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今まで戦争がなかったと思っている幸福な人たち

毎日新聞が「この国はどこへ これだけは言いたい 友情壊す戦争の不条理 漫画家・ちばてつやさん 83歳」という記事を掲載しています。

冒頭には次のようにあります。

ロシア軍によるウクライナ侵攻のニュースを日々、ウオッチしながら、漫画家のちばてつやさん(83)の顔がちらついた。旧満州(現中国東北部)で育ち、終戦後に日本への引き揚げで過酷な体験をした人だ。「あしたのジョー」などの名作を次々に世に送り出してきた一方で、「戦争はしてはいけない」と訴えてきたことは広く知られている。

「ちらついた」の主語はどうやら、この記事を書いている毎日新聞記者の伊藤絵理子氏のようです。私は新聞記者が自分を主語にした記事自体に違和感を覚えますが、それはひとまずおいて、記者は次のように続けます。

聞けば、ウクライナ侵攻を知ったのは入院中のこと。手術の全身麻酔が残っていたのか、ふらつく頭でベッドに横たわっていると、テレビの画面越しに花火のような光と真っ黒な煙が見えた。「戦争が始まったんだ」。ちばさんの意識は、旧満州の自宅を夜逃げ同然に抜けだして戦地を逃げ惑った77年ほど前、まだ幼かった6歳の自分に戻っていた。

「戦争が始まったんだ」?!

いやいやいやいやいや。

あなた、第二次大戦後から今までの約80年間、

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