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消費者を欺く、秘密の減量。
輸入原材料費の高騰により、さまざまなメーカーが実質的値上げに踏み切っている。価格にそのまま転嫁するとイメージが悪いので、内容量を減らして価格は据え置く。これまでも同じことが、繰り返し行われている。
粉末だしの素が、パッケージデザインを変えずに、ほんの少しだけ箱を薄くしたことがあった。内容量を見ると、400gだったものが300gになっていた。
マーガリンも、450gあったものが400gになり、いまでは300gしかない。
豆腐もどんどん小さくなっている。
お菓子でも、11個入りだったものが、9個入りになっていたりする。
トイレットペーパーは、シングル60mが50mまで短くなったものもある。
消費者の知らないうちに、気づかないように、減量されているのである。
不景気で値上げできず、苦肉の策であることは理解できるが、後で気づくと非常にイメージが悪い。
「価格を抑えるためには仕方がない」とは見てくれない。「セコい!」と感じるだけである。「セコい会社」になってしまうと、ファンは逃げてしまう。
内容量を減らしたことがセコいのではなく、黙ってやったことがセコいのである。堂々と言うべきではないか。
「経営環境が厳しい中、お求めやすい価格を維持するために、ほんの少し内容量を減らさせてください」と。
「そんなことを言うと、競合に負けてしまう」と思うかもしれないが、黙ってやることの方が、後々致命傷になるのではないか。
商品が良ければ、消費者はそう簡単には離れないものだ。馴染みの商品は利用し続けたいものだから。
好きでいてくれる消費者を欺いてはいけない。
スーパー「オーケー」の『オネスト(正直)カード』をご存知だろうか。
『只今販売しておりますグレープフルーツは、南アフリカ産で酸味が強い品種です。フロリダ産の美味しいグレープフルーツは12月に入荷予定です。』
『長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。』
『本日販売しております西瓜は、日照不足のため糖度が不足しています。お差し支え無ければ、他の商品のご利用をお薦めします。』
このように、店の不利となることも正直に書いたカードを掲示しているのである。
すべてを正直に伝えることで、店への信頼度が非常に高くなり、常連さんで賑わう店となっている。
商売人は正直でなければならない。キレイごとではなく、それが本質なのである。
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