットテープに自分の台詞以外を録音して、車の運転中とかに聞いていました。
20年以上前ですが、今だに少しは覚えています。
演劇では昔から「一度覚えた台詞は忘れろ」と言われます。
これは、舞台で予定調和にならないよう、何度目の公演でも、初めて喋るように台詞を言いなさいという戒めが込められています。
同じことを何度も繰り返す演劇では、台詞の新鮮さが何より求められます。
何よりも頭で「次の台詞はこれだ」なんて考えていると感情が動かないからです。
役者の仕事は、舞台上で感情を動かすことです。
生身の人間が発する感情の熱量に、観客は心を動かされるからです。
今はスマホを始めて、様々なガジェットがあります。
記憶法とそれらを利用して、台詞覚えを効率よくできないかなと考えています。
サポートして頂けると、クリエイター冥利につきます。でも、決して無理はなさらないでください。