いきなりステーキの決算から考える、減損とその未来

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントに絞って説明していきます。
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さて、今日見ていくのは「いきなりステーキ」を運営する「ペッパーフードサービス」という会社の決算です。

ちなみに、いきなりステーキの決算から見る、ブランド分けておくといいよねって話の続きとなっておりますのでそちらも読んでみてください。

面白ポイント:減損って何?それするとどうなるの?

決算書を読むうえで減損への知識は欠かせませんので、今日はその紹介をしていきたいと思います。

まず、減損をものすごく単純に説明すると損失の前倒しです。特に減価償却、のれんの償却の前倒しである事がほとんどです。
減価償却とか、のれんとかわかんないって方は損失の前倒しって思っていて貰えば問題ないです。

減価償却とは?のれんとは?詳しく知りたい方はリンクからどうぞ

例えば「今後3年で10億損失でそう」を「今年10億の損失にしちゃお!」的なのが減損です。

この説明は、正直不十分かつ不適切です。
ですがこのイメージを持っていてもらえれば、決算書を読む上では問題ありません。
会計士や税理士になりたいわけでは無いのですから、正確な知識を入れる必要はないんですね。

正確性を重視しないというのは、物事を習得するうえで効率を上げる重要な手法だと思います。

それでは、実際のいきなりステーキの減損の資料をご覧ください

画像1

減損損失を約18億円ほどだしていますね、つまりこれは将来の損失を18億円ほど前倒ししたよという事です。

では、減損をすると翌期以降はどうなるのでしょうか?

答えは単純で業績が改善します

本来は次の期出るはずだった損失がなくなるのだから当然といえば当然ですね。

具体的にはどのように改善するでしょうか?

まず、今期と比べて単純に減損の分の損失18億がなくなります。

また、減損によって減価償却が前倒しで計上されたので販管費が改善します。

さらには不採算店舗を無くすので、人件費や家賃などの販管費も改善します。

ペッパーランチ部門は堅調ですし、いきなりステーキも利益が全くでないという事ではないので、不採算店舗をやめれば、来期は業績回復、基本的には黒字化すると見ていいでしょう。

ですが来期黒字化したからと言って気をつける必要があるのが、今期損失を前倒ししただけで本質的には赤字というパターンかもしれないという事です。

大企業が何百億、何千億の赤字を出して、経営陣を刷新したら、翌期V字回復みたいなのがたまにありますが、あれはこの減損をして損失の前倒しをしたからであって、経営者の能力とはあんまり関係ないよっていうのがあるあるなので、注意が必要です。

新経営者のイメージアップ戦略ですね。

いきなりステーキの未来予測!!

決算書を見るうえで経営者のメッセージは大切です。

「急成長を楽しむ、驕る事なく素直な心で社会の公器となる」
第35期基本方針

この言葉が何度も出てくるわけです。この状況でもこの言葉が決算書に頻繁に出てくるという事は、出店を抑えて安定して黒字を出すような経営はしていかないとみていいのではないでしょうか?

しかし国内ではイメージダウンも含め頭打ち感は否めません

そこで海外、特に足がかりを作っている東南アジアで大規模な出店をしていくと私は予想します!!

これからも綱渡り的な経営をしていくことが予想されるペッパーフードサービス、急成長をどこまで楽しめるのか注目です!!

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