2016年8月10日
昨日の東京は最高気温37度だったらしい。自転車を停めた信号待ちで浴びる蝉時雨が、たしかに大粒の雨みたいだった。
気づけば札幌を出て2回目の夏、去年よりは暑さに慣れたのかもしれない。心なしか都心の喧噪や、人で膨れ上がった電車、すれちがう靴音の過ぎていく速さにも。
毎日目新しいことに遭遇するわけじゃないし、尋ねられたら理由はすぐに思いつかないが、この地で生きていく時間は、とてもたのしい。
けれど意外にも、以前ミーティングの席で、あるスタッフさんに言われた言葉がある。
「歌詞を読むと、君は一体、今までどれだけ逃げてきたんだって感じてしまう」
「つまずく度に、北海道に帰りたいって思ってるんじゃないのか」
だから少しむきになって、帰るつもりはないと即答した。
僕にとっての作曲とは、物語を音で紡ぎ出すこと。
決して自叙伝やエッセイの類ではないし、パンクやロックンロールでもない。
小説を書くような、漫画を描くような、短編映画を撮影するような、そんなソングライターでありたい。
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