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中津村開拓日誌・第11号-3(2005年2月発行)

2003年11月23日。
私たち三人は、和歌山県動物愛護センターで、
「犬猫を飼うための講習会」を受けていました。

犬をもらうためです。
ちゃんと飼ってもらうために、この講習会は義務づけられています。
受けないと、犬はもらえません。

そこには、生後3ヵ月くらいの犬がたくさんいました。

一番小さくてわかいい犬を見ていたのですが、女の子なんです。
女の子だと避妊手術にお金がかかるので、
仕方なく、次にかわいい男の子にしました。

茶色で柴犬のような雑種です。それはそれは、かわいいんですよ。
大きくなっても、柴犬と同じくらいですが、色が少し変わってきました。

身体のデザインや大きさは、柴犬。カラーリングは、シェパードです。
顔は、いまでも非常にかわいい。
見つめられると、つい“ムギュ!”としたくなります。

が、ムギュと抱かせてくれません。
抱かれることを非常にイヤがります。
かわいくな~い。ケッ!

でも、顔を近づけると、デロデロに舐めまくってくれます。
うれしいような、汚いような。

最初は舐めさせていたのですが、外で飼っている犬は、
どんな病気があるかわかりませんので、
手だけ舐めさせるようにしました。

でも、スキがあれば、顔めがけて飛びかかってきます。
身体をなでていると、いつも狙っています。こちらも警戒体制です。

私は、犬が大好きなので、かわいくて仕方ありません。
どれくらい好きかというと、子どもの頃の話をしなければいけません。

3、4歳の頃、私の母が、私がいなくなったと探しまわり、
大騒ぎになりました。
かなり探したようです。結局、見つかったのは、犬小屋でした。
犬と一緒に寝ていたのです。それくらいの犬好きです。

何年かして、その犬が亡くなり、私は悲しくて仕方ありませんでした。

でも、アパート暮らしに変わって飼えない状況でも、
捨て犬を拾って来ては、空き地で飼っていました。

ある時、まだ小さかったその犬も、車にひかれて亡くなりました。

それでも懲りずに、生まれたばかりの小さな小さな犬を
拾って来てしまいました。
世話の仕方も知らないのに。でも、そのままにできなかったのです。

バカでした。ミルクのやり方もわからず、
とにかく布で温めていただけでした。
どんどん衰弱していき、最後には私の手の中で息を引き取りました。

その時、私は心に誓ったのです。もう二度と犬は飼わないと。
あんなに辛い思いはイヤです。

ところが、あれから30年ほど経った今。
翔馬と嫁はんが、犬を飼いたいと言い出したのです。

私は反対しました。世話が大変だし、長い旅行も行けなくなるし。
それに、いつかは……。

私もせっかく田舎に来て、犬を飼うことができるんだから、
そうしたい思いはあります。でもね。

結局、二人に押し切られ、コロンがやって来たのです。

かわいいです。でも、ちょいとイカれています。
興奮すると、我を忘れて、暴れるように走りまわります。

ストレスかな、とか思うのですが、
ちゃんと毎日40分くらいの散歩はさせているし、
軍手の引っ張り合い、などでも遊んであげています。

つまり、元々イカれているのでしょう。
おかしな行動が多いのです。とても面白いですけど。

【コロンのご紹介】

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仕事は、匂いを嗅ぐ、ひたすら嗅ぐこと。

趣味は、穴掘り。自分の頭がすっぽり入るくらいに掘っていきます。
一生懸命です。楽しそうです。

地面の軟らかいところだと、足を使わずに、鼻先だけで掘り進み、
まるでモグラです。
地面が盛り上がりながら、移動していくのです。
おかしすぎて、ゲラゲラ笑ってしまいます。

中津村近辺で、朝、犬の散歩中
一人で笑っている人がいたら、それは私です。

それと、木の枝をかじることも趣味です。
散歩中、枝を見つけては、そこに座り込んで、カジカジします。

皮を剥いだり、パキパキ折ったり。
小さく折れれば、それで納得するようです。

山の中なので、枝はたっぷりあります。よって、キリがありません。
無理やり引きずって帰ります。

コロンは、変なウンチングをすることがあります。
片足をあげるので、おし○こをするのかなぁ、と思ったら、
そのまま足をおろし、ウンチポーズに変えます。

なんや、それ!
最初から、そうしとけよ、です。よくあります。

たまに、片足をあげたまま、
ウンチをしていることがあります。変な犬です。

頭は悪くないんですよ。
ちゃんと“待て!”もできるし、“お座り!”もできます。
“お手!”もできます。すぐに憶えました。

だいたい食べ物がある時だけですが。やっぱりバカです。

そうそう、頭がいいために、
本人(本犬か)が損をしていることがあります。

私たちが外出から帰った時、コロンと目が合うと、
逃げて犬小屋に入ってしまうことがあります。

これは、何か悪いことをした証拠なんです。
どこかをかじったとか、穴を掘った時は、
悪いことをしたという意識があるようです。

誰も見ていないんだから、知らん顔をしていれば、
私たちにはわからないのに、
賢いがために、素直に出てしまうのです。

おかしいったら、ありゃしない。

そんな時は、私たちも、面白がって、
“あぁ~、何かしたなぁ~”と、指差します。

すると、怒られたと思うのか、
犬小屋からつらそうな顔で、そっと見ています。
それがまた、かわいい。

もっとかわいいのは、本当に怒った時です。
犬小屋に入り、目さえ合わせようとしません。

うつむきかげんで、小屋の壁を見て、じっと耐えています。
それが、なんともかわいすぎます。

その顔が見たいがために、怒るほどでもない時にも
怒ったフリをしてしまいます。
悪い親です。かわいそうに。

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