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1400年続く日本古来の瓦文化に新たな息吹を。粋瓦:SUIGAが届ける、暮らしに根付く上質な器

ー作り手

粋月

1400年以上前から日本人に親しまれてきた瓦。住宅の洋風化や災害における風評被害などから、使用される機会が減る中で「瓦の文化を後世に伝えたい」、そして「瓦が人々の生活に再び根付くこと」を目指し誕生したのが、瓦製食器『:SUIGA(スイガ)』です。

「粋」とは、「かっこいい」「素敵」などの誉め言葉として使用されてきました。また、質が良く優れているものに対しても「粋」が使われます。

現代の人にも「瓦って粋だよね」と感じていただきたいという願いを込めて、この名称にしました。

箸置き

粋瓦:SUIGAは「瓦」から生まれた食器です。
「いぶし瓦」の纏う炭素を特殊な焼成方法で閉じ込め「炭と同様の効果が期待できる」食器を造ることに成功しました。炭素の力で飲み物はまろやかに変化し、新しい一面を見せてくれます。釉薬や化学物質は使用せず、10年寝かせた瓦土と地元袋井の土を独自ブレンドしています。

ひとことに瓦と言っても、その製法・種類は様々。『粋瓦:SUIGA』は土を原料とし、燻すことで表面に炭素を付着させる「いぶし瓦」の製法を取り入れた食器です。その鈍く深みのある色から、確かな実力と魅力を表す“いぶし銀”という言葉の語源とも言われています。

こちらは瓦粋さんの代表的な作品でもある、穏やかな丸みがあたたかな印象の焼酎カップ

焼酎カップ

そしてこちらは無駄のないすらりとしたフォルムが潔い、ビアカップです。

ビアカップ

これらは西洋の黄金比に対して、法隆寺の金堂や五重塔など古くからの神社仏閣に使われ、日本人が美しいと感じる『大和比』(1:1,414の比率)を使用し形づくられています。

また表面を覆う釉薬を使用していないため、しっとりとした質感と青みがかった美しい黒色を放ちます。特殊な焼成方法で素材の中に閉じ込められた炭素が飲み物をまろやかで優しい口当たりにし、いつもの味からぐっと旨みを引き立たせてくれます。

土採取風景

原料となる土は、10年以上寝かせた瓦土と地元静岡県袋井市の土を独自にブレンド。明治の創業から115年の歴史をもつ瓦屋さんならではの熟練の職人技、素材へのこだわり、そして瓦文化継承への強い意志が込められ、器も瓦と同じく妥協のない製法で丹念につくられています。

ーものがたり

瓦屋根①

瓦離れが進む現在、瓦文化を残す為に今までにない何かをと考え始めました。文化を残す為には、今までのように屋根に乗っているだけではダメだと感じ「瓦を身近に感じて良さを知ってもらいたい」と思うようになりました。

瓦屋根②

近年の住宅の洋風化に加え、阪神淡路大震災の頃から『瓦は重い』『家根が重いと家が潰れる』といった風評被害から、瓦屋根の総出荷枚数はピークの昭和48年に対して3%まで減少しました。初期費用が高額になることもその一因です。

しかし安く手軽な屋根材の耐久年数が10-20年ほど、メンテナンスは数年ごとになることもあるのに対して、丈夫で質の良い日本瓦は耐久年数は50-100年とも言われ、メンテナンスは20-30年単位。本来はお財布にも地球にも優しく、まさに一生ものの存在なのです。

鬼瓦のストラップや瓦素材のマグネットなど様々な商品はありましたが、瓦の特製を生かした物を作りたいという思いが年々強くなり、遂に「食器」という一つの可能性に辿り着きました。炭素を纏った「いぶし瓦」を使用することで、炭と同様の効果が期待できる食器になるのではないかと考えたのです。

片口徳利・おちょこ

ただ形を変えるのではなく、瓦の本質的な魅力をそのままを取り入れながら新たな生活の道具として生まれ変わった「粋瓦:SUIGA」。昔ながらの日本の家づくりが減少する中で、そもそも瓦を目にしたり触れる機会も減ってしまっています。

まずは、『瓦を身近に感じて良さを知ってもらいたい』

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常に瓦に触れ、風合いや肌触りの良さを知っている職人さんだからこそ、「食器」という形にたどり着けたのだと思います。

ー想い

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古の歴史の中で日本の暮らしに寄り添い続ける瓦が形を変え、私たちに新たな温もりと良い道具と暮らしを共にすることの心地よさを教えてくれます。

釉薬や化学物質を使用しない「瓦」そのままの食器。それは「瓦を肌で感じられる、瓦を身近に感じられる」。コンセプトに沿ったものになったのです。

器だからと加工や装飾は一切なく、武骨な瓦そのままで勝負されているのは、職人さんが瓦の魅力と可能性を誰よりも信じているからではないでしょうか。釉薬がないことで味にまろやかさを加えることはもちろん、瓦そのままの風合いを感じることができます。瓦に直接触れる機会がほとんどない私たちにとって、その風合いはきっとこれまでにない新鮮な出会いとなるはずです。

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桐や紙の箱、紙製のクッション材など包装についても全てが自然にかえる素材にこだわり、届け方も人と地球に優しく、長く根付くものを目指していらっしゃいます。カップ以外の器についても試作をされているそうで、今後の展開がとても楽しみです。

瓦屋根が50年、100年と毎日の暮らしを守ってくれるように、粋瓦:SUIGAの美しく上質な器は一生ものです。瓦と私たちの新たな関係を結ぶ瓦粋さんの粋な取り組みは、いま岐路に立たされている瓦文化を守り、未来へとつなぐためのものになるでしょう。ぜひ大切な人への贈り物、ご自身のご褒美にご覧ください。

ー作り手情報


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