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【詩】できない自分を責めたくなる夜


私はできない人間だ

できる人間に生まれたかった

だけど

私はできない人間だ

 

凸凹の多さに ため息をつく

この自分と生きてきたのか

生きる困難を抱えるのも頷ける

そして これからも

この自分と生きていくのか 

 

ふと思う

本当に私は孤独なのか

本当に誰も助けてくれなかったのか


助けられる恥ずかしさに

人を遠ざけたのではないのか

カッコをつけてできるフリをして

ごまかして生きていないか


できる できないで人を見ていないか

できないことは悪なのか

できる・できない 以上の視点で

人間を見つめるつもりはないのか

お前には その視点だけが全てなのか?


私には 憎む人がたくさんいた

何年も何十年も 憎み続けた

憎みながら気がついたことは

憎むという形で 甘え続けてきた

 

お互いの凸凹が引き合うように

出会ったあいつ

 

あいつを憎み 死ねと祈った数えきれぬ夜は

実は生きる希望だったと知る

 

憎しみという甘え方

まるでおもちゃのように 記憶のタンスを開き

底の方から取り出し 一人で遊ぶ

 

憎んでいたあいつらが 実は私を助けていた

いいやそんなことはない

いや でも やっぱり

いや そんなことはない

いや でも やっぱり・・・


****


私は孤独だったのか?

本当に私は孤独だったのか?

 

たくさんの人が私に 触れて

関わりが生まれようとしていた

 

私はそれを避けていた

この人は やがて私を傷つける

そんな怯えのマントを羽織り

孤高のヒーローを気取る私


人に頼ることが苦手だという私

その内実は 本当の私がバレるのを

恐れているだけなのだ


人は知っている

人間はみんな裸の王様であること

だから上等な服を着て 綺麗にメイクを決めて

笑い声で 武装する

 

裸の私を生きる時

服を差し出す人がいる

その服を着れば 身体も心も温まるのに

その服を受け取ることは

自分が裸だと認めること

 

そんなプライドが私を

孤独にした

 

私が裸であることを認める時に

私の愛は 微笑み始める


できるものが偉いのか

できないものが偉いのか


もっとその価値観を超えていくのだ

探し求めるのだ

見出していくのだ


人間の知恵を超えよ

人間の知恵を超えよ 

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