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文学少女

元々、文章を書くことは私にとって「私」を表現する唯一の手段であった。寂しさや人に誤解され続けてきた本音を私は時には原稿用紙に、時にはスマホに書き留めた。文章を読むことで自分にはない価値観や思考を取り入れたり言葉を使って作詞をしたりと、形は変われど「文学」という存在と私は一緒に生きていた。

私の最愛の人が文学を愛していた。あの人が語る文学の魅力とあの人から生まれる文章は凄く綺麗で。だけど、どこか私と近くて同じ景色を見ているような、だけどあの人はずっと遠くにいるような気がした。私はあの人と同じ景色をちゃんと見たくて少し人生を早送りしてしまった。目の前の景色を見なかった。その結果あの人はずっと遠くへ行ってしまったけど、これで良かった。あの人は私にとって高嶺の花だから。

私に残されたのはあの人ではなくて、音楽ではなくて「文学」だ。私はあの人のいない文学だって愛している。私の生きる理由はずっと文学でありたい。私を理解出来るツールは文学のみでありたい。才能なんてないし知識なんて付けてないけど私は幼少期に唯一自分を表してくれた、自分を輝かせてくれた文学を一生大事にしたい。文学を愛すことは私にとってあの人を愛すこと。文学であの人と繋がっているんだ。あの人だけじゃなくてきっと想像出来ないくらいの人々と繋がっているんだよ。理解なんて一番つまらないけど理解されない孤独さのアンバランスごと受け入れてくれた文学に私は取り憑かれたみたい。言葉と私はイコールで生きている。


私はずっと、愛しているよ。

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