レオパレスの決算から考える業績回復の可能性

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
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今日見ていくのは株式会社レオパレス21です。
過去記事:レオパレスの決算から考える倒産の可能性

さて早速ですがこんなニュースがありました。

レオパレス、全事業見直し 施工不良で赤字241億円
 賃貸アパート大手レオパレス21は7日、施工不良問題を受け、事業戦略を抜本的に見直すと発表した。全事業を対象に縮小や撤退、他社との提携を選択肢に含めるとしている。同日公表した2019年4~12月期連結決算は、純損益が241億円の赤字となり、業績回復を急ぐ。
 レオパレスはアパートなどの賃貸や開発といった事業を手掛ける。それぞれ社会的意義や将来性を分析した上で強化する分野も検討し、4月をめどに結果を公表する方針。外部の専門家の知見を取り入れ、株主からの提言も歓迎するという。
 19年4~12月期は施工不良問題の影響で賃料収入が減り、物件の改修費用もかさんだ。

どうやら大赤字となってしまったようです。
今回は今後業績は回復するのかについて考えていこうかと思います。

さてそれでは早速こちらの記事をご覧ください。

画像1

この資料を見てみると前年度の赤字と、今年の赤字とでは質が変わってきていることが分かります。

昨年度は営業利益の時点では黒字ですが、施工不良問題の発覚によって特別損失を計上することとなり赤字になってしまった事が分かります。

しかし、今年は営業利益の時点で220億円もの赤字を出してしまっています。つまり本業の営業活動で利益を出すことが出来なくなってしまったというわけです。

前回の記事に書いたのですが施工不良の補償を含めるとレオパレスの財務状況は楽観視出来る状態ではありませんから、本業が回復しないと本当に倒産の可能性すら出てきてしまいます。

続いてこちらのレオパレスの入居率の資料をご覧ください

画像2

施工不良問題発覚以後右肩下がりだった入居率が2020年の1月に初めて上昇に転じていることが分かりますね。

レオパレスの未来!!

この入居率の反転が業績回復のきっかけとなりうるのでしょうか?

私は業績回復には向かわないと考えています。

なぜ入居率が上昇に転じたかといえば、低価格の賃貸事業がメインだという事が理由でしょう。
住むという事に関しては、安さを重要視する人がメインターゲットの事業なので、入居率が下がり賃料が下がればどこかで需要と供給がマッチするポイントが必ずあると言事です。
例えば、23区内で1K8畳あれば施工不良があれど倒壊するとかそういった話でなければ5~7万円くらいで入居希望者は多いはずです。

つまりレオパレスにしてみれば、その均衡点が2020年1月時点だったのでしょう。

ただしこれには問題があります。
高賃料の物件を貸し出すことが非常に難しいです。
相場と同じ家賃であれば、わざわざ施工不良問題のあったレオパレスに住む理由はありません。
そして何より子供を持つ世帯は、安全性を重視するので住むことを嫌がる可能性が高く、比較的高めの家賃を払ってくれる、高収益率の層を取りこぼすことになります。

つまり、単身世帯で低賃料向けの物件の入居率だけが上がっていく可能性が高く、入居率の向上が収益性の向上に結び付かない可能性が高いのです。

なので入居率は今後もある程度回復するが、収益性は改善せず赤字が続くことを予想します。

とはいえ入居率が90%程度まで回復すれば、十分黒字化できるでしょうからこの反転した入居率がどこまで伸るかに注目です!!

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