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萬古焼をルーツに、伝統技法をアレンジ。シンプルな中に古来からの日本の美意識を含む、J.MEZONの器たち

ー作り手

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「伝統的だと呼ばれるものを、現代の暮らしにマッチするものへ昇華したい」と思ったことがきっかけです。伝統的であることは同時に”古い”というイメージも付き纏います。ただその技法をアレンジすることで全く異なる見え方をしたり、新しさという刺激がありつつもどこか懐かしかったり、落ち着いたりという気持ちを呼び起こしてくれるものがいいなぁと思いました。

「食空間からあなたの毎日を彩る器」をコンセプトに制作活動をされているJ.MEZONさん。ルーツは「萬古焼(ばんこやき)」と呼ばれる伝統的な焼き物技法です。しかし、”日本らしさ”を伺わせながら機能性と美観を両立された作品は、古臭さをまったく感じさせません。現代の暮らしにおける空間、食生活を考えたシンプルで無駄を削ぎ落とした形状は、長く使い手の暮らしを支えてくれます。

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素材は国内のものに限定せず、イギリスや韓国など種々多様な粘土や鉱石を独自にブレンドしているそう。落ち着いた佇まいだけでなく、傷や汚れがつきにくいような実用性も考えられています。

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「HIBI」シリーズの特徴は、本物のひび割れの独特な模様。貫入(カンニュウ)という昔ながらの技法を応用し、より白と黒のコントラストを強めることで現代的な雰囲気に仕上げた作品です。ひびの模様は窯の温度や外気の湿度、釉薬のわずかな厚みなどによって少しずつ線の入り方が変わるため、ひとつとして同じものはありません。

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「Basics」シリーズは、『枕草子』の物語から色を着想し表現したワントーンコレクション。日本古来から伝わる四季折々の美しさを独自調合したカラーで再現しています。セミマットな質感はナイフやフォークなど貴金属のカトラリーによる傷がつきにくく、また表面のわずかなざらつきによって汚れが落ちやすいような機能性の高いものに仕上げています。

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日本古来の文化や技術を取り入れ、アレンジされた器たち。飽きさせないデザインや色で、現代の食卓を彩ります。モダンながら落ち着きを感じさせるのは、器から伝わる潜在的な日本の要素があるからかもしれません。すべての色味や技法は独自に調合され、こだわりの世界観を構成しています。


ーものがたり

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「J.MEZON」を制作するのは、三重県四日市市に窯元を構える銀峯陶器さん。1932年の創業当初から研究と商品開発を行い、土鍋を中心に製造されています。通常、釉薬や土はそれぞれの業者から仕入れるそうですが、銀峯陶器さんは創業時から独自に釉薬や土をブレンドして開発してきた珍しいメーカーさんです。

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器を構成する土と釉薬は自然のものであり、作るたびに成分は微妙に変動することは日常茶飯事です。それでも変わらぬ品質を使い手にお届けするため、鉱物や粘土など基礎的なものから顔料に至るまで独自にブレンドすることで、自然のちょっとした変化に気づけるような繊細さを培ってきました。

長年にわたって自社で調合を行なってきたからこそ、機能性やデザイン性にこだわったものづくりができる、という銀峯陶器さん。メーカーとして食洗機に使える、耐久性があるなど暮らしの器にとって欠かせない機能性を担保しつつ、自社調合のノウハウで独自のパターンや質感を表現しています。

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時代のライフスタイルを見つめ、そのニーズに答えられるようなものを目指し、使い手の暮らしが潤うような製品をご提案していきます。

銀峯陶器さん器のルーツは萬古焼です。萬古焼は、1911年に開発された技術によって日本で唯一陶器と磁器の両方の性質を持ち、”半磁器”とも呼ばれている焼き物です。陶器のような柔らかさと温もり、そして磁器のようなクールな表情も見せてくれるのが特徴です。

ー想い

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J.MEZONさんに、ブランド名の由来をお話しいただたきました。

J=Japan、MEZON=MEZZO(イタリア語:中間の)、Maison(フランス語:家)

和と洋のエッセンスが融合した新しい感覚の器をお届けし、食空間ひいては家全体をドレスアップすることで暮らしを豊かに過ごしてほしいからです。

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萬古焼が半磁器と呼ばれるのは、土と石の両方をブレンドし、焼く時の温度も陶器より高く磁器より低い中間に位置するから。そこから、中間のニュアンスを表すMezzoをブランドネームに潜ませているんだとか。

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J.MEZONさんの器のデザインも和と洋のいいとこ取りで、まさに中間。和陶器から着想しながらも、洋食のシーンにも馴染むモダンな世界観は、現代、そして、これから先の生活にも寄り添ってくれることでしょう。

ー作り手情報


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