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自己紹介(続き)世界→日本の地方へ→世界へ

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世界を飛び回る仕事から日本の地方へ

国際開発コンサルタントの仕事をしていた時、専門分野が地域開発・地域保健だったので、プロジェクトサイトは、途上国の僻地と言われる場所でした。電気・ガス・水道などの基本的なライフラインが整備されていなくて、病院や学校まで歩いて1時間以上・・という場所ばかり。でも、現地の人たちは力強く生きていました。

ただ、開発支援をしている中で、どの地方にも共通して開発の妨げとなっている・・と感じた大きな課題があります。それは、「頭脳流出」。途上国では、都市部と地方の経済格差がひどく、家族を養える程の仕事がないという理由で、多くの優秀な若者が都心部もしくは海外へ出稼ぎに出ていました。例えば、地方での医師不足は深刻で、最低限の医療サービスさえ受けられないことが大きな問題となっていました。父親や息子が海外に出稼ぎに出ていてなかなか会えない・・・という声をネパールやベトナム、フィリピンでも多く聞きました。

国連の開発目標である『持続可能な開発目標(SDGs)』の中には、「経済成長と雇用」という項目があります。「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」ことが掲げられています。

持続可能な開発のためには、その地域に根差して働く「人」の存在は欠かせないと実感したのですが、途上国の地方では、「人」の流出が発展の妨げになっていると感じました。

日本国内でも「頭脳流出」が大きな課題に

私自身、途上国での地域開発から日本国内の地方創生に関心がシフトしたきっかけは、『夕張市の財政破綻のニュース』でした。

インドネシアに1年間赴任していた時に耳にし、ショックを受けたことを覚えています。日本の地方では少子高齢化が進んでいるというのは知っていましたが、まさか財政破綻する行政が出てくるなんて・・・と驚きました。そして、地方から都心部への人口流出の加速も進んでいると知り、自分自身も人口流出の一端を担っていることに気づいたのです。

「頭脳流出」という課題は、日本の地方でも同様に深刻な問題となっています。香川県では、高校卒業後に約8割は県外に進学・就職し、そのうち、戻ってくるのは2~3割。20~40代の人口割合は全国平均以下、特に20代の人口割合は全国平均を大きく下回っています。そのため、地元企業の人手不足は深刻です。最近では、人手不足倒産という言葉が使われるようにもなり、「頭脳流出」は企業の衰退・倒産に繋がる深刻な問題となっています。

途上国のへき地から日本の地方へ

故郷である香川に恩返しできないまま、この仕事を続け、一生を終えるのかと悩むようになりました。でも初めのうちは、香川県に戻ってくることは想像すらできませんでした。当時は、香川県の求人サイトは限られており、語学やコンサルティング経験など、国際協力での仕事を活かせる仕事は香川には無いと決め込んでいたのです。

そんな折、父からこんな話を聞かされました。「香川県では若者が次々と県外に出てしまっている。若者が働きたい、暮らしたいと思えるような地域づくりをしていかないといかん。そのためにも、求人情報以外にも地域の魅力を発信していきたいと考えている。」と。

その話を聞き、心を動かされたのです。父の言葉が、故郷である香川のために何かできないか・・という私の想いと合致しました。38歳の時、父が運営していた求人広告の会社への入社を決意しました。

日本の地方から世界へ

そして、今、株式会社しごとマルシェの経営者として、香川県に特化した総合求人サイト「しごとマルシェ」を運営しています。「香川で働く、香川で暮らす」をテーマに、香川の求人情報だけでなく、香川で暮らす魅力もコラムを通して発信しています。県外進学者のUターン促進にも取り組みたいとの想いから、新卒求人の情報発信も行っています。

香川に戻ってきて10年が経った今、ようやく、目を香川県内だけではなく、これまで働いていた世界にも目を向けられるようになりました。これからは、地元香川に根ざして、人と人、人と企業を繋げる仕事をしながら、海外進出を目指す地元企業のサポートを目指します!そして、少子高齢化が進む四国で、次世代のそして次の世代の人達が「ここで暮らしたい!」と思ってくれるような地域づくりの一助となれれば・・と微力ながら思っています。

おまけ:ガーナの日常的な食べ物である「フーフー」。白いお餅のようなものは、食感がお餅そっくりで、作り方も全く同じでびっくり!キャッサバをゆでて、杵のようなものでついて作る。スープは魚風味だったり、肉風味だったりととっても美味♪

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