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高齢者のリハビリは「闇が深い」

すいません^^; 

最初に白状します

ちょっとタイトル過激にしてみました。

というか書き終わってみて、そんなタイトルじゃないな、と思ったんですが、そのまま行きます。

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今まで4年間病院で高齢者医療に従事、今も週に1回老健で業務していて共通して難しいなぁと思うことがあり、

最近私の身近なラグビー部の大先輩が天国に旅立たれて、思うことがあったので、文章にしました。

つい1、2年位前までだったかな、

ラグビーのレフリーをされる方で、僕もお世話になっていて(私も一応レフリー。笑)、

まだ元気に、とはお世辞には言えませんでしたが、OB会や機会があるごとにグラウンドに顔を出していただいて20分ぐらいレフリーをされて、後半や体力的にきつくなったら私に交代という形をしていました。

名称未設定のデザイン

(80歳の方がラグビーのレフリーですよ?すごくないですか??)

その時はお体の不調のことを私は存じ上げず、ほんとによくその年齢でラグビー場を縦横無尽に体が動くなぁと感心していたのですが、改めてすごさを感じることになりました。

ADLはあんまり関係なかった。

話は元に戻しますが、

私は普段整形外科クリニックに勤務しながら、週に1回老健での入所、通所リハ、クリニック内での通所リハの業務をしています。

そこでやはり「高齢者のリハビリ」というのは難しいなぁと思うのです。

それは何も運動機能の問題ではありません。

むしろ運動機能を解決することで全部が解決するなら話は簡単なのです。

「ゴール設定ができない」のです。

非常に簡単に言ってしまうと、

「なんのためにリハビリをしているのか」

というのは更に言ってしまうと

「なんのために生きているのか」

という問題にあたってしまいます。

以前Twitterでも「リハビリ拒否」の話がありました。

この「拒否」の問題、高齢者をよく担当するセラピストの間では日常茶飯事なのではないでしょうか。

私も以前病院に勤めていたころはよくありました。

結局のところ「家に帰るため」とか「家族の負担を減らすため(介助量軽減目的)」とかリハ職なりのゴールを設定しても、

そこから「家帰ったからなんなの?」といった具合に本人にはそのモチベーションが全くない、というパターンも経験しました。

もちろんこれは「術後早期で痛みが強く今はリハビリをしたくない」などの話はもちろん十分に注意しなくてはいけませんが、モチベーションのありかはどこか、と言う話は非常に困難が多いものでした。

そういう意味では「大腿骨頸部骨折、圧迫骨折」などに代表される高齢者特有と言っていい外傷疾患の人はそのモチベーションの在り処を探すことが難しく、

対して慢性疾患といっていいのか、「人工関節系」は痛みの先に「あれがやりたい」「これがやりたい」とゴールを明確に設定しやすい違いがありました。

そこまではっきりしていたらあとはこちらの提供することは「理学療法だけ」で済むのですが、根本的なモチベーションがない人というのはなかなか我々が提供するには困難なものがあります。

結局いまの通所リハなどで比較的ADLが自立してる人でも同じ問題に当たることとなりました。

つまりは通所などで通っって来て、「今その機能が維持・改善して何になるのか?」ということです。

リハビリテーションの最終目的。

結局「人生の最終目的は何か」という問題にたどり着いてしまいます。

大抵の人はモチベーションを引き出すのに問題ないのですが、

「あっちが痛い」「こっちが痛い」と

難渋といいますか、あまりこちらの理学療法の提供に反応が悪い人を経験します。

例えばスポーツ選手では真逆のことが起きます。

あっちもこっちも痛い、はず、なのに

「練習しないと」「試合にでないと」と、

医療者の前、トレーナーの前にくることがないことも経験します。

その問題を解消できれば

結局あとモチベーションの問題をクリアできれば

あとは必要なのは環境だけであって

通所などの介護分野はその環境の選択肢の一つでしかないとなるわけです。

冒頭に上げたOBの方はがん性疼痛もあって大変だったと聞きました

ですが、私がみたときはそんな表情は一切なかった。

OBとしてラグビー部に顔を出すというのが本人にとっての何よりの生きるモチベーションだったのだと思います。

そういったモチベーションは正直、いち理学療法士が作り出すことは非常に困難であると、感じています。

もっと言ってしまえば理学療法士の仕事ではない、とも感じています。

それは今は置いておきましょう。

結局「『リハビリテーション』と『理学療法の乖離』」

これは高齢者医療における永遠の課題になるのではないかと思います。

そのギャップを根源にまた

「理学療法士が介護士とやってることが変わらない」など

いろんな議論が起きるのだと言えると思います。

それはまた今後機械があれば記述してみたいと思います。

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