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富士のフィルムケースはなぜ半透明なのか

最近、初めてXP2を買いました。印画紙はILFORDの多階調バライタ使ってましたけどそれも25年くらい前。XP2の存在は知っていました。

・色素画像なのでネガに銀が残らない。ケチ
・色素画像の耐久性はどうなのか
・ダイナミックレンジが怖くてNEOPAN400PRESTOが使えるかボケ

しかし真の理由は、

・手現像できない。ラボに出す→手現像より高い

なんです、結局。

湯河原に来る前、22年前でしょうか、もうフィルムの時代に戻ることはない、暗室も作れない、ということで暗室用品も全て売却してしまいました。

そしてまた時間が過ぎまして。
色々略して結論を記すと「CONTAX T2を年に数回は動作させて機能を維持したい」。それでしばらくは「T2で撮ってみた」シリーズにあるように、ネガカラーを使っていました。気まぐれでポジも。

一番使いやすくて発色も好きだったのは、Venus800。
Natura1600は条件によって合う・合わないがあった。感度が高いので、シャドウが写りすぎて眠くなる場合があったが、晴天下で2段オーバー(=感度400相当の露光)で撮るとシャドウの描写が凄く、しかも色素画像なので白飛びしない。1600を晴天下で2段+?はい、そうです。こんな風になります。

Natura1600、湯河原幕山梅林

これはストロボを入れたかも知れない。

レモン

この建物は、もうない。

建物

神田付近のビル

ビル

この絵はNatura1600でないと難しい(フィルムでは)。+2段。

蕎麦屋

これが、ストロボなしで写るんです。

お稲荷様

以上は2017年頃撮影。
今やそんなフィルムは手に入らず。
そして感度400のフィルムが、

https://www.yodobashi.com/product/100000001007367048/

納期3ヶ月1980円って……1997年頃、渋谷のビックカメラで5本1980円で売っていたあれは何だったんですか、とか言っても誰にも相手にされません。
かつて仕事で使っていたPROVIA 100F、あれ、適度な華やかさがあって好きだったのですが、

https://www.yodobashi.com/product/100000001001704220/

バラで買っていなかったこともありますが、確か1本800円しなかったような気がするんですけど。

もーええ、モノクロで。

https://www.yodobashi.com/product/100000001000665850/

Tri-Xが2900円とな?3倍くらいになってないかい?

で、ふとXP2を見ると、

https://www.yodobashi.com/product/000000115202000101/

かつてを思えば1510円を安いとは思わないですが、今となっては。
オリエンタルがもっと安い感度400のモノクロネガを出しているようですが、色素画像の方がダイナミックレンジが……

「お前25年前に言うとったアレは何やってん?」

いいんですとにかく、これはT2の「動態保存」のためなのですから。
機械の動態保存ってお金かかるなー、大井川鐵道はそれが「主力商品」になってるからわかるけど、東武とかJRとか、よくやるなー。桁違うけど。

CONTAX T2 ILFORD XP2


でも、いざT2に詰めてみると、思ってしまう訳ですよ。「カラーである必要のない対象を撮りたい」と。
今日、小田原で1本撮ってきました。1本かショボいな、いや2時間しかなかったので。OM-1でも撮っていたので。言い訳多いな。カラーで、しかも桁違いに性能の高い感光体(撮像素子)を持っているのに、30年前のカメラにモノクロフィルム詰めてるのって、何?東武スペーシアXに乗って日光に行って「SL大樹」に乗るようなものでしょうか。

XP2、もう1本持ってます。何か撮りたいですが、湯河原ってカラーなんですよ、湯河原って。なんでかな、わからない。

で、そんな話はもういいので、タイトルの「富士のフィルムケースはなぜ半透明なのか」。

今もそうだと思いますけど、コダックのフィルムケースって、黒なんです。
XP2も、写真の通り、黒です。
パトローネに詰めてあるとはいえ、感光性のあるものですから、黒いケースに詰めるというのは、合理性があるような気もする。気もするけれど、じゃあどういう時に役に立つの?と問われると、分からない。というか、富士の半透明のケースで困ったことなど一度もない。

なぜに富士は半透明?

「そこが富士なんです」

好みにも寄りますけど、富士のフィルムって、微妙なところが結構ありました。例えば25年前、NEOPAN 400PRESTOは、Tri-Xより安いけど、コントラストはTri-Xの方が高い(ような気がする)とか、NEOPAN SS(135)より圧倒的に綺麗(なような気がする)PlusX125とか。
ところが富士の方が「フィルムの箱が空けやすい」とか、ブローニーだと「撮影後に封をするシールが使いやすい」とか、いかにも「日本人ぽく工夫しました」みたいな雰囲気があって、いやそこちゃうやろ、とツッコミを入れながら、価格の安さもあって富士を使っていました。

フィルムケースが半透明、ということは、その中に、
(1)入っているフィルムの種類が見える
(2)撮影済みか未撮影か分かる
というメリットがあります。
あと、富士のフィルムケースは蓋に出っ張りがないので「大量に並べたときに並べやすい」。

でも、今、実はフィルムって、それなりに売れてるんです。カラーネガ。富士。なぜか?
あちこちの教育委員会で、中学校の修学旅行に「スマホ禁止」なのだそうです。でも写真は撮りたい。それで、5月6月の修学旅行シーズンになると、県によっては「写ルンです」が品薄になるのだそうで。
あと、チェキのフィルムも、あれはあれでニーズがあるようで。
地下アイドルの「生チェキ」とか。
「いやチェキは印画紙やろ」。そうかもしれない。

※2024/3/10補足
小田原・湯河原のXP2を追加しました。

奈良のXP2もあり。

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