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岡山・倉敷のほんとうに「いいもの」を。地域を愛す美観堂がおすすめする、「もの」と「ひと」のストーリー

ー 繋ぎ手

岡山県倉敷市の「美観地区」。江戸時代には水運の要となった倉敷川を中心に、当時の趣を残した建物が並びます。 

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そんな美観地区の中、町家づくりの一角に鮮やかな紫ののれんを掲げるのが美観堂さんです。

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岡山・倉敷の特産品を取り扱う美観堂さんですが、お店で扱うものには明確な基準がありました。

お取り扱いする基準は、「岡山のもの」であるのに加え、以下の三点です。
・作り手の方にしっかりお会いして、お話をうかがうこと
・自分たちが「いい」と思ったもののみを取り扱うこと
・人柄的にも自分たちが素敵だと感じる方の作品を取り扱うこと
特に三つ目は大事にしています。

ただ商品を売るというだけでなく、そのストーリーに共感して下さった方にお届けしたいという思いから、裏側にある作り手の思いやこだわりについてもしっかりお伝えされているとのことでした。

また、有難いことにiichiに掲載頂く作品は、「手仕事であること」、「大量生産ができないこと」というこだわりを持って選別して下さっています。iichiに出品頂いている作品と、その作り手さんについて、いくつかお話を伺ってみました。


ー 粉引の湯のみ ー 十河 隆史さん

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ぽってりとした色白肌の下にあたたかな土の顔をのぞかせる粉引の湯のみ。この表情は、素地と透明薬の間に、ひと手間の『白化粧』 をかけることで生まれます。

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こちらの湯のみを作っていらっしゃるのは十河 隆史さん。岡山県玉野市出身で、約6年間、中学校の美術教師を経て、陶芸家として独立されたそうです。

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製作中は厳しい職人の顔の十河さんですが、猫ちゃんが工房でくつろぎ出した時は心なしか表情がうれしそうです。


ー 備前焼のマグカップ ー 出(いずる)製陶さん

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備前焼といえば落ち着いて重厚な土色が特徴ですが、出製陶さんは顔料を練り合わせた「色土」を使用することで、この軽やかな発色を生み出すことに成功されたそうです。

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岡山県備前市にある出製陶は、山本周作さん・領作さんのご兄弟で製作されています。お祖父様は備前焼のろくろの名手で人間国宝の山本陶秀さん。お父様は備前の土に色を付けて表現の幅を広げ、岡山県重要無形文化財となられた山本出さん。

受け継がれる確かな技術と、お2人の新しい感性でつくられるうつわ達は、これからどんな風に進化していくのでしょうか。

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ー ゆれる桃尻グラス ー 堀口 華江さん

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まるでほわほわのうぶ毛に包まれて生まれてきたような桃尻グラス。遊び心たっぷりの形、赤ちゃんのように透き通った肌のこのグラスにはそっとやさしく触れたくなります。入れて飲むのにオススメは、やはり桃ジュースだそうです。

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桃尻グラスを作っていらっしゃるのは岡山県和気町出身の堀口 華江さん。工房のある赤磐市では桃の栽培が盛んであることから、モチーフを思いついたとのことです。

岡山らしいお土産やプレゼントとしてすぐに大人気になった桃尻グラスですが、1つずつ堀口さんが吹いて作るため、大量生産は難しいそう。

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実はこのグラス、置いた時にはお尻らしくふるふると揺れる仕掛けになっています!その愛らしい動きに、思わず心が和んでしまいます。

ー ものがたり

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実は美観堂さんは最初から今のようなお店で無く、2011年に美観地区で『有鄰庵』というゲストハウス&カフェをオープンしたところから始まりました。

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ゲストハウスは、旅人の人たちに地域の魅力を直に伝えられる発信拠点として、カフェは、岡山ならではの食材を活かしたメニューを楽しめる場所として、地元内外の人々に愛されてきました。

お客さんも徐々に増えていくにつれて、地域との関わりも増えてきます。
その中で「また違う形で、もっとダイレクトに地域のためにできることはないだろうか」と考えるようになりました。

そこで今の代表の犬養さんが志したのが、「まだ埋もれている地域の魅力ある品々を、よりたくさんの人に知ってもらった上で販売し、そのリターンを地元に還元すること」でした。こうして、岡山・倉敷の「いいもの」を取り扱うお店が動き始めました。

ー 想い

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岡山県は海も山もあり、倉敷市だけでも、美観地区の他に国産デニムで有名な児島や、タコが美味しい下津井、さらにそれ以外でも野菜や果物を作られている畑もたくさんあり、多様な顔があります。
しかし、そこにある「いいもの」や「いいひと」には、県外の人々だけでなく、岡山に住む人たちにも知られていないものがまだまだたくさんあるそうです。

その「いいもの」を、たくさんの人に知っていただくこと。私たちがそうしたことを行っていくことで、大好きな地元である岡山・倉敷の生産者、メーカー、職人の方々にリターンを還元することを目指しています。

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また、美観地区は長い長い歴史を持つ地域。その「美観」を冠した店名を名乗ることには、最初は葛藤もあったそうです。

まだ若輩者の会社が、歴史ある美観地区の中で「美観」という名を名乗っていいものだろうか。他の伝統あるお店の方々から何か思われないだろうか?

しかしそうした不安は、「意義ある責任を引き受ける」という、より大きな決意によって退けられることになりました。

美観地区がこれからも美しい町並みを保ち、そこに住む人も流出せずに今の暮らしを続けていくには、私たちの世代も先代たちと同じぐらい、いやそれ以上に頑張り、自分たちがこの美観地区をこれから支えていかなければいけない、とも思うのです。
そうした考えから、あえてこの重みのある言葉を店名に冠することにしました。この『美観堂』という名前には、私たちなりの決意表明が含まれているのです。

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美しい岡山・倉敷の美観地区。そしてその継続に貢献する決意を持って名付けられた美観堂。そんな美観堂の人々がおすすめする「いいもの」たちが並ぶお店を、ぜひ一度見てみてください。

ー 繋ぎ手情報

美観堂




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