小学校で教わった「拍手のしかた」

今でもずっと大事にしている教え。

「拍手のしかた」。

小学校に落語家の方が落語を聞かせに来てくださったことがあった。

そのときに、さぁおはなしが始まるぞという時に、その落語家さんは言った。

「みなさん、拍手には『いい拍手』と『悪い拍手』があるんですよ」

「『いい拍手』はね、『高いところで』『速く』『たくさん』たたきます」じゃぁやってみましょう!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!

「『悪い拍手』は、その反対です。やってみるとわかりますよ」

ぱち       ぱち     ぱち    

「ボクはね、『いい拍手』もらえるととっても楽しくおはなしできるんですよ。だからもう一回、『いい拍手』みんなお願いします!」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!


…とまぁ、再現するとこんな感じだったと思う。
とにかく、ものすごくいい拍手が響く中で話が始まり、終わったことを強く覚えている。

子ども心に「これはいい話を聞いた!」と胸に刻んだことも、ものすごくよく覚えている。

こういう、やらなくても別に怒られなくて、やっても特に褒められたりしないけど、でもほんの少しの違いですごく相手を心地よくさせる行動って、なかなか「教わる」ことがない。

しかもこういう行動って、「意識」しないとできなかったりする。

先日、教育実習をした学校を再び訪問して授業見学させてもらう機会があった。

そのときに、「反応することの重要さ」を改めて身に染みて感じた。

私が担当させてもらっていたクラスの生徒たちは「反応すること」にものすごく長けていて、クラス全体に質問を投げかけると7-8割の生徒がその場で声に出して答えを言ってくれたり、おもしろいことを言うと教室がどわっと沸くくらい笑い声を出してくれたりする。本当に楽しいクラスだ。

3人以上の前で何かを教えたことが皆無だった私が、ひぃひぃ言いながらもなんとかやりきって、「なんだかんだ授業楽しかった気がするかも」なんて、ちょっとでも教壇に立つことに対する自信を持って大学に帰ることができたのは、本当にこの生徒たちの「反応」が素晴らしかったからに尽きる。

私は「自分が付き合いたいと思う人」になりたいと思う。
それは、「関わる相手に自信を付けられる人」でもあると思う。

拍手ひとつで、笑い声ひとつで、反応ひとつで、人の中の自信は大きくなる。勇気が出るようになる。

生徒のみんなが、ぜひそのまま大きくなっていきますようにと願わずにはいられない。

そしてわたしだって負けてはいられない。
こんな風に「反応」してもらったことを、忘れないようにしよう。
「反応」することで誰かの自信を増やせる大人になるために。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?